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[Day11]現代の文化批評は千年後も使えるか

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多くの記憶に働きかける

言葉の「重み」はなぜ生じるのか。この問いに答えるのは難しくない。その言葉に関わるものが増えるほど、その言葉は重く=上手になる。

ひとが言葉に「重み」を感じるメカニズムはよく分かっていないけど、2010年代に脳科学者たちは「記憶痕跡」が物理的な実体であると明らかにした。実験用マウス(遺伝子組換済み)が光を浴びると電気ショックの恐怖を思い出すように育てておき、その脳内を観察したところ、外界からの刺激(光)によって一部の神経細胞群(ニューロン)がつよく結びつき、次の刺激に反応しやすくなる符号(パターン)が形成されていたのだ。この符号はマウスが何かを学んだときに、シナプス(ニューロン間で情報を受け渡す部位)の伝達効率を高めるはたらき(シナプス可塑性)を示すと分かった。

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