年間テーマ〈ユーモア〉②
老境とユーモア島田修三 短歌の批評や鑑賞の肯定的な用語として、私はユーモアという語をしばしば使う。ことに新聞歌壇の歌評では使うことが多い。どうしてかというと、新聞歌壇はどこもそうかも知れぬが、投稿世代の大多数が老境に達した人たちである。実はこの世代の歌には年齢特有というか、この年齢ならではの独特のおかしみがある。滑稽といってもいいし、おとぼけといってもいいし、剽軽洒脱な味といってもいい。思わず笑ってしまったと評すこともあるのだが、とりあえず、ユーモアで間に合わせておく場合が多