藤原奏▢結社の魅力▢⑥(まひる野2023年6月号特集)(作品とエッセイ)
藤原 奏一級遮光カーテン
正しいと人にいうのをこわがって母は毛布をわたしに贈る
あなたの形に朝日が射してコンビニに行くよコンビニしか行かないよ
母はあなたを嫌うだろうかラーメンを鍋からつつき合う昼下がり
このひとを母に会わせる日が来るとふいに気づいてしまう花冷え
ぬばたまの一級遮光カーテンに包まれている夜勤者ふたり
お母さん似なんだね。って小包の宛名だけ見て看破するひと
先送りを許されている引越しの日のまま残る実家のアザミ
有り合わせのふたり暮らし