百野虎子

百野虎子

記事一覧

ウスターソース

ウスターソースにむせる君が好きだよ ハンバーグのソースを作る時 ケチャップと合わせて火を入れる むせるね 蒸気でね でも僕は知っている そんなにむせてない事を ウスタ…

百野虎子
6時間前

きっと両想い

ねぇ 唇閉じてさ 見つめあってみようよ きっと両想いなんだけれど お互いの気持ちを確かめあってない 不安定でチクチク心地良い そんな君からの言葉 瞳は驚くほど潤んでい…

百野虎子
1日前
2

今日もまた
昇る太陽
合掌す
白髪の老人
光差し込む

百野虎子
2週間前

水張りて
田植えを待つよ
夏帽子

百野虎子
2週間前

今日良いと
思った次の日
嫌になる
それでもいいさ
信じて行くさ

百野虎子
3週間前

人の世の
決まり事とは
あぶなかし
感じる事こそ
導なりけり

百野虎子
1か月前

大人には
なりたくないと
言う君の
赤くて痛い
荒れた横顔

百野虎子
1か月前

春昼の
霞む山並み
浮かぶ富士
枝を差すは
さくらんぼの花

百野虎子
1か月前

病み上がり
よどんだ私
動き出す
友人からの
はよ遊び行こ

百野虎子
1か月前

熱い喉
込み上げる痰
しみじみと
懐かしくなる
今日この頃かな

百野虎子
1か月前

山の家

道端ですれ違ったのは 仕事終わりの初老の木こり ただよう 油と木材と汗の匂い 懐かしい 重たい匂い しばらく暮らした あの山の家 夕方になり日が落ちると 残り火が 山々…

百野虎子
9か月前

思い出の君

つらくなったら 君が一番救われた時を 思い出すんだ そして大事なのは そこにいる君自身に会いに行くことだよ だって 君が必要としているのは 救われた君自身なんだから

百野虎子
9か月前

入道雲

冬の間 あんなに嫌だった静電気は 一体どこに消えちゃったんだろうね そんなの簡単だよ 冬の間 君の中に溜め込んだの全部 あの入道雲が持って行っちゃったんだよ

百野虎子
9か月前

二度と

今、私が触れた場所は もう二度と同じようには触れられないのよ あなたは笑うけど 私は、これこそが 生きる事だと 本気で思っているのよ

百野虎子
10か月前

飴色に艶めく山寺の廊下を 後ろの私を気にして歩く 君のその 白い踵 全てのものが 濃く 強く むせかえるこの季節に 昼下がりに どこからか匂い立つ くちなしの花のように …

百野虎子
10か月前
1

温もり

よしよし おぉ よしよし 今は 私のなかで お休み あなたが目をさますまで 私はここにいます 起きたら あなたが温まる そんなご飯を食べましょう あなたが遊び疲れて お腹…

百野虎子
10か月前
1
ウスターソース

ウスターソース

ウスターソースにむせる君が好きだよ
ハンバーグのソースを作る時
ケチャップと合わせて火を入れる
むせるね 蒸気でね
でも僕は知っている
そんなにむせてない事を
ウスターソースに
むせてる自分が好きなんだね
そんな君が好きなんだよ
そんなにチラチラ僕を見なくても
いつだって見ているよ
ちゃんと見ているよ

きっと両想い

きっと両想い

ねぇ 唇閉じてさ
見つめあってみようよ
きっと両想いなんだけれど
お互いの気持ちを確かめあってない
不安定でチクチク心地良い
そんな君からの言葉
瞳は驚くほど潤んでいる
睫毛とこめかみの清らかな青筋
口角は悪戯に恐ろしい
匂い立つのは
幼い息と甘い体臭の混ざった匂い

「私の脳内で繰り広げられる妄想の数々を言葉で綴っております。半分夢のような断片的、突発的な脳内妄想スケッチです。」

今日もまた
昇る太陽
合掌す
白髪の老人
光差し込む

今日良いと
思った次の日
嫌になる
それでもいいさ
信じて行くさ

人の世の
決まり事とは
あぶなかし
感じる事こそ
導なりけり

大人には
なりたくないと
言う君の
赤くて痛い
荒れた横顔

春昼の
霞む山並み
浮かぶ富士
枝を差すは
さくらんぼの花

病み上がり
よどんだ私
動き出す
友人からの
はよ遊び行こ

熱い喉
込み上げる痰
しみじみと
懐かしくなる
今日この頃かな

山の家

山の家

道端ですれ違ったのは
仕事終わりの初老の木こり
ただよう 油と木材と汗の匂い
懐かしい 重たい匂い

しばらく暮らした あの山の家
夕方になり日が落ちると
残り火が 山々を這うように
空を染め上げる あの山の家

あなたは今も
煙草を吸いながら あの夕暮れを
眺めているのだろうか
全てを許したい気持ちと
全てを否定したい気持ちと
行ったり来たりしながら

思い出の君

思い出の君

つらくなったら 君が一番救われた時を
思い出すんだ
そして大事なのは そこにいる君自身に会いに行くことだよ
だって 君が必要としているのは
救われた君自身なんだから

入道雲

入道雲

冬の間 あんなに嫌だった静電気は
一体どこに消えちゃったんだろうね

そんなの簡単だよ
冬の間 君の中に溜め込んだの全部
あの入道雲が持って行っちゃったんだよ

二度と

今、私が触れた場所は
もう二度と同じようには触れられないのよ

あなたは笑うけど
私は、これこそが 生きる事だと 本気で思っているのよ

踵

飴色に艶めく山寺の廊下を
後ろの私を気にして歩く
君のその 白い踵

全てのものが 濃く 強く
むせかえるこの季節に
昼下がりに どこからか匂い立つ
くちなしの花のように
白く 差し込んでくる

遠くなる 蝉時雨
風は 止んでいる

温もり

よしよし
おぉ よしよし
今は 私のなかで お休み
あなたが目をさますまで
私はここにいます
起きたら あなたが温まる
そんなご飯を食べましょう
あなたが遊び疲れて
お腹と背中がくっつくくらい
そんな時に食べた
あのご飯を食べましょう
よしよし
おぉ よしよし
何の心配もいらないのです
ただ 思い出して
疲れてはてて 寝てしまった
あの時に 薄目を開けて見た
台所に立つ私の姿を
お腹が冷えな

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