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旧仏領インドシナの建築

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カンボジア、ベトナム、そしてラオス、旧仏領インドシナのコロニアル建築とフレンチモダン建築が好きです。 消えつつある、ホーチミンのサイゴン時代のタウンハウス、プノンペンのクメールル… もっと読む
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【最近読んだ建築本】50・60年代カンボジアのフレンチモダン建築 New Khmer Architecture

【最近読んだ建築本】50・60年代カンボジアのフレンチモダン建築 New Khmer Architecture

新クメール建築 プノンペンを初めて訪れた時に強いインパクトがあったのは、ガイドブックにあるような王宮や虐殺博物館ではなく、まさかここで出会うとは思わなかったフレンチモダン建築でした。

ベトナムにもフレンチモダン建築はありましたが、既に取り壊されているものが多かったです。プノンペンはフレンチモダン建築の宝庫でした。

建築学科の学生時代に教科書で学び、図書館の資料集で素敵だなあと眺めていたフレンチ

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バッタンバン、ご飯の美味しい小さな街

バッタンバン、ご飯の美味しい小さな街

年末年始をタイに近いバッタンバンで過ごしました。フレンチコロニアル建築が残る、可愛らしい小さな街です。

産院で聞いたバッタンバンの話バッタンバンの話を初めて聞いたのは、今思うと長男が生まれた日本の産院でした。二人部屋にて、数時間違いで出産したもう一人のママは、出産から最初の5日間を共に過ごした戦友で、初対面ながらそれまでの人生について一生分喋り倒した感じがしました。

そこで、彼女は大学卒業後カ

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【ホーチミン旅行】ベトナムとカンボジアの共通文化を探しに

【ホーチミン旅行】ベトナムとカンボジアの共通文化を探しに

短いサイゴン(ホーチミン)旅行に行ってきました。昔の友人たちに親子で会い、楽しい夏の休暇を過ごしました。

そして在住時によく訪れた2つの博物館の再訪も叶い、感慨深いです。

博物館で見たかったのは、カンボジアに関する展示です。近代史だけを見ると、関係が良好とはいえないベトナムとカンボジア(参考:カンボジア・ベトナム戦争|Wikipedia)なのですが…

第三国出身の目から見るとホーチミンを含め

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カンボジア地方都市間の移動方法と、コンポントムの1960年代タウンハウス

カンボジア地方都市間の移動方法と、コンポントムの1960年代タウンハウス

こんにちは。連休が取れたので、「サンボープレイクック」というアンコールワットより更に500年古い遺跡に行ってきました。
遺跡周辺にはほとんど宿泊施設がないので、シェムリアップとプノンペンの中間にある街「コンポントム」をまず訪れました。

ラリタか郵便の二択今回は以前から話に聞いていた、「郵便バン」に乗ってみました。

シェムリアップからコンポントムまでは、プノンペン行きに乗って途中で降りるのですが

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プノンペンの1940〜60年代タウンハウス

プノンペンの1940〜60年代タウンハウス

プノンペンに初めて来た2015年、当時住んでいたホーチミンではもうかなり取り壊されていた、フレンチモダニズムの影響のあるタウンハウス(長屋形式の集合住宅)がまだそのまま残されていることに驚きました。ポルポト時代に街が壊滅的になってもそのまま建物は残り、人が戻ってきたことを考えると感慨深いです。

私は専門家ではなく、ただの街の散策好きなので、詳しいことは少しずつ調べようと思っていますが、そうこうし

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【カンボジアのモダニズム建築】Bophana Center (推定:1954年〜1965年建設)

【カンボジアのモダニズム建築】Bophana Center (推定:1954年〜1965年建設)

こんにちは。カンボジアでは公共施設などの入場制限が緩和されたので、以前から時間をかけて見たいと思っていたBophana Centerをゆっくり訪れる機会ができました。

最初はChinese shophouseとして建てられたとのことでした。Chinese shophouseとしてイメージするのはホーチミンのチョロンやシンガポールにある植民地時代のヨーロッパ風の建物なんですが、ここは台形の柱といい

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