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小さな小屋でのとある1日

太陽の光が小さな窓に差し込む。
鳥の囀りが一斉に響き渡った。

朝だ。これが最近の目覚まし時計。

起床と共に私の体は外へと向かった。
ひんやりと外はまだ冷たいようで、背中に寒気が走った。
だが、そんな寒さが走る度にやけに心地よくなっていく。

おかげさまで、日の出が遠くの空に、
満月が沈むのを真反対の空に見ることができた。

自然の中。
日の出と共に一人、手を合わせ、生きていることに感謝する。

そんな電気と水道がない小さな小さな小屋での生活も後半に差し掛かる。
5日間、自然の中での生活は自然から凄まじいエネルギーをもらう毎日。
やはり太陽のエネルギーには体も心も特に反応するようで、今日は一段とエネルギーが湧いてくる。

薪ストーブで暖を取ること、料理をすることにも慣れてきたこともあり、余裕が出てきた。

さて今日は何をしようか。
どうせなら普段しないことをしたい。
そう思い立ち、また山の奥へ奥へと足を進める。

進めれば進めるたびに私の目は輝きを増した。

センスオブワンダーの世界。

樫の葉
水が根から小川へと流れ込む



目の前を数頭の鹿がジャンプで走り去ったり、
ウサギの素早っこさに驚いたり、
オークの木に登り梟を観察したり、
動物たちが残した軌跡を追いかけたり、

まるで子供のように、好奇心が体を動かした。
誰にも止められない、止めるものもいなかった。

本を読んだり、詩や絵を書いたり、笛を吹いたり、
ただ楽しく今を生きる。

そんな時、ふと気づきが生まれた。

”何かに集中するということ”は大いなるパワー。
私たちは日常の中で、常に何かを選択して、焦点を当てる。
それをどれだけ意識下でできているか、管理できているか。
ただ今に、忠実に生きれているか。

そんな気づきをノートに入念に書き込んだ。

太陽がもうすぐ沈む。
鳥たちの囀りも少しずつ静かになっていった。

暗くなるのと同時に私は時間を知ることもなく寝袋の中で眠りについた。





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