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『プリズンホテル1 夏』浅田次郎著


おつかれ様です😌七海です。
今週は浅田次郎さんの『プリズンホテル1 夏』の読書感想です。


こちらは1993年と随分前の作品なのですが、
母に「笑って泣けるから」と勧められ、読んでみることにしました。

なお、本作は夏・秋・冬・春(面白い順番ですよね)の4部作となっておりますので、今後、残りの3部作についても感想を投稿します。


🕶あらすじ🕶
「奥湯元あじさいホテル」
…名前だけ聞くと、格式高い老舗ホテルを想像する方もいるかもしれません。

しかし、実際はヤクザが経営するホテルで「プリズンホテル」と呼ばれており、堅気の客は滅多に訪れません。

そんな任侠専門⁇とも言えるホテルに、ホテルのオーナーの甥で、極道小説家の木戸や元エリート商社マンとその妻、一家心中を目論む家族などが訪れ、話が展開していきます。


🕶感想🕶
こんな差別用語だらけの小説は初めて読みました。笑
だけど、作者自身はその時代には当たり前に存在した差別意識や社会の理不尽に対し、疑問を持っていることは容易に伝わってくる、不思議な作品でした。


木戸という極道小説家は女性に容赦なく手を上げます。
現在の価値観で言えば、かなりひどめなDVといえるレベルです。

普通ならこんな男、許せないし、好きになんかなれないと思うんですが、私は全く嫌いになれませんでした。
なぜなら、暴力行為の背景にある彼の弱さや不器用さが作中で見事に表現されているからです。
きっとすぐには変われないだろうけど、幸せになってほしいな、と思いました。 

秋・冬・春に期待しています。

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