七寒六温

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「山田はサイコロを振る」あらすじ

 お金を借りにきた友人山田を、貸さないと言って追い払おうとすると、山田が急にサイコロを持ってきたと言い出し、そのサイコロを振って出た目が奇数ならお金を貸してくれ、その変わり偶数なら自分は死ぬと言い出す。  しかし、いくら借金ばかりしてだらしない男だが、2分の1の確率で、死ぬのは不憫過ぎると思った主人公は他の案を提案することにする。  そして、運命の時が……  山田がサイコロを振る。  出た目は、主人公が一番目臨んでいないものであった。結末はハッピーエンドかバッドエンドかは読者

    • 「山田はサイコロを振る」

      「すまん、2万でいい。2万でいいから貸してくれ」  小学校時代からの友人の山田は、俺の家に来るやいなや、お金を貸してほしいと言ってきた。  この言葉、もう聞き飽きた。こいつは何度も何度もこう言って俺に金を借りにくる。しかも、借りる一方で一切返さない。 「ダメだダメだ。お前には10万円以上貸してるだろ。これ以上、お前に貸せるお金はない」 「……そうだよな。俺、お前に借りてばっかりだったよな。これでも俺、反省したんだよ。たったひとりの親友に、なんのリスクもなしにお金借りてさ」

      • 「幽霊に会えるコインランドリー」あらすじ

         お盆のため、実家に戻ってきたたかし。洗濯をしようと洗濯機のスイッチを押すが、洗濯機が反応しない。仕方ないので、近所のコインランドリーに行くと、かつての友人ユウタに出会う。ユウタとの再会を懐かしむたかしだったが、妙な違和感を感じる。その違和感は勘違いで済んだが、ユウタは昔話を始める。ユウタはここで、死んだじいちゃんに会った、即ち幽霊に会ったという。どうやらこのコインランドリーは幽霊に会えるらしいと。  幽霊には触れることができるが、食べ物の共有はできない。これは、幽霊は、たか

        • 「幽霊に会えるコインランドリー」

           お盆の期間中だったので、親父の葬儀の日以来、実家に帰ってきた。  洗濯をしようと思ったが、実家の洗濯機が壊れた。この洗濯機、俺のことが嫌いなのか俺がスイッチを押しても、洗濯機は動かない。  洗濯機に怒っても仕方がないので、コインランドリーに行くことにした。  「おい、たかし、たかしじゃねーかよ」  コインランドリーに来たのだが、コインランドリーに入るやいなや、そう声を掛けられた。  振り返ると、見覚えのある顔。 「あれ……もしかしてユウタ? だよな、やっぱりユウタだよ

        「山田はサイコロを振る」あらすじ

          「ピストルマニア」あらすじ

           ある日、俺は中学時代の同級生井崎に家に来てくれと招待される。井崎は自らをピストルマニアと名乗り、自作のピストルを見せる。ピストルといってもほとんどが偽物。ただし、本物が1丁だけ混ざっていると井崎は言い始め、井崎は、偽物を全て当てたら50万円あげると言う。複数のピストルの中から、偽物を全て当てるゲームが突如、始まるのであった。 #ジャンププラス原作大賞 #読切部門

          「ピストルマニア」あらすじ

          「ピストルマニア」

           俺には、中学の時の同級生 井崎という男がいる。その井崎がようやく一人暮らしを始め、是非ともきてくれよなんて言われ招待されたので、井崎の部屋に行くことになった。家具家電は必要最低限のものしか置いていない。  そう、物語はこの井崎の部屋から始まる。 「僕はさ、ピストルマニアなわけさ。ウチには6丁の様々なピストルがある」  井崎はニヤけてそう言った。  中二病を拗らせているのか24歳にもなって拳銃って、ここは銃社会ではない。一般市民がそんなもの持っていていいはずがない。 「

          「ピストルマニア」

          用を足す 侍が立つ

           2週間前から、侍が見える。   こいつはいったい、何者なのだろうか?  幽霊や幻覚にしては、くっきりしている。  コスプレイヤーにしては、古典的な衣装を着ている。    それに変なのは、いつでも、どこでも見えるというわけではなく、見えるのは俺が用を足している時だけ。  用を足していると、ヌゥーッとどことなく現れ、用を足す俺の横に来て、ただ棒立ちしている。  俺が侍の方を見ると侍は俺の目を見て、ニッコリと笑い、会釈をする。声を掛けなければそうやって反応があるのだが、声を

          用を足す 侍が立つ

          タイトル なりすまし

           隣の部屋に引っ越してきたという女が挨拶にきた。 「はじめまして。私、隣に引っ越してきたものです。よろしくお願いします橋本さん」 「はじめまして。ここ、橋本さんのお宅ですよね?」 「……佐々木です」  俺の名前は、佐々木航。橋本さんではない。 「橋本さんて男前なんですね」 「ありがとうございます。ただあの私、佐々木なんですけど?」 「佐々木さんなんですかー」 「でも、橋本さんでもありますよね?」 ――橋本という名前に心当たりはある。  学生時代、同級生とノリで始

          タイトル なりすまし

          ご飯かパンかそれとも食べないのか

           朝ごはん、パン派かご飯派か……  連絡帳からランダムに選んだ15人に聞いた所、    ご飯派が10人  パン派が3人  食べない派が2人となった。  食べない派2人はいずれも学生。  どうしてかと質問すると、  「大学生はお金がない。最近バイトも見つからなくて、朝ごはんくらい削らないと生活できない」  そう切実な答えが返ってきた。  朝ごはん、パン派かご飯派か……  僕はどうかというと、両方だ。両方といっても、月水金はパン、火木土日はご飯という分け方をしているわけ

          ご飯かパンかそれとも食べないのか

          信じていますサンタクロースを

          ・はじめに  この話は、小さいお子さんや、まだサンタクロースを信じている方には適していません。  そっとこのページを閉じてください。    一応、忠告をいたしましたので、ここからは自己判断ということでお願いします。 「ふざけんな。おい、おれの夢を返せよ」 「お前謝れ、土下座だ、土下座しろ!」 といった苦情は一切受け付けません。 1章 サンタクロース システム  12月25日はクリスマス。  たくさんの子どもたちが楽しみにしている日の 1つである。  理由は、サン

          信じていますサンタクロースを

          二重人格バナナ

           皆さんは、気付いていないかもしれませんがこの世には、二重人格バナナというバナナが存在します。   このバナナ 食べると、文字通り二重人格になってしまうのです。  残念ながら今の所、二重人格バナナはどのような形や色をしていて、どんな味がするのかといった特徴がまったく分かっていません。  何故なら、二重人格は本人の自覚がないので、人間は、二重人格バナナを食べたことによって自分が二重人格になったということを認識できないのです。  ***  あー二重人格バナナなんて食べたくな

          二重人格バナナ

          神様リストラ

          「大丈夫、心配しないでいいって。あなたは、あれだけ頑張ってきたじゃない。寝る間も惜しんで勉強したし、風邪を引かないように体調管理を気をつけてきた。そんなあなたを神様が見放すわけないでしょ? 大丈夫、合格できる。合格できるから」 「……でも、神様が味方してくれなかったら?」 「その時は、私が神様をリストラするから。そんな見る目のないやつをいつまでも神様においておくわけにはいかない」 「えっ? そんな力、お母さんにあるの?」 「そりゃあるわよ。私は神様よりも、偉いし、あな

          神様リストラ

          小学校履歴書

          うちの会社の社長は変わっている。新卒、中途採用問わず、応募者には、小学校履歴書という書類のみを提出させる。 小学校履歴書は、小学校時代自分が頑張ったことや、褒められたこと、学校での役割や習い事等 全て小学校時代のことだけを書く。それ以外の時代のことは一切書かなくていい。 理由は2つある。 1つは、学歴や転職回数、業務経験を判断材料としないようにするため。 もう1つは、社長は人間の人間の人格の7割を作るのは小学校時代と考えているため、小学校時代にどのように生きたかを知ること

          小学校履歴書

          コロコロ変わる名探偵

          「み、見つけたぞ こそ泥大臣!」 名探偵は、ずっと探していた大泥棒らしき男を見つけてそう言った。 「な、何……!」 百戦錬磨、今まで数多くの盗みを働いてきた大泥棒。その姿を1度も見られたことはなかったため驚いている。 「……あ、ちょっと今のやり直させて」 「……ん?」 戸惑う大泥棒。 「み、見つけたぞ コソドローマン!」 「……えっ?」 「んーこれも違うなー やり直し」 「あ、ちょっと待ってください。もしかして、呼び方で悩んでます?」 「自分は怪盗SUV。そこそ

          コロコロ変わる名探偵

          株式会社リストラ

          会社にリストラを告げられた日の帰り道、受け入れるか受け入れないか、家族にどう話そうか悩んでいると…… 「あれっ? 先輩じゃないっすか?」  高校時代、一番嫌いだった後輩が声を掛けてきた。 「もしかして先輩嫌なことありました? リストラされるとか?」 「……」   「ず、図星なんですか?」 「変わんないっすねー昔から先輩、顔に出てましたもんね」  また、からかいにきたのか。こいつこそ変わっていない。昔から俺のことを馬鹿にしてきた。 「そんな怖い顔しないでくださいよ。先

          株式会社リストラ

          君に贈る火星の

          「君にこれあげるよ」  と言って、友人がくれたのは玉ねぎだった。 「え? 何これ?」 「僕、玉ねぎ好きだなんて言った?」  どちらかといえば嫌いだ。あのシャリシャリして苦いか甘いかどっちか分かんないやつ、頭がごちゃごちゃするからどちらかに統一してほしい。だから、玉ねぎをもらっても、「うわー嬉しい」と素直には喜べない。 「知らないの? これ火星の玉ねぎだよ」 「か火星の玉ねぎ……いや、いらな〜い!」  火星の石や砂とかなら欲しいけど、火星の玉ねぎを貰った所でどうしろと?

          君に贈る火星の