ご飯かパンかそれとも食べないのか

 朝ごはん、パン派かご飯派か……

 連絡帳からランダムに選んだ15人に聞いた所、
 
 ご飯派が10人
 パン派が3人
 食べない派が2人となった。

 食べない派2人はいずれも学生。

 どうしてかと質問すると、 
「大学生はお金がない。最近バイトも見つからなくて、朝ごはんくらい削らないと生活できない」
 そう切実な答えが返ってきた。

 朝ごはん、パン派かご飯派か……

 僕はどうかというと、両方だ。両方といっても、月水金はパン、火木土日はご飯という分け方をしているわけではない。

 僕の場合、
 会社に出社して仕事をする日はご飯。
 リモートで仕事をする日にはパンと決めている。

 ご飯の方が腹持ちがいいとか、パンならギリギリに起きてもいいとか、そういう理由ではない。

 単に、リモートに対する当てつけである。リモートワークになったせいで、ご飯を食べたかったけれど、パンを食べているんだぞと。

 もちろん、こんなことをしたからといってリモートワークがなくなるわけでもないし、リモートに対して大きなダメージを与えられるわけではない。

 僕1人の行動で、何か変わるわけではないけれど、聞いてほしいんです、誰かに届いてほしいんです。無駄な行動だと自分で分かってはいるが、そんなことでもしなければこのイライラはおさまらない。

 ――僕、ずっと憧れてたんですよ。

 仕事は、辛い。人間関係はしんどいと聞いてはいたけれど、そのストレスにのまれながらも、仲のいい仕事仲間を見つけ、休憩時間にワイワイキャッキャやったり、「飲み行くぞ」って誘われて、上司から、ありがたい説教や、漫画でしか見たことのないような武勇伝聞きたかったですよ。
 
 オフィスラブ!
 やって、みたかったな〜〜

「だって、リモートじゃできないじゃないですか!」

 自宅でも仕事は、辛い……
 だけど何故だろう、勤務場所が自宅ってだけで働いている気がしない。

 人間関係で悩むことはあまりない。仲のいい人もできないけれど……
 リモートだと、説教も褒めの言葉も半減する。直接合っていないから、怒られていても臨場感はなく、1つの映画を観ているように感じ、褒められていても、テキトーに言葉を並べて褒められているような気がする。

 飲み方はいけない……
 リモート飲み会で忘年会のようなことはしたが、家族が近くで聞いているからかな。上司がやけに小さく見える。上司が一切、威張ったり、怒鳴ったりしない。

 リモートワークがいけないとは思わない。
 おそらく、長年、毎日毎日会社に出社して、残業続きでヘトヘトの体のまま、飲み会に付き合って、ヘトヘトで自宅に帰るを経験した人にとっては、リモートワークは快適で、ストレスの減る働き方かもしれないけれど……

 僕、ほとんど経験していないから!
 
 昨年、新入社員として入社していらい、何度会社に出社しただろうか?
 リモートの方が絶対多かった。

 パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンご飯パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンご飯パンパンパンパンパンパンパンパンパン

 これくらいのペースですよ。

「ああ、いつになるのだろう。そろそろきてほしいな、毎朝僕が、朝ごはんを食べられる日が。そして、食べない派2人がパンでもご飯でもいいから、
朝ちゃんと食べられる日が……」


#2000字のドラマ
#あざとごはん

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