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体幹・コアトレーニング

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体幹・コアトレーニングについて生理学的、解剖学的に記事にしています。
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#体幹

コアトレーニングまとめ:Core Training Series

コアトレーニングまとめ:Core Training Series

Twitterにて投稿している体幹(コアトレーニング)まとめを作成しました。

皆様のトレーニングの一助になれば幸いです。

機能的動作と自重トレーニングの利点(ほとんどの自重エクササイズは、多関節を用いて固定した身体部位から負荷を遠ざけたり近づけたりするクローズドチェーンエクササイズになり、クローズドチェーンの動作のほうがより機能的であり、一度に複数の筋群を強化できる)

機能的動作と自重トレーニングの利点(ほとんどの自重エクササイズは、多関節を用いて固定した身体部位から負荷を遠ざけたり近づけたりするクローズドチェーンエクササイズになり、クローズドチェーンの動作のほうがより機能的であり、一度に複数の筋群を強化できる)

ウェイトトレーニングと自重トレーニングフリーウェイトやマシンなどの伝統的なトレーニング方法は、筋力向上に確実な効果をもたらしますが、バイセップスカールなどのポピュラーなエクササイズは単関節のみが関与するオープンチェーンエクササイズであり、自由に動く四肢を用いて負荷を身体から遠ざけたり近づけたりしながら、関与する関節に伝えられる力を増大させる類のものになります。

筋力トレーニング用のマシンに関して

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脊椎の屈曲は椎間板損傷をもたらすか?(エクササイズによって椎間板損傷が起こるのは、疲労が適応によるリモデリングの速さを上回った場合であり、その際の圧縮負荷が約2,000Nである)

脊椎の屈曲は椎間板損傷をもたらすか?(エクササイズによって椎間板損傷が起こるのは、疲労が適応によるリモデリングの速さを上回った場合であり、その際の圧縮負荷が約2,000Nである)

腰椎の屈曲のバイオメカニクス 脊椎のバイオメカニクスとその椎間板の病理への影響を説明するために、動物や人のin vivo(生体内)試験やin vitro(生体外・ガラス器内)試験、さらにコンピューターを利用したシミュレーションモデルなど様々な研究が行われてきました。

特にin vitro研究では、反復的な腰椎の屈曲が、椎間板ヘルニアの形成(繊維輪膜の境界の外へ椎間板の一部が突出する)と脱出

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固有感覚と爆発力(アイソメトリック:等尺性における安定性の優れた基礎が構築されていると、動作の必要性が生じた場合に、固有感覚、すなわち動作を伴う関節安定化の作用によって、より素早く効率的な反応が調整される)

固有感覚と爆発力(アイソメトリック:等尺性における安定性の優れた基礎が構築されていると、動作の必要性が生じた場合に、固有感覚、すなわち動作を伴う関節安定化の作用によって、より素早く効率的な反応が調整される)

固有感覚の向上とはアイソメトリック(等尺性)な安定性の優れた基礎が構築されていると、動作の必要性が生じた場合に、固有感覚、すなわち動作を伴う関節安定化の作用によって、より素早く効率的な反応が調整されます。

固有感覚を向上させることで、関節とその支持機構の過小活用または代償活用を防止できます。

バイオメカニクス的な効率は、障害予防に役立つだけではなく、筋力向上、パワー発揮、およびスピード向上を最

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体幹筋群と腹腔内圧(ドローインもブレーシングも、体幹筋群の協働的収縮を賦活化させることで腹腔内の圧力(IAP)を高め、脊柱を安定させる)

体幹筋群と腹腔内圧(ドローインもブレーシングも、体幹筋群の協働的収縮を賦活化させることで腹腔内の圧力(IAP)を高め、脊柱を安定させる)

ローカル筋群とグローバル筋群体幹部の、特に腰仙部の脊椎付近にある筋群はローカル筋群とグローバル筋群とに分類されており、ローカル筋群のうち腹横筋および多裂筋は脊椎安定のためのスタビライザーとして役割を果たし、腹直筋や脊柱起立筋などのグローバル筋群は脊椎の運動とトルクを産生する役割を果たしています。

近年、体幹部のローカル筋群は、健康増進、美容促進や競技力向上など非常に幅広い面から注目されており、「

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脊椎系の機能とコア(体幹)トレーニング(上肢および下肢動作中、上肢および下肢の筋が活動する前に、「腹横筋」が先行して活動する)

脊椎系の機能とコア(体幹)トレーニング(上肢および下肢動作中、上肢および下肢の筋が活動する前に、「腹横筋」が先行して活動する)

コアトレーニングの目的とは
理論的には、コアトレーニングはパフォーマンスを向上させ、障害を予防し、腰椎の損傷を治癒するために行われます。

McGillによると、「よく鍛錬されたCoreは至適パフォーマンスと障害予防に欠かせない」と言われています。

構造と機能
コアの漸進的トレーニングプログラムを提案する研究数は数多く、そしてそれらの提案は、1992年に発表されたPanjabiの2本の論文と19

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