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機能的動作と自重トレーニングの利点(ほとんどの自重エクササイズは、多関節を用いて固定した身体部位から負荷を遠ざけたり近づけたりするクローズドチェーンエクササイズになり、クローズドチェーンの動作のほうがより機能的であり、一度に複数の筋群を強化できる)

ウェイトトレーニングと自重トレーニング

フリーウェイトやマシンなどの伝統的なトレーニング方法は、筋力向上に確実な効果をもたらしますが、バイセップスカールなどのポピュラーなエクササイズは単関節のみが関与するオープンチェーンエクササイズであり、自由に動く四肢を用いて負荷を身体から遠ざけたり近づけたりしながら、関与する関節に伝えられる力を増大させる類のものになります。

筋力トレーニング用のマシンに関しては、使用者の体格や筋力に個人差があるため、すべての人の身体に適合するようなマシンを作ることは困難になりますが、自重トレーニングは、実践者各自の四肢長、筋/腱の停止部、および体重に合わせて行うことができます。

さらに、ほとんどの自重エクササイズは、多関節を用いて固定した身体部位から負荷を遠ざけたり近づけたりするクローズドチェーンエクササイズになります。

多くの場合、クローズドチェーンの動作のほうがより機能的であり、一度に複数の筋群を強化できます。

様々な機能的動作とコア(体幹)

様々な機能的動作、例えば、バットを振る動作では、まず重力を用いて身体の様々なシステムに受動的負荷をかけ、それと同時に、能動的負荷をかけ、それと同時に、能動的な筋力によって床反力を増大、方向転換して股関節を回転させ、コアのスティフネスによって股関節を肩関節と結んで回旋を発生させ、最後に上肢がその回旋パワーをバットに伝えます。

この回旋パワーは、用具を振る動作からランニングに至るまで、最もよく知られ、かつ実行されている機能的動作の多くに共通するテーマになります。

パフォーマンスの強化と傷害予防

Mcgillらは、専門的トレーニングの指針となり、パフォーマンスを強化し、また不安定性に関連する様々な傷害の予防にも役立つものとして、脊柱の安定性をもたらす4つの基本原則を次のように提示しています。

1.近位のスティフネス(腰椎及びコア)が遠位のセグメントの運動能力と四肢の速度を向上させる。
2.柔軟な脊柱が負荷に耐えるためには筋の「支え綱」が不可欠である。
3.筋の同時活性がスティフネスをもたらし、疼痛と組織変性につながる関節の微小な動きを抑える。
4.一部のタクティカルアスリートや、格闘およびインパクト要素を伴う競技の選手には腹筋の鎧が必要である。

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