固有感覚と爆発力(アイソメトリック:等尺性における安定性の優れた基礎が構築されていると、動作の必要性が生じた場合に、固有感覚、すなわち動作を伴う関節安定化の作用によって、より素早く効率的な反応が調整される)
固有感覚の向上とは
アイソメトリック(等尺性)な安定性の優れた基礎が構築されていると、動作の必要性が生じた場合に、固有感覚、すなわち動作を伴う関節安定化の作用によって、より素早く効率的な反応が調整されます。
固有感覚を向上させることで、関節とその支持機構の過小活用または代償活用を防止できます。
バイオメカニクス的な効率は、障害予防に役立つだけではなく、筋力向上、パワー発揮、およびスピード向上を最大限に引き出す重要な前駆としての役割も果たします。
スタビリティボールを用いたエクササイズは、コアの安定性を向上させ得られますが、身体パフォーマンスの向上には直接結びつかない可能性のあることが、Stantonらによって明らかにされています。
スタビリティボールを用いた様々なエクササイズは、それぞれを単独で実施しても、スプリントの到達速度の向上という望ましい結果にはつながりませんが、殿筋群を刺激する各種のヒップエクステンションエクササイズは、下肢後面における適切な筋の発火パターンの伝達に有益な効果をもたらし、その結果、ハムストリングスの挫傷予防に役立つ可能性があります。
固有感覚と爆発力
コアの安定性を高めるエクササイズを適切に漸進させ、それらを効率的な動作テクニックや効果的な筋力およびパワー向上エクササイズ(スクワットやスクワットジャンプなど)と組み合わせることで、傷害予防の手法とパフォーマンスを最大限に高める手法を統合することができます。
レベルの高い選手の場合は、固有感覚のコンディショニングをワークアウト前のウォームアップに移行させたり、あるいはそれらを高強度の筋力向上およびプライオメトリックスセッションと組み合わせることで、望ましい無酸素性トレーニング効果を促進させることも可能になります。
腰部疾患と体幹(コア)
米国人の約80%が腰痛に悩まされているという報告があり、腰部の障害に伴う痛みが身体に障害を引き起こし、身体機能に影響を及ぼすこともあります。
アスリートが腰痛で6~8週間以上も試合に出られなくなれば、本人だけではなく、チーム成績にも多大な影響を及ぼします。
腰部障害のリスクを減らすために、スポーツ医学の専門家らは、体幹(コア)の障害を特定する目的で、シーズン前にアスリートの機能的テストを行うことを推奨しています。
これにより、矯正しなければ、腰部障害につながる筋の脆弱性や機能不全の運動パターンを特定することができます。
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