見出し画像

脊椎系の機能とコア(体幹)トレーニング(上肢および下肢動作中、上肢および下肢の筋が活動する前に、「腹横筋」が先行して活動する)

コアトレーニングの目的とは

理論的には、コアトレーニングはパフォーマンスを向上させ、障害を予防し、腰椎の損傷を治癒するために行われます。

McGillによると、「よく鍛錬されたCoreは至適パフォーマンスと障害予防に欠かせない」と言われています。

構造と機能

コアの漸進的トレーニングプログラムを提案する研究数は数多く、そしてそれらの提案は、1992年に発表されたPanjabiの2本の論文と1997年に発表されたHodges&Richardsonの2本の論文で提案された脊椎の構造を基礎としていることがほとんどです。

PANJABIによると「脊椎系の機能は四肢の運動を可能にすることと、負荷を担うこと、そして脊椎と神経を保護すること」とあります。

また、脊椎のスタビライゼーション(安定性)システムは以下の部分により構成されると記しています。

椎骨、関節面、椎間円板、脊椎靭帯、関節包を含む受動的な筋骨格のサブシステムであり、受動的サブシステムは可動域の端で機能する。
筋と腱を含む能動的な筋骨格系のサブシステムであり、能動的サブシステムは力を発揮する。
神経とフェードバックであり、これは情報を受け取り、能動的サブシステムにスタビリティを達成するように支持する。
Panjabiらの報告によると、正常な脊椎の受動的サブシステムは2~9kgの負荷で曲がり、日常生活においても競技活動においても、この負荷を超えることはあるとあります。

例えば、Nechemsonによると、腰椎には通常でも座位で100~180kg、立位で80~150kgもの負荷がかかるとしています。

Panjabiのモデルと脊椎の耐負荷能力(2~9kg)に関する報告は、注意して取り扱う必要があり、この大部分は、検体の椎骨研究かバイオメカニクスモデルを利用した、生体外研究から得られており、したがって、この研究は限定的なものになります。

なぜならば、組織だけを取り上げて研究の対象とし、多くの靭帯、筋、腱、骨、それらの相互作用、および身体能力レベルや既往歴などの因子を考慮にいれていないことがあります。

HODGES&RICHARDSONらによると
上肢および下肢動作中、上肢および下肢の筋が活動する前に、「腹横筋」が先行して活動することを示しました。

すなわち「あらゆる動作は体幹部で発生するか、体幹を通じて結びつけられる」ということになります。

続きをみるには

残り 2,918字

¥ 500

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

ご覧になって頂き本当にありがとうございます。