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体幹筋群と腹腔内圧(ドローインもブレーシングも、体幹筋群の協働的収縮を賦活化させることで腹腔内の圧力(IAP)を高め、脊柱を安定させる)

ローカル筋群とグローバル筋群

体幹部の、特に腰仙部の脊椎付近にある筋群はローカル筋群とグローバル筋群とに分類されており、ローカル筋群のうち腹横筋および多裂筋は脊椎安定のためのスタビライザーとして役割を果たし、腹直筋や脊柱起立筋などのグローバル筋群は脊椎の運動とトルクを産生する役割を果たしています。

近年、体幹部のローカル筋群は、健康増進、美容促進や競技力向上など非常に幅広い面から注目されており、「体幹トレーニング」に加えて「ドローイン(腹部の引き込み)」、「ブレーシング(体幹筋群の随意同時収縮)」や「腹腔内圧(Intra-Abdominal Pressure:IAP)」といった体幹部の働きに関する専門書籍も多く出版されています。

なお、ドローインもブレーシングも、体幹筋群の協働的収縮を賦活化させることで腹腔内の圧力(IAP)を高め、脊柱を安定させる作用があります。

IAPは、これまでに外乱刺激に対する制動効果、動作姿勢による影響や運動時のパフォーマンスとの関係を調査した研究がみられます。

IAPの定量化は、これまで色々な方法で行われていますが、中でもMcCarthyは腹腔鏡を用いて測定したIAPと肛門から約10cm以上内部の直腸圧とがほぼ同値であることを報告しています。

スクワット時の脊椎

バックスクワットの脊椎開始の説明としては、両足を床に平らにつけ、膝関節と股関節をニュートラルに伸展させた解剖学的肢位をとり、脊椎の自然な湾曲を保った状態で直立し、次に、股関節、膝関節、足関節を屈曲しながら身体を下ろして、スクワット動作を行います。

一般的に、大腿上部が少なくとも床と平行になり、股関節が膝関節と同じ高さかやや下に位置するまで下降するように指導します。

続いて、上げる動作は、股関節、膝関節、足関節のトリプルエクステンションにより上昇を続け、開始時の伸展姿勢まで戻り、動員される体幹後部の筋群、特に脊柱起立筋は、スクワットの運動中は等尺性筋活動を行います。

さらに、体幹後部の筋群を前部および側部の腹筋群が補強し、腹筋の張力を生み出すことによって体幹をしっかりと支えます。

脊椎の安定性を増大させるには

下ろす動作を始める前に、アスリートは、最大吸気量の約80%まで息を吸い込み、腹腔内圧を高め、息を止めて、脊椎の安定性を増大させます(バルサルバ法)(この吸気量は負荷の大きさにより変わる可能性がある)。

このテクニックは、たわみやすい棒構造である脊椎が、圧縮負荷に耐えるための準備として用い、バルサルバ法は、また、「近位のスティフネス」をもたらし、四肢の発揮筋力と速度を促進することにより、肩関節と股関節における発揮パワーの増大を可能にします。

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