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【最新】Chat-GPT新機能[Code Interpreter]の驚きと危険性【前編】[Technology]

 先週末、Chat-GTP4に新機能「Code Interpreter」が実装されました。

 エンジニア界隈を除いてはそれほど話題になっていませんが、これってすごいことなんです。

 僕もかなり使ってみた結論として「これはChat-GPTとして革命的な進歩」ということを実感しました。


何がすごいのか。Chat-GPTの「これまで」

 Chat-GPTは、大規模言語モデルLLCであるGPTというAIを「対話」に特化してチューニングしたものです。

 ですので、何か質問すれば、言葉で流ちょうに答える。その答え方があまりに人間ぽくって、何でも答えるので、ここまでブームになってきたわけですよね。

 でも、それは裏返せば、人の言葉で命令やお願いをすることしかできないし、言葉でしか返すこともできなかったわけです。

 ですので、僕も、大規模言語モデルAIを使って「AI中山」を作るときも、①Pythonというプログラム言語を自分で書いて、②その中で、Chat-GPTに言葉で指示をして、③帰ってきた言葉を、またプログラムで処理して、④僕っぽいしゃべり方の音声に変えて、⑤僕の声でしゃべらせていた、わけです。 


Chat-GPT4自身がプログラムを書く

 それに対してChat-GTP4の新機能「Code Interpreter」を使えば、

Chat-GTP4の新機能「Code Interpreter」でできること

【今まで】 
言葉(文章)を受け取って、言葉(文章)で返すだけだった。

【今後】 
ある命令を言葉で受け取ると、言葉だけでなく、必要に応じてプログラムを自分で生成して、そのプログラムを自分で実行して、その結果を、言葉だけでなく、図やグラフなどを交えて返答してくる。

 例えば、僕がプログラムを書かなくても、Chat-GPTが僕の代わりにプログラムを書いて、「AI中山」を実行することもできるようになった。

 そんな、とんでもないものに進化した、ということです。

 もちろん、Chat-GPT以外の大規模言語モデル(LLM)をプログラミングして使えば同じようなことはできましたし、プログラムを自動生成するLLMもこれまで存在していました(マイクロソフトのGitHub Co-pilotなど)。

 でも操作が難しすぎて、システムの専門家以外は扱えなかったわけです。

もう1つの画期的な機能追加も

 あと、もう1つ、画期的な機能ができました。

 それは自分の持っているファイルをアップロードできるようになったことと、Chat-GPTが作ったものをファイルとして自分のパソコンにダウンロードできるようになりました。

 これもすばらしい機能追加です。

 例えば、自分のパソコンにある写真をアップロードして、Chat-GPTに「この写真をモノクロにして」とお願いすると、モノクロの写真が生成されて、自分のパソコンにダウンロードできるようになります。

 要するに、今までのChat-GPTと違って、手元にあるファイルを渡して、日本語で「~して」とお願いすると、単に言葉で返答するだけでなく、色々なものをChat-GPTが作ってくれるようになります。これをプログラミング知識のない人にもできるようになったということです。

 今までのChat-GPTではできなかった次のようなことが、今回の機能アップで、新たに、できるようになりました。例えば、

今回の機能アップで、新たにできるようになったこと(例)

・自分の写真の加工を日本語でお願いできる  
例 「この写真の顔を細くして」「写真の色を青から緑にかえて」

・英語のPDFファイルの中身の要約を日本語でしてくれる  
もちろん、容量制限はありますが、500MB程度までいけます

・絵を描いてくれる、動画を作ってくれる 
例 「富士山を背景にして微笑む少年の絵を作って」

・簡単なシステムを日本語で書いて作ってくれる(プログラム知識不要) 
例 「スケジュール管理をするシステムを作って」

・パワーポイントなどの資料を作ってくれる
 
例 「『Chat-GPT入門』という資料をパワーポイント10枚で作って」などなど…。


 これらは、他の生成系AIを使ってこれまでもできましたが、組み合わせるのが面倒であったり、プログラミングの知識が必要だったりしました。

 今後は、手元にあるファイルをアップロードして、日本語で指示することによって、色々なことができるようになります。

 一番使われるのは、データ分析でしょう。

 これまで、データの分析は、プロのデーターサイエンティストという職種の人がしてきましたが、今後は、Chat-GPTがやってくれます。グラフにしてくれます。そのグラフを使って、報告書まで作ってくれます。 

 「AI中山」もいつか、Chat-GPTに日本語で「作って」といえば、作ってくれるようになるでしょうね。これまで200時間かけてプログラムしていたのですが、これも不要になります。

できないことは「できない」と答える

 それと、今までのChat-GPTと違うことがもう一つあります。

 これまでのChat-GPTなら、わからないことも、わかったように答えを返してくることもありました。よく「嘘をつく」と言われていた所以です。

 それに対して、できないことは、「できない」、あるいは「できないけど、こうしてくれたら、できます」と返答するようになったということです。

 新しいChat-GPTは、何というか、人間相手に会話しながら仕事をしている感覚になるのです。

 わかりやすい例で説明しますと、こんな感じです。

 僕が日本の人口統計の論文を読んで、その論文の情報から知り得たことを分析して、レポートを書きたいとして、作業を依頼してみると、次のようなやり取りになりました。

僕「人口統計に関してのファイルを渡すので読んでみて」
Chat-GPT(以下GPT)「わかりました。はい、読みました」

僕「どんな論文だったの?」
GPT「日本の人口推移に関しての考察が書かれた論文です」

僕「人口推移に関してどんな分析があったの?」
GPT「人口の推移とその時代の事象、それらの因果関係を考察してます」

僕「その考察を教えて」
GPT「...という考察です。ポイントは5つ。1つ目は...」

僕「論文の中にある、年と人口数の関係をグラフ化して」
GPT「はい」
(折れ線グラフが画面に表示される)

僕「
(グラフを見ながら)このグラフを棒グラフにかえて」
GPT「わかりました」
(棒グラフが画面に表示される)

僕「このグラフを分析して、年と人口の関係を言って」
GPT「1970年以降の日本におきた出来事の情報があれば分析できます」

僕「日本の出来事のPDFファイルをアップロードするから参考にして」 
(と書いて、「日本の歴史」という文章をネットで探してアップロード)
GPT「日本の歴史を読みました」

僕「では論文と、今読んだ日本の歴史をもとに、年と人口について5つ分析できることを言ってみて」
GPT「はい。まず1つ目は...、2つ目は...」

僕「考察と、グラフから言えること5つを、まとめてレポートにして」
GPT「はい。わかりました」
(レポートが画面に表示される)

僕「さきほど作ったEXCELのグラフと、いました分析の内容を、10枚のパワーポイントで資料にして」

GPT「はい。わかりました」
(パワーポイントの資料が出来上がる)

 出来上がった資料を、僕は自分のPCにダウンロードしてレポートを完成させるのですが、このやり取りって、昔やっていた、僕とデーターサイエンティストとの会話そのものなんですよね。 

 このように、Chat-GPTも僕に要求してくるとようになったのと、やり取りをしながら一緒に何かを作っていく、という機能や感覚が、「今までのChat-GPTとは別物」、という感じをより一層強くさせます。

 改めて……すごくないですか?

後編では、僕が感じた懸念点を

 後編では、この機能から僕が感じた、懸念点について述べていきます。


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