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2020年6月30日に会おう - 7月1日のDearMedia NewsLetter

私は毎朝、ニューヨーク・ロンドン・パリ・ミラノ・東京から生まれる約1000記事をチェックして、週3回、ニュースレターを書いています。
その中から「ちょっと気になる情報」「最近話題のニュース」「面白いできごと」をピックアップしています。

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いまから8年前の2012年6月30日。
「伝説の東大講義」と言われる、瀧本哲史さんによる2時間にも及ぶ講義が東京大学で行われました。

瀧本哲史さんは、エンジェル投資家で経営コンサルタント、京都大学の准教授という、一見バラバラな仕事で世の中に貢献されていた方です。

この講義は、参加資格を29歳以下に限定し、300人以上の若者が全国から集まったもので、講義の最後に
「2020年の6月30日にまたここに集まり宿題の答え合わせをしよう」
と締めくくられました。


しかし、瀧本哲史さんは
2020年を待たずに
2019年8月、47歳の若さで亡くなりました。

今日ピックアップする記事は
ひとりの編集者が瀧本氏からの「宿題」は何かと考え
『2020年6月30日にまたここで会おう』という一冊の本を作り、その全文を期間限定で公開しているものです。

瀧本氏の思想と生き様、
処女作『僕は君たちに武器を配りたい』から一貫して伝えたかったメッセージについて、お話していきます。


【本日のピックアップニュース】

この特設noteは、”第一檄”から”第六檄”まであり、かなりの長文の内容です。

瀧本氏の語り口調や、例として取り上げる話も面白く
あっという間に読めてしまいますが
内容を咀嚼しながら、頭を働かせながら読むとかなり疲れます。笑

内容(目次)を抜粋して掲載すると

第一檄「人のふりした猿にはなるな」
https://note.com/doourhomework/n/nb4572987819b

- 僕が本を書く理由
- 自ら明かりを燈せ
- ソロスはなぜコピー機をバラまいたか
- ものを言う道具
- 100万部より価値のある「10部」

第二檄「最重要の学問は『言葉』である」
https://note.com/doourhomework/n/nfd3252191337

- 教養の役割
- バイブルを否定せよ
- 自分で考えるための「ケースメソッド」
- 右手にロジック、左手にレトリックを

第三檄「世界を変える『学派』をつくれ」
https://note.com/doourhomework/n/n837e52f641e2

- 「霞が関の競合」をつくろう
- ダメな場所からは離れる
- 援助が非合理を温存する
- Q:大久保利通の年齢を答えよ
- YOUNG CHANGE THE WORLD
- 科学革命の不都合な真実
- 君と君たちが、パラダイムを変える
- ニセ預言者たちに騙されるな

第四檄「交渉は『情報戦』」
https://note.com/doourhomework/n/n5894d9c22128

- 相互依存の時代に必要なもの
- ダメな交渉は「僕がかわいそう」
- アンカリングの魔力に騙されるな!
- 相手の「理由」をすべて潰せ
- ビジネス理論マニアの、残念な人
- バカがいたら、猿だと思え
- セールスは何で決まるか
- サイボウズは交渉の達人
- つまりは「聞いたもん勝ち」

第五檄「人生は『3勝97敗』のゲームだ」
https://note.com/doourhomework/n/nbd0788d38a6b

- ショボい場所から始めよう
- 計画された失敗
- 仲間は必ず「いる」
- 伊藤博文の記録を抜こう
- ファイトクラブ戦略
- フリーメイソンに学べ
- 目的のために、つながる

第六檄「よき航海をゆけ」
https://note.com/doourhomework/n/n0a9d9fdc72e3

- 質問は「ヘボくていい」
- 「たまたま失敗した人」を助けよう
- 僕が「弱者」を支援する理由
- 若き「革命家」たちを支援せよ
- 君に、戦う理由はあるか?
- 「盗めないもの」は、なんだ?
- リーダーシップが発揮できる場所を探せ
- 僕は日本の未来に期待したい
- 無茶をやれ
- 船員になるか、船長であるか


第一檄で、日本への危機感と期待、ひとりの強力な「カリスマ(を作る)モデル」ではなく多くのポテンシャルがある人へ「武器配布モデル」で戦えるようにして、確率論的に世の中を変えていこうとしているという動機を語り、

第二檄で、ものの見方の柔軟性、視点をいかに多様にするかと自分の頭で考えろというメッセージ、そのための「ケース・メソッド」という教育法や最初の教養として学ぶべきは「言葉」だ、といったことを述べ、

第三檄で、国を変えていく具体的な方法、特に官僚・地域政治・若者が起こすパラダイムシフトについて語り、

第四檄で、支配関係の時代から相互依存の時代、交渉とは何か、非合理な人への対処法、情報をいかに使うかという具体的な手法について言及し、

第五檄で、カリスマモデルではないリーダー論、3勝97敗のゲームをしている認識、仲間とネットワークのつくり方を教えてくれて

第六檄で受講者からの質問に答えてくれて、最後に「よき航海を」とエールを送ってくれています。

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私が育った時代は、高校教育までは皆と同じことに価値があり
君たちは若いのだから黙って大人の言うことを聞いていなさい
と言われているような気がしていました。

それが大学の入ったとたん
「あなたはどう考えるの」と議論に参加させられ、論文を書き
果ては社会を変えるような一角の人物になれと言われるようになって
戸惑ったことを覚えています。


何でもかんでも「変革しろ」「イノベーションが必要だ」と焚きつけることは好きではないのですが、自分の使命を見つけて現状を変えたいと願う人にとって瀧本氏が配ってくれている「武器」は、とても強力なものだと思います。

2012年6月というと、私は独立して半年が経った頃。
船長として小さな船を恐る恐る動かし始めた時でした。

その時に、この講義で話されているようなことを聞いても
たぶん何一つ受け取れなかったと思います。

いま読むと、ひとつひとつがまさに答え合わせのような感じで、
このニュースレターでいつも伝えていることや
ブランディングや情報発信、世の中の法則や時代の流れに対する認識が同じことを確認できて、

私はおばかさんだけれども、時間をかけて本質に近づいて来れたのだと、
そこが一番嬉しかったのでした。

社会に大きなインパクトを残すような人にならなかったとしても
自分が生きたいと思った場所で堂々と自分の船を動かせるだけで
十分社会に貢献していると思います。

そのための一番の武器は
自分の脳みそと言葉、
相手に対しての想像力
です。


瀧本氏流の「武器」を渡してくれているこの全文公開noteは7月6日までだそうなので、良かったら読んでみてくださいね。


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