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【夜を歩く】江戸情緒と粋な東京の下町散歩「門前仲町・深川・清澄白河」編

下町の風情が色濃く残る、通称「門仲(もんなか)」


下町の風情が色濃く残る門前仲町は『門前』という名が示すように、富岡八幡宮と深川不動堂の門前町です。平賀源内や松尾芭蕉、伊能忠敬などの著名人が多く住んでいたことで知られ、江戸文化の華を咲かせました。

江戸情緒たっぷりの街並みといえる、下町好きにはたまらなく魅力的な街です。

50年前に門前仲町に町名変更を行いましたが、以前は深川門前仲町と呼ばれていました。
深川の地名は、江戸初期にこの一帯を開いた深川八郎右衛門にちなんでいます。

江戸時代から始まった埋め立てで生まれたエリア

深川のある江東区エリアは、江戸時代初期まで海に点在する小さな洲だけしかありませんでした。
これを深川八郎右衛門が埋め立てたことによって発展していきます。

1596~1615年に深川八郎右衛門が森下周辺の新田開発を行い、深川村を創立。

1661年に両国橋、1963年に新大橋、1698年に永代橋が架けられ、深川の市街地化はさらに進んだのだといいます。

市街地化が急速に進むに伴い、隅田川以西にあった寺院が多数移転。

海岸や河口の風景は美しく、武家の別邸もたくさんつくられました。永代橋からの眺望はまさに絶景で、その風光明媚さはに保養地として最適でした。

葛飾北斎 富嶽三十六景 「深川萬年橋下」

「江戸」は商いと信仰がある場所に人が集い、発展してきました。

埋め立てによって発展した深川は門前町が形成され、縦横に巡らせた掘割(運河)を水運とする物流の一大基地として塩や米・材木など諸国から運ばれる物資を扱う問屋や蔵が軒を連ね、江戸の暮らしを支える拠点としても栄えました。

江戸三大祭りの一つ「深川八幡祭」で知られる富岡八幡宮は、寛永年間にこの地に創建され、深川っ子の信仰を集めてきました。

境内は、屋台や見世物小屋、勧進相撲など、庶民の娯楽の聖地でもあります。

そしてお参りの帰りに、岡場所と呼ばれる幕府非公認の遊郭へ寄るのが当時の男たちの楽しみだったそうです。

『深川八幡祭』神輿に向かって大量の水をかけるため、別名「水掛祭り」とも呼ばれています。

渡ろう、橋から楽しむ江戸の名所

このように東京の下町は、江戸時代は近郊農村、漁村、水郷地帯であり、明治、大正以降に工場地帯化し、近年では工場や倉庫の跡地にマンションができるという、なかなかダイナミックな歴史を辿ってきました。

散歩をしながら、現在の街の風景を記していこうと思います。

隅田川と神田川の合流地点。柳橋からスタート。歩け、隅田川テラス!


カラフルな屋形船を横目で見ながら。


隅田川テラスの壁面デザインには、中央区立の学校の卒業制作が連なっています。
「シビックプライド」というものですね。


マンションの隙間から、スカイツリーこんにちは。


気分転換。右岸から左岸へ。
渡れ、新大橋。「新東京百景」に選定された、幾何学模様が美しい橋です。
この色彩。夜散歩の魅力。


小名木川に掛かる萬年橋。独創的なライトアップで深川の夜を彩っています。
江戸時代に富士山がきれいに見える名所として知られ、北斎の「富嶽三十六景」や広重の「名所江戸百景」などに描かれました。


引き込まれる、萬年橋の橋の上。


小名木川に掛かる萬年橋と、隅田川に掛かる永代橋のたもとからは、島流しの流人船が出航していたそうです。ここを出たら万年帰れない、永代帰れないと恐れられたのが、橋の名前の由来。

こういう場所があるのは、江戸から離れた場所だからです。
隅田川を渡った、この辺りは下総の国。

因みに「両国」は、江戸と下総の国の二つ(両国)を結ぶことから由来しています。

永代橋全図

深川エリアの現代カフェ事情


深川エリアの中で、かつてはその名をほとんど知られていなかった下町・清澄白河が、なぜアートの街やカフェの街へと進化することになったのでしょう?
これには街の歴史が深く関係しています。

清澄白河は、江戸時代に掘割(運河)がつくられたのを機に、水運業の中継地として発展してきた街です。昭和中期に入り、物流の中心が陸上輸送に取って代わられたことで水運業は衰退していきましたが、今も街には使われなくなった「空き倉庫」が多く残っています。

倉庫は天井が非常に高く、柱が少ないのが特徴です。そこに最初に目をつけたのがギャラリー関係者でした。大きな現代美術作品を展示するのには空き倉庫がうってつけ。つまり倉庫をリノベーションすることでギャラリーが多くつくられるようになったのが、アートの街となったきっかけです。

カフェの街へと進化した理由も、基本的には同じと考えていいでしょう。コーヒー豆の焙煎には煙や匂いがこもらない天井の高い空間と、大きな焙煎機を設置する広いスペースが必要となります。この条件を満たすのが空き倉庫だったというわけです。

「ブルーボトルコーヒー」、「オールプレス・エスプレッソ」、「フカダソウカフェ」など、清澄白河の多くのカフェや焙煎所が、古い倉庫をリノベーションした店舗で営業しているのを見ても、それが分かります。(参照 : http://suumo.jp/journal/2016/02/23/106569/)

路地裏にオシャレなカフェ発見。閉まってる。残念。


高橋のらくろード

商店街のいたるところに貼られているのは「のらくろ」のイラスト。
正式名称は「高橋のらくろ~ド(高橋商店街)」。幼年期から青年期までを江東区で過ごした漫画家・田河水泡の作品「のらくろ」に逢える商店街として知られています。

清澄白河ブルーボトルの波紋が広がっているのか、オシャレな専門店のオープンが相次いでいるようです。

地名の高橋(たかばし と読む)は、小名木川に掛かる橋から由来しています。


店舗のシャッターのイラストも、のらくろ。シャッターが閉まっている夜限定のお楽しみかも知れません!?


突如現れたクラフトビアホール!民家を改装した小料理屋さん。何もかもオシャレさん。
知らない場所でお店に出会うことは、散歩の醍醐味です。


夜は短し歩けよ江戸娘


深川不動尊と門前町に到着しました。暗いわ。夜は雰囲気ありありです。


お腹が空きました。
お団子。130円。

門前の入り口にある『深川 伊勢屋』さんは、和菓子の名店。おにぎりも美味。個人的には、山菜おにぎりは日本一と思います。

門前仲町駅に到着!お疲れ様でした。


まとめ 「約90分の散歩コース」map付きの本記事はこちら。

A 柳橋
B 新大橋
C 萬年橋
D 高橋のらくろード
E ブルーボトルコーヒー
F 深川不動尊
G 門前仲町駅
というコースでした!

スタート地点の柳橋も由緒ある江戸の街です。

江戸の生き字引「神田川」の終点の橋が、花街で栄えた柳橋。
一つの旅の終わりといえます。

そんな終点から始める旅もおつかなと思います。

川から心地よい風と微かな潮の香り。淡い紫色の夕暮れ。

都心に比べて、まだまだ広い空。


浅草雷門から自転車で10分の下町生まれ。
下町の貴公子こと、オキツカズヒロが下町をまったりご案内致しました。

永代橋は21時ごろまでライトアップされ、青白い美しい灯りが特徴。(永代橋のライトアップは、リニューアル工事および長寿命化工事のため、平成30年8月1日から令和2年3月末(予定)まで休止中。)

□ ライター 前田紗希 / コラム オキツカズヒロ

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