ぎっくり腰に年齢は関係ない
ぎっくり腰、海外だと「魔女の一撃」
体験したことありますか?
自分ははっきりと最初に感じた痛みを覚えています。
バイト先で重たい掃除機をよっこら、せっんあぁっ!?
そこから先は語る必要もないでしょう。
腰椎に水が流れたような感覚、そして痛みを伴うじわぁ…っと広がっていく「何か」
齢17歳。高校3年生の5月の日曜日でした。
それでも5時間弱バイトをやり通したその日の夜、もう痛みで風呂から上がった瞬間に死を覚悟する始末。なぜかって?
2日後は球技大会。普通にメンバーに入ってる。つまりどういうことか?
「詳しい説明は省くがお前は死ぬ」と余命宣告されるも同然、刻一刻と近づく週明けの朝、痛みが増す腰、浅くなる呼吸、そうして迎えた月曜日。
痛ぇよ。痛い。痛いとかじゃないの、苦しい。もう動き全てが苦しい。FPSとかでダメージ食らいすぎると動きが遅くなるアレ。
まるで出産をするかのような呼吸を経て下校後直接病院にのたれ込む。待合の時間すら惜しい。おい爺さんお前明らか大丈夫やろ代われ代わってくれ頼むからおいほんま代われやと普段なら絶対に出ない痛みから来る謎の人格と格闘すること40分、ついに救いの時間は訪れる。
事情を説明し最後に放った一言は今でも覚えている。
「なんとか明日動ける体になってくれるといいんです」
まるで次の日に全国大会を迎えるかのような顔で言ってたのだろう。これはマジのやつだと勘違いして何か自分の過去を思い出したっぽい目をちょっとうるうるさせながら来た先生の手には、痛み止めのぶっっっとい注射が2本握られていた。
繰り返すまでもないけど、ただの球技大会です。レギュラー決まってる甲子園前日とかじゃない、球技大会。
無様にも下着を反脱ぎして腰を晒した直後、全身にぶにゅうと広がる体液とは異なる液体の気持ち悪さ。今となってはもう慣れたし一種の気持ちよさすら感じるけど当時は痛かったし本当に気持ち悪かった。
そこからは絶対安静。深夜に痛みを覚えて起きる。時間は3時過ぎ。中途半端に眠りにくい時間。そこにもイラつきながら水を飲んで無理やり寝る。
明けない夜はない? 来て欲しくない朝だってある。その日がそうだった。
決死の覚悟で痛み止めを飲み下し、あるだけの湿布薬を貼り、そこまで効果がないサポーターを家を出る前から装着する。
今思えばさながら歴戦のソルジャーを彷彿とさせる覚悟のキマり具合。
結果どうなったか?
なんとかなった。わけがない。試合に出る以外は横になり周りからはアザラシと呼ばれ写真まで撮られる始末。無事卒アルに載りました。
途中に会った校長に同情を超えて憐れみのこもった顔をされた学生はきっと自分だけだと思います。
あいにくそれに興奮を覚える性格でなかったことが幸いし、なんとか家まで帰るもそこからの記憶はなかった。
あとから聞くには当時の自分の顔はその場で絶命してそうな顔色だったらしい。いっそ殺してくれと何度祈ったことか。殺してくれなかった友達へ、今でも許してないからな。
そんな感じで腰痛との長いお付き合いが始まって今に至る。
次に『奴』が来たのは同じ年の夏、パリのエッフェル塔に向かって走ったあの夜。
今度は先に背中に痛みが駆け巡った。
どうしてこんな時に来るんだ。俺はエヴァのポスターのような構図で写真を撮りたかっただけなのに。
何が『続、そして終。非、そして反』だ。
この痛みを終わらせてくれと何度周りの外国人の珍しいものを見ているみたいな視線に囲まれたバスの中で願ったことか。
多分あのバスにいた外国人は痛みに悶える自分を見てサムライスピリットと勘違いしてくれただろう。そう、これがサムライスピリット。
痛みを抱えて歩くパリ市街。きっとあの日そうだったのは地球で自分ただ一人だっただろう。
そこから奴はそこそこ頻繁に来てくれるようになった。くたばれ。
最近は今年の正月の朝、くしゃみをしたら腰までやってくれた。やってくれたなこの野郎。
ソファに横たわり枕に顔を埋め呪詛を吐く正月。今年初日に全ての業を背負ったと考えればいいだろう。
今のところそれ以来やらかしたことはない。嘘だ昨日レポートの締め切り間違えておそらく単位落とした。ふざけんな畜生。
新年早々今年の目標が決まっていた。そう、「ちゃんと病院に行って腰を治す」と。
そして今日やっと行ってきました。先生が言うには、「ヘルニア…ではなくも…なくなくない…うーん、うん。腰の椎間板がちょっと狭いかな〜ってくらいかな。よし、MRI!」
というわけで早速MRIが決まりました。明日の夕方。
ちょっと撮ってきます。
ぎっくり腰に年齢は関係ないんです。18でやっちゃってる人もいるんです。
腰に異常を感じたら、行け。とりあえず行け。いやほんとマジで。
明日撮ってから1時間くらい暇らしいんでそこでnote書きます。
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