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【発達障害】受容より観察と発達復習の二段階アプローチで改善


1.【発達障害】受容する?受容できない?

子どもが【発達障害】と診断された。
その時、親御さんは、
『そんなことはとても納得できない』
『受け入れられない』
と、思われるかもしれません。

多くの人は
『障害の受容が大事』
『まずは発達障害を受容すること』
といわれるのですが、
私は『受容できなければ、しなくても良いと思います』と、お話しします。

【発達障害】と言われた子どものレッスンをしていていると、
色々とあった子どもの問題が改善していきます。
それは、受容をしても、しなくても関係はありません。

レッスンを行って改善するとしたら、
【障害】という線引き自体にも疑問を感じます。

そのようにお話しすると、
『私は5年もかけて受容したんです』
『受容が一番大事だなんですよ』
『それで子どもが落ち着いてきたんです』

と、言われる方も多いかもしれませんね。

私は、そのような場合は、それで良かったんだと思うのです。

受容の過程で子どもさんの苦手にもしっかりと目を向けてこられた【観察】は、【発達復習】で大きく活かされるからです。

2.ありのままに受容派?頑張って改善派?

今の日本では、【発達障害】と呼ばれる問題が
大きく2つに分かれている気がします。

一つ目は、
『この子はこういう生まれつきの障害なんです』
『一生変わらないのです』
『だから、ありのままに受け入れるべきなんです』
と、いう受容派。


もう一つ、
『子どもに合った療育をすれば良くなるんです』
『そうするべきなのです』
と、いう改善派。

私自身は、そのどちらも正しい面があると思いますし、
どちらも極端になると難しくなる気がしています。

3.37年の実践と学びで得たシンプルすぎる結論

私は、子どもが『発達障害』といわれていても、
それを固定的なものとは考えないアプローチを取ってきました。

決して『発達障害』についての学びを怠り、
その特性を考えない指導を行ってきたという意味ではありません。

『発達障害』と題名にある本を見れば、取りあえず常に読み続け、
あらゆる種類の研修に参加し、
何百人もの子ども達と寄り添いながら過ごし、
いつも、その問題点と改善方法を考え続けてきました。

37年間、そのように学びと実践を続けてきた中で得られた、
結論に基づいてレッスンをしています。

【発達障害】と呼ばれる子ども達。
そして実際に色々苦手があって苦しんでいる子ども達。

こういった子ども達の問題の改善方法は、
基本的には他の子と同じなんです。

それが、【観察】と【発達復習】の2段階アプローチです。

4.【観察】と【発達復習】の2段階アプローチ

【観察】
どんな苦手がある子どもでも、どんな診断を受けた子どもでも、
自分の先入観や今までの成功体験を一切捨て去って、
その子だけの在り方、苦手や原因を丁寧にしっかり見つめる。

【発達復習】
子どもの発達を赤ちゃんの段階から丁寧に復習し、
その発達のつまずきポイントに働きかける。
そして、それをまた【観察】する。

この二段階アプローチで、子どもは着実に成長していきます。
その積み重ねが、発達に繋がり、
結果的に『発達障害が改善しましたね』ということにもなり得るのです。


5.跳び箱の例えでイメージしてみる

例えば、目の前で2人の子どもが跳び箱を跳んでいると思ってください。

1人は『定型発達ですね』と、言われている子。

もう一人は『発達障害ですね』と、言われている子です。

『定型発達ですね』と、言われている子は、
『跳び箱は6段を跳びなさい』と何度も何度も練習させられている。

4段でも、全然跳べない子どもなのに、
『この学年は6段です。定型発達なので6段を跳んでください』
と、何度も何度も、6段ばかり跳ばされる。
6段を1年も跳んでいる。


一方『発達障害』と呼ばれた子が、
ずっと1段の跳び箱を跳び続けている。

毎日毎日、跳んでいると飽きてくる。
跳ばなくなる。
度々脱走する。

『3段を跳ばせてください』と、子どもが言っても、
『発達障害なので1段を跳んでください』と言われる。


それは、ちょっと、おかしいんじゃないの?

って誰でも思いますよね。

他の子が6段を跳んでいても、その子が今は3段しか跳べないんだったら
3段から練習すれば良いですよね。
そうすれば、4段、5段、6段と跳べるようになってくる。

1段が簡単すぎて面白くない子は、
2段や3段を跳ばせてあげれば良いですね。
そうしたら、4段だって、5段だって、跳べるようになるでしょう。


跳び箱ならば、そんな当たり前のことが『発達』の問題になると、
急に硬直した考え方になり
『固定的なもの』『一生変わらないもの』
と考えてしまうことが多い様に思います。


一旦『発達障害』という線引きをしてしまうと、
跳び箱問題に近いことが、実際に起こるんですね。

【定型発達】と呼ばれる子は、それだけで6段を跳ぶ特訓を強いられる。

それが1年もできないと、突然【発達障害ですね】と言われる。

同じ子どもが、一旦、【発達障害ですね】と、言われてしまうと、
1段ばかり跳ぶ練習を強いられる。

大事なことは、目の前にいる子どもが、
どのように言われているか?ではなく

ただただ、『何段なら跳べるのか?』に気づくことです。

6.赤ちゃんの発達段階から復習してみる

跳び箱を1段から練習を始め、2段、3段と進んでいくように、
【子どもの発達段階】をじっくり観て、
赤ちゃんの発達段階から丁寧に復習するだけで、子どもの発達は飛躍します。

まず、目の前にいる子をよく【観察】する。
そして、赤ちゃんの動きの【発達復習】をする。
その状態をよく【観察】する。
そして必要な【発達復習】をする。

ただただ、それだけです。

専門用語満載の、難しいメソッドを学ばなくても大丈夫です。

自分の目で子どもを良く観ること。

あかちゃんの発達を復習すること。


とてもシンプルで、誰でも今すぐお家でもできることですね。



【まとめ】
☆子どもが【発達障害】と言われて受容できなければしなくても良いです。受容したのであれば、それは【観察】に活かされます。
どちらでも改善は進みます。

☆【発達障害】と呼ばれる子は、【観察】と【発達復習】の二段階アプローチで問題が改善していきます。

☆【観察】先入観を捨て去って、その子の苦手の在り方、原因をしっかり見つめる。

☆【発達復習】子どもの発達を赤ちゃんの運動から丁寧に復習し、その発達のつまずきポイントに働きかける。

☆跳び箱に例えると、今、目の前の子が何段跳べるか見極めて、そこを跳ばせるだけのシンプルな考え方でOKです。

【最後に一言】
もし、今あなたの子どもが発達障害といわれて、
戸惑っている。
とても受け入れられない!
でも受け入れなくちゃ!

と葛藤しているとしたら、
【受容】ではなく【観察と発達復習】に考えをシフトしてみませんか?
親御さん自身が子どもの教育の主役となり、先の展望が見えると、
それだけで子どもは変わり始めます。

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子どもの発達を促したり、『発達障害』を改善したりする
情報を支援教育38年のプラクティショナーが発信しています。


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特別支援教育に長年取り組んできて、親御さんや先生方から良く頂く ご質問について書いたものをまとめています。 『こんな時どうしたらいい?』 そんな質問に、子どもの発達の視点からお答えしています。 発達のつまずきに拘わらず、全てのお子さんに当てはまることです。

120万アクセスを頂いた、発達ブログ【発達障害しあわせへの道しるべ】から。親御さんからよくご相談をいただく子育ての心配事につて、書いたもの…

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