シェア
あんこ
2024年7月17日 15:29
あわあわとした光の輪が優しい表紙。この同人誌、そして同人三人の現在、そしてこれからの光のようでもある。俳句同人誌『カルフル』創刊号。参加同人は土井探花・古田秀・このはる紗耶(以下、敬称略)。俳句作品としては「新作」そして「ベスト旧作二十句選」が掲載。三人の現在とこれまでの歩みを知ることができる、創刊号に相応しい試みと思う。以下、感銘句【新作】思ひ出をがにまたでゆく春夕焼 土井
2024年7月11日 17:19
超結社句会「豆の木」。今年の初夏、30周年記念号(No.28)が刊行。豆の木句会を紹介いただいた後少し参加して、その後ずーっと参加せず、再び参加して今年で約12年。幽霊部員のワタクシめですが、25周年に続き節目のおめでたい年に参加でき嬉しい限りです。刊行して時間が結構経ってしまっていますが、今回私と豆の木についてちょっと書いてみたいと思います。(メンバーおよび自分の句の紹介や雑誌の感想では
2024年6月18日 18:57
煌めきながら切ない、この十七音たちは、この感覚は何なのだろう。本句集を読み終えての第一印象はそんな感じだった。青島麦酒喧嘩しながら皿仕舞ふ強きハグ強く返すや海苔に飯たとえば、上記の句が表す言葉の組み合わせと映像が与えるインパクト。そして、季語を重んじながら同時にオリジナルの視点によって作品に立体感を与える季語の独自の使い方。作中の言葉は静か、巧みな技術。でも、完成した十七音はスマ
2024年6月4日 20:05
金魚揺れべつの金魚の現れし華やかに鰭を動かし、水を遊ぶように泳ぐ金魚。複数あるいは品種の違う金魚が同じ水の中をすれ違ったり、並行したりして泳ぐ様子は静かながら、どこか不思議な雰囲気を漂わせており、独特の存在感を放つ。それはまた、本句集の次から次へと繰り広げられる美しい十七音が織りなす景色にも似ている。目次・あとがき他を含め総ページ数・288ページの大冊。それもそのはず、小学生低学年の
2024年4月13日 11:21
「できるだけ普段着の言葉で、普段着の景色を季語とともに俳句として詠みたい」自分の心と身体の感覚を信頼して、暮らしを見つめながら、ふいにやってきた言葉を受け止めて17音として紡ぎたい。いつもそう思っている(実際にはなかなか難しいけど)。今回、私と同じ「炎環」同人である折島光江さんが初句集を上梓された。「光江さんもきっと私と似た気持ちで、そして同じような方向を大事にして俳句を詠んでいるのでは
2024年1月22日 17:16
雷鳥や刺繍の花のその軽さ句集タイトルのイメージにもっとも近い作品を挙げるとすれば、上記だろうか。雷鳥のまるまるとした愛嬌ある姿。季節ごとに羽の色が違うという雷鳥の特性に「刺繍」という措辞が重なる。花の刺繍は実際の植物ではない。だからこそその「軽さ」に作者が感じたであろう表現としてのリアリティと発見を読者は我が物として共有できるのだろう。あるいはこんな刺繍の句もある。ジャンパーに花
2023年11月3日 19:38
句会でも思うけど、俳句作品がまとまって掲載された句集を読むたびに思うことがある。「どうして同じ17音なのに、作家によって言葉や型の表情が全然違うのだろう」「作者が違うのだから当たり前だ」と言われればその通りなのだけれども、それでもたった17音しかなくて、季語を使って、ある程度同じ条件の縛りの中で詠んでいるのに。実際に完成した作品を目にすると、似ているようで全然違う17音がそこここに屹立し
2023年9月11日 17:04
角川『俳句』7月号に掲載された12句作品のうち、数句について写真の俳句結社誌でご紹介いただきました。どうもありがとうございます😊◆『氷室』9月号(主宰・尾池和夫氏、執筆者・大島幸男氏)制服に着られてゐる子ひめぢよをん◆『ランブル』9月号(主宰・上田日差子氏、執筆者・高瀬瑞憲氏)傷みつつ微笑んでゐる苺かな◆『田』9月号(主宰・水田光雄氏、執筆者・上野犀行氏)よく猫に会ふ一
2023年6月8日 10:55
先般、簡易版として限定作成した柏柳明子・第一句集『揮発』。早速、ご購入のお申込みをいただいております☆どうもありがとうございます😊嬉しいことに今回、下記サイトでご紹介いただきました。執筆者は俳句結社「ランブル」同人・畝川晶子さん。第一句集のみならず第二句集『柔き棘』もお読みいただいているそうで、二つの句集から感銘句をご紹介いただいています。わけても、第一句集『揮発』から引いて
2023年5月23日 19:18
2015年、現代俳句協会より刊行した柏柳明子・第一句集『揮発(きはつ)』。現在は在庫無しの本書。しかし今でもたまに「読みたい!」というリクエストいただくこと、私の手元にも紙の保存版がほしかったため、今回、簡易冊子として再作成しました☆今回、下記要領で販売致します。なお簡易版は20部限定で作成したため、無くなり次第、販売終了とさせて頂きます。この機会に一人でも多くの方にご一読願えれ
2020年9月26日 14:27
お陰さまで各方面で『柔き棘』をご紹介いただいております。どうもありがとうございます! ご一読願えれば幸いです。・9/10 神奈川新聞「かながわの俳壇時評」:句集評(評者:酒井弘司氏)・9/15 愛媛新聞「季のうた」:一句紹介および鑑賞(土肥あき子氏) 掲載句:台風圏四角くたたむ明日の服 柏柳明子・9/15 『俳壇』10月号(本阿弥書店):「本の庭」にて書評 (評者:菊田一平氏
2020年7月13日 08:23
普段「本を作る側」の私。なので、今回、句集『柔き棘』で再度「著者」になって、改めて他人様の本を制作する重みを感じました。著者から原稿を頂いて編集するのと、自分で内容を構成・執筆するのは全然違う。「おのれの仕事がどういうものなのか」そのことを再確認するよい機会となりました。そして、何よりありがたく、また「気持ちが同じだ」と今回強く感じたのが、同業の編集者の方々。まず「多様な好奇心」
2020年7月12日 08:09
2020年7月、ネット限定にて刊行いたしました!第一句集『揮発』(絶版)以降の372句を収載。note掲載の第7回俳句四季新人賞・最終候補作品からも入集。俳句をしている人はもちろん、馴染みのない方にも手にとって頂ける一冊や機会になれば嬉しいです(有難いことに残部は20部未満となりました)☆★現在、著者からの直販にてご購入いただけます(紅書房からの販売は終了)。ご希望の場合、下記【お問