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【料理エッセイ】臨床心理士の薬膳酒バーこころゆに行ってきた(水道橋)

 昨日、変わったバーに連れて行ってもらった。なんでも、臨床心理士の方がやっている薬膳酒バーなんだとか。水道橋駅の東口改札前で待ち合わせ、白山通りに沿って東京ドームと反対側を歩き、途中を曲がった先にその店はあった。

開放感のある外観
実に嬉しい明朗会計! 

 薬膳酒&心のケア BARこころゆ。外の看板には薬膳酒700円、薬膳茶500円、おつまみ300円の文字。驚くべきはチャージ無料と心の相談もちろん無料というあたり。いやいや、もちろんではないですよ!

 店内は明るく、清潔感がある上に、正面とサイドがガラス張りになっているので、店内の様子がわかり安心。中に入るとマスターの大越さんが優しい笑顔で出迎えてくれた。

 なんでも自家製の薬膳酒が何十種類もあるらしく、一般的に言われている特徴が記されたメニューをもとに注文。聞けば、オススメも教えてくれる。

 最近、忘年会が多く、肝臓の疲れを感じていたので、わたしはクコの実のお酒をお湯割りで注文。

クコの実のお湯割り

 普段、福しんの特製タンメンの具材として食べているクコの実。一口飲んだら、ほんのり甘い香りが漂ってきて、これは身体によさそうとすぐに実感。ゆっくり、ちびちび、五臓六腑に染み渡らせた。

 カウンター越しにマスターとおしゃべりしたところ、元々、臨床心理士として働いていたのだけれど、コロナ禍で多くの人がコミュニケーション不足に悩んでいることを認識。気軽に相談できる場所を作りたく、趣味だった薬膳酒作りを活かす形で、このお店をオープンさせたんだとか。

 わたしは今年、仕事で悩み、心療内科に通って適応障害の診断を受けたのだけど、なるほど、たしかにこうやって話せる場所があったらよかったのになぁ、とつくづく思った。なにせ、心の不調は人に相談しにくい。自分としては辛いけれど、他に大変な人はいくらでもいるし、甘えていると言われるんじゃないかと怖かったりする。

 で、なかなか踏ん切りがつけられないまま、ひたすら悪化。結果、限界に達し、どうしようもなくなってから病院に駆け込んでしまいがち。

 症状に対して治療を行う西洋医療に対し、東洋医療はこれから症状につながりそうな未病の改善を図る。薬膳や漢方はそのための手段であり、普段の食事や飲み物に取り入れるなど、ハードル低く健康を維持できるメリットがある。

 そういう意味で、大越さんがBARこころゆでやろうとしていることは「心の未病」にアプローチする試みであり、ちょっとお酒を飲むついでに心の相談ができるようになれば、みんなのメンタルヘルスはかなり改善される気がする。

スターアニスのトニック割り ー アブサンみたいな味がした
やまいものお湯割り ー ほんのり甘い
やまいもとりんごを漬けているお酒

 今回、わたしたちはお酒を頂いたけれど、こだわりの薬膳茶やハーブティーも揃っていて、アルコールがダメな人でも楽しめるんだとか。夕方からやっているらしく、お茶を飲みながら、心の相談をするというのもよさそう。

 最近、ストレスでおかしくなりかけているなぁと不安を感じつつも、心療内科に抵抗があるという人はまずBARこころゆで様子を見るのがいいかもしれない! たとえ、うまく話せなくても、薬膳酒を楽しめるわけだから問題はなし。

 大越さん曰く、もっとカジュアルに心の相談ができる世の中になってほしいとか。だから、現在はチャージ無料で入りやすさを優先しているみたい。

 気づけば、二時間近く経っていた。あれこれ雑談をしていたつもりが、薬膳酒の効果か大越さんの雰囲気か、いろいろ不安を聞いてもらった。不思議なもので、口に出すだけ、肩の荷が降りたような感覚があり、すっと気持ちが楽になった。

 ぜひ、またお伺いしたいと思う。モヤモヤしていそうな友だちがいたら、一緒に行くのもありかもしれない。ほんと、BARこころゆは、ストレスフルな現代社会にありそうでなかった救世主だ!




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