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人間のサガ-Saga- 本「私たちはどこから来て、どこへ行くのか ――生粋の文系が模索するサイエンスの最先端」森達也 ★5

自称「圧倒的文系」の著者が、第一線の科学者に「いのち」の根源を尋ねて回る。科学者たちの真摯な応答に息を?む、傑作科学ノンフィクション。

2020年 森達也

目次
なぜ人は死ぬのだろうか―福岡伸一(生物学者)に訊く
人はどこから来たか―諏訪元(人類学者)に訊く
進化とはどういうものか―長谷川寿一(進化生態学者)に訊く
生きているとはどういうことか―団まりな(生物学者)に訊く
死を決めているのは誰か―田沼靖一(生物学者)に訊く
宇宙に生命はいるか―長沼毅(生物学者)に訊く
宇宙はこれからどうなるか―村山斉(物理学者)に訊く
私とは誰なのか―藤井直敬(脳科学者)に訊く
なぜ脳はこんな問いをするのか―池谷裕二(脳科学者)に訊く
科学は何を信じるのか―竹内薫(サイエンス作家)に訊く
私はどこから来て、どこへ行くのか―森達也に訊く

こういう本ってありがたいなー!どうしても理系は苦手で、興味はあってもとっつきにくい。でもこの本は、紹介でもあるように「自称「圧倒的文系」の著者が~」と言っていて、(とは言っても、森達也さんは全然知識豊富で詳しいんだが)分かりやすかったと思うし、すごく知的好奇心を刺激してくれる内容だったと思う!楽しい(^^)/

D'où venons-nous ? Que sommes-nous ? Où allons-nous ?

「私たちはどこから来たのか。私たちは何者か。私たちはどこへ行くのか」という、たぶんすべてに近い人が考えるであろう、人類のこの命題をテーマに、著者が第一線の科学者に話を聞きに行くという形。ほんとこれは、考えるけど分からないねー。本の中でも、もちろん解決はされないけれど、知らないことを楽しく学べて、十分に満足いく内容。

難しいところは詳しく理解できないけれど、印象強いのは「宇宙の終焉を早めるために我々は存在してる」みたいなの。「ここまでエントロピーを増大させ得る生き物は他にはいない」と。そう言われてもよくわからないんだけど笑 宇宙の終焉を早める?うーん。何の為に?わからーん。早める為にというか、結果的に早めてるのか。

宇宙の終わり方もいろんな説があるんだなー。熱的死(宇宙のエントロピーが最大状態で何も現象が起こらない)、ビッグクランチ(宇宙が収縮して一点に縮む)、ビッグリップ(引き裂かれ崩壊バラバラ?)、ビッグフリーズ(ほぼ絶対零度の極低温?)他にもあるのかな。まあまたそのうち研究が進んで、新たな説が出てきたりするんだろうなー。

で、サイクリック宇宙論ていうやつが、よく聞く、永遠に繰り返すやつなのかな。ほんとに無限ループしてんのかな。同じことを繰り返すということでもないんかな。かなかな?でも結局、いろんな説はあっても、確かに分かってることって少ないんだろうな。にしても、我が極小の脳力では理解できないことが多過ぎる笑

あと人間の感覚も脆弱だっていうのも、興味深いなー。確かに自分の知覚世界と他の人の世界が一緒とは言えないか。記憶も曖昧で、変化しやすかったりするみたいだし、脆弱なんだろうな。人間の絶対てのは怪しいな…。「この世界は非常に主観的、全ての人の頭の中にそれぞれ一つの世界があって、それが同時に存在してる、重なり合いながら」分かりそうで分からない!笑 また、他生物の世界がどうなってるのか、物凄い気になるなー。環世界。

なんか壮大すぎて、頭がついていかないよ…。でも楽しっ!「宇宙すごく広いと錯覚してて、実はけっこう狭い説」とかあるみたいだし、実は壮大でもなかったりして。意外と物事はシンプルに…。宇宙、世界、人間。いつの日か、解決する日が来るといいなと思いつつ、実は結局何もないんじゃないかと思ったりもして。ただただ、むやみやたらに知りたい欲求に身を任せ、虚無と戦いながら、過ごす人生。。。

一体この世界は何なんだぁ~ぁあr~!?


~メモ~

なぜ人は死ぬのだろうか―福岡伸一(生物学者)に訊く

・なぜ何もないではなく何かがあるのだろう、古代ギリシャ・パルメニデス
・ドーキンス、生物は遺伝子によって利用される乗り物にすぎない。
・この世界や宇宙、人類を誕生させるために設計?
・笑顔、世界共通、ホモサピエンスだけ。
・単細胞生物は理論的には寿命ない、多細胞生物は生殖と引き換えに死を宿命づけられた。
・私たちはあらゆる瞬間に死んで、あらゆる瞬間につくりかえられている。
・個を超えて種の動的平衡。
・個体が死ぬことによって、その生態学的地位を新しい個体に手渡しているという意味では、死は利他的。
・がん細胞、他とのコミュニケーション一切断つ。増殖し続け、正常な細胞が押し出され、個体の秩序が崩壊。

ジェミュール、獲得形質の遺伝。エピジェネティクス。エンタングルメント、量子もつれ。宇宙の終焉、熱的死、ビッグクランチ。マルチバース、多宇宙。蓋然性(がいぜんせい)。エントロピー増大の法則。サイクリック宇宙論。アポトーシス、細胞自死、積極的な死。テロメア、寿命、テロメラーゼ。

人はどこから来たか―諏訪元(人類学者)に訊く

・ヒトとチンパンジー共通の祖先から分岐。
・屈葬、再生願う?ネアンデルタール人、数万年前。
・フローレス原人、1mくらい、小人。

コントラバーシャル→論争の余地がある。
ニッチコンストラクション→生物は自ら環境を変化させ、その変化が次の世代以降の進化に影響する。

進化とはどういうものか―長谷川寿一(進化生態学者)に訊く

・異なる二つの個性が接触し新領域を開拓。ジャンルのクロスオーバー。
・共感、ホモサピエンス・人類の特徴。
・脳が進化した理由に腸がある。調理で消化良くなる、腸が縮む。腸は脳と同じくすごくエネルギー使う、だからその分脳の進化につながった。
・人は弱いから群れる。群れて社会脳発達、集団は暴走する、取り残される怖さ、日本人その傾向強め?集団の強さと個の弱さ。

スタンピード→群れの暴走。

生きているとはどういうことか―団まりな(生物学者)に訊く

・細胞の意思、原初的意思。
・生命活動の本質は、絶えず代謝を繰り返すシステム。
・生物進化は出来事の記憶をずっとつなげてきた現象。
・人の行動、上から見たら不思議では

ディプロイド細胞、ハプロイド細胞?

死を決めているのは誰か―田沼靖一(生物学者)に訊く

・遺伝子の夢の表現型が私たち?
・複製、合成、代謝。
・有性生殖から個体の死が始まる。

ミューテーション→突然変異。

宇宙に生命はいるか―長沼毅(生物学者)に訊く

・卵子から見れば不死。
・本質は女性。
・渦巻き
・熱力学第二法則の帰結。宇宙全体のエントロピーを少しでも早く増大させるために我々は存在してる。一つの渦、生命は宇宙のターミネーター、終焉を迎えさせるもの。
・ホモサピエンス別格、ここまでエントロピーを増大させ得る生き物は他にはいない。

散逸構造?

宇宙はこれからどうなるか―村山斉(物理学者)に訊く

・宇宙のビッグバンに少し皺、宇宙はかつて原子一個より小さかった。
・宇宙は原子5%、暗黒物質25%、暗黒エネルギー70%。
・不確定性関係の中で起きる量子力学的なゆらぎ?
・真空の中に不確定性で起きるエネルギーのゆらぎ?
・我々は、宇宙創世記に物質と反物質がほとんど消えるなかで残されたほんの僅かな物質の末裔。
・宇宙の意志?

シュレーディンガーの猫、生と死重なり合っている。多世界解釈。宇宙の膨張加速、ビッグリップ、ビッグフリーズ。インテリジェント・デザイン説。

私とは誰なのか―藤井直敬(脳科学者)に訊く

・私達は本質的に極めて脆弱な倫理観と、無意味に保守的な傾向をもった生き物。
・人の感覚はあきれるほど脆弱。
・この世界は非常に主観的、すべての人の頭の中にそれぞれ一つの世界があって、それが同時に存在してる、重なり合いながら。
・身体がなければ意識状態もないのでは?
・自分の境界をなくすことが人の進化の次のステージかも。境界のない世界、不自由さ、この嫌な感じをなくす。
・外界との相互作用、人の自由意志は脆弱、外界(環境)によって主体がつくられる。

SRシステム、代替現実、ソーシャルブレイン。
アウラ、ベンヤミン、共同幻想的な何か。
アイソレーションタンク感覚遮断容器、つながる感覚。
カラム構造、社会の単位である一人ひとりの人と似てる。

なぜ脳はこんな問いをするのか―池谷裕二(脳科学者)に訊く

・プリコジン、川の流れ一定でない。仔細に観ると渦を巻いて乱流になっている。渦は秩序の良い例、なぜ発生?早くエントロピーを増大できるから。
・私たちは宇宙を早く老化させるために存在、宇宙に貢献?
・自己のアイデンティティは錯覚?
・ニーチェ、事実など存在しない、ただ解釈だけが存在する。カント、我々は表象のみを認識している。ショーペンハウエル、世界は私の表象にすぎない。
・生まれながらの知覚でなくても(後付けの知覚)、脳は十分に活用できる。脳と脳をつなげる、同期する、感覚や運動情報シェア、記憶のシェア。例、10人の脳をつなぐ、集合知、個々で解けない問題が解ける。
・人の進化の道筋は他の生物とは違う。自ら環境を変化させる。その変化が次の世代以降の進化に影響を与える。ニッチ構築。
・農耕の始まり頃から人の遺伝子の多様性が一気に増えた。劣勢の遺伝子も包摂するようになった。
現在では誰もが数十個の遺伝病を持っているといわれる、皆病気持ち。健康てなんだ?
・ラ・ボエシ、自発的な隷従が発動、ファシズム、群れる人類の負のメカニズム(日本人はこの傾向が強い)

真瀬元郎、デモクラティア。
オルガノイド人造臓器。

科学は何を信じるのか―竹内薫(サイエンス作家)に訊く

・宇宙すごく広いと錯覚、実はけっこう狭い説。
・この宇宙は別の宇宙の情報を投影したホログラム説。
・量子のふるまいと人間の心のふるまいは似ている。
・エンタングルメント絡み合い・もつれ?すごく離れているのに情報が伝わっている。細胞と細胞が連動している。量子の複雑な絡み合いと、それによる情報のやりとり。
・不可思議な存在全般に光を当てようとすると、なぜか見え隠れを起こす。
・一回しかない瞬間と永劫回帰は同じ?一回しかない人生と無限に繰り返す永劫回帰は科学的に区別できない、同じ。
・空間が伸び縮みするのであれば、時間も伸び縮みするのではないか?つまりこの瞬間がまたいつか帰ってくるのではないか?ただし時間の向きは逆、それを永劫に繰り返す。
・宇宙の始まりと終わりは同じ?
・循環する宇宙

めっちゃ面白かったので、これの新しい版も作ってほしい。この対談は、2012年~14年のものらしいので、何か新しい発見とかあったりしないのかな?あっても理解できないかな笑


\(^^)/

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