最近の記事
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/143589820/rectangle_large_type_2_9dcf7939cdfe562a530e17789a0a9552.jpeg?width=800)
その5 ごく個人的な偶然に満ちた「哀れなるものたち」の読書メモとイングランド&スコットランド旅行記 (グラスゴー、原点へ還る、しぶとい女が最後に勝つ)
その1はこちら その2はこちら その3はこちら その4はこちら ■7日目、スカイ島を出発し、グラスゴーへ。 スカイ島と本島をつなぐ橋のたもとにEilean Donan castleというとても素敵なお城がある。スカイ島に向かって橋を渡るとき、このお城が突然でてきて、車を運転している夫に「あっ見てっすごいお城っ!」などと騒いでる間に、ふたりとも見逃したので帰りにしっかり立ち寄る。 その後は、グラスゴーまでの間にGlencoe Valley driveという迫りくる峡谷の中を
その4 ごく個人的な偶然に満ちた「哀れなるものたち」の読書メモとイングランド&スコットランド旅行記 (スカイ島、奔放なファムファタールは結局ディスられる)
その1はこちら その2はこちら その3はこちら □「哀れなるものたち」を読み進みながら、ハイランドのスカイ島(Isle of Skye)を巡る。 私がこの本を買おうと思ったのは、この本を原作とした映画でエマ・ストーンがアカデミー賞の主演女優賞を取ったからだった。この文を読む人は、映画を見てこの文章を読むのだろうか。それとも原作を読んで、この文章を読むのだろうか。私はまだ映画を見てない。正直言ってみるのが怖い。 映像は、本の始まりから私が脳の中で描いてきた想像のベラやバク
その3ごく個人的な偶然に満ちた「哀れなるものたち」の読書メモとイングランド&スコットランド旅行記 (ハイランドへ 島国の民は大陸を見る)
その1はこちら その2はこちら ■旅は4日目。エジンバラで車を借りて、ここからはドライブ旅のはじまり。セントアンドリュースに住む友達に会いに行き、そこからさらにハイランドに向かって北上していく。 □「哀れなるものたち」のベラ・バクスターは、若く健康な女性の身体に、赤ん坊の脳をすげかえられて生まれた人造人間。子供の純粋さと大人の女性の身体を持ち合わせ、自分の欲求を素直にさらけ出す危なっかしい存在として描かれている。世界を、人間を、喜びを知るためにベラは世界を旅する。最初はゴ
その2 ごく個人的な偶然に満ちた「哀れなるものたち」の読書メモとイングランド&スコットランド旅行記 (エジンバラ、歯ぎしりの聞こえる古都の一日)
その1はこちら ◾️3日目、エジンバラの街の中心、そして観光のハイライトとなるエジンバラ城へ。6世紀ごろから、天然の要塞である急峻な地形を利用して築かれたケルト人の砦を起源とするとのこと。「おれも領主だったらここに城を建てるわ~」と言いたくなる切り立った地形に立つ山城。去年行ったスペインのロンダとかもそうだけど、”自然の要塞”と言われるような崖上、敵襲が監視できる地形のところに建ってる城や古い街っていうのは必然性と用の美があってかっこいい。あとから威光を示すために平地に作った
マガジン
記事
その1 ごく個人的な偶然に満ちた「哀れなるものたち」の読書メモとイングランド&スコットランド旅行記 (ロンドンからエジンバラへ 大都市から魔法都市へ)
■2024年の旅先はスコットランド。「きっと一生に一度しか来ることないだろうなぁ」と思いながら、スコットランドへ向かう途中、予備知識なく開いた本の1ページ目に、 「以下に綴ったドクターは1919年に死亡している。そしてスコットランドの医学がどれほど大胆な実験に彩られた歴史を持っているかについて何も知らない読者は、その記述をグロテスクなフィクションであると勘違いするかもしれない。」 と出てきたときには正直ぎょっとした。開いたのは、映画化されてエマ・ストーンが主演女優賞をとっ
-