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不機嫌宣言

わたしが、オットと付き合い始めた10年くらい前のある日。
オットがある朝、突然、「オレは、今日は理由は分からないんだが、機嫌が悪いんだ。」と宣言した。

当時、わたしは40前半、夫は50歳。

わたしは「あ、そう」と返事をしながらも、内心は(なんて画期的・・・斬新!!)と感動した。

わたしはそれまで、機嫌が悪い時には、人から話しかけられてもそっけなく生返事をしたりして、機嫌が悪そうなオーラをダダ漏れされながらも、機嫌が悪い事実についてはなぜか、できる限りなかったことにしたかったし、直視したくなかった。

大抵の場合、機嫌の悪い理由は、目の前の人と関係ないことが多い。
たとえ関係があったとしても時間が経てば(ちょっと自分も間違ってたかも・・・)とか(そんなにぷんぷんするほどのことでもないわな・・・)と思い至りつつ、どこで機嫌を直していいか見失ったまま、惰性で不機嫌、ということもよくあった。いまも、まだときどきある。

いずれにしても申し訳ない、わたしの不機嫌ハラスメントの被害を受けた人々よ。謝罪して回りたい。

わたしも機嫌の悪い日に「わたしは今日は理由は分からないけど機嫌が悪い」をオットに言ってみた。「あ、そう。」と軽く受け入れるオット。
すげえ、使える・・・!
オットはなにかしてほしいことがあれば言うように、とだけいって、私をほおっておいた。

子供時代に、理由もなく不機嫌になり、「なにをすねているんだ」とよく親に怒られた。よく不機嫌になる父におびえて過ごしてもいた。

これをやってもいいのだと教えてくれるひとがいたらよかった。
父にもそうやっていいのだと教えてくれる人がいたらよかった。

人はわけなもく不機嫌な時がある、また不機嫌なときがあってもいい。
だけどそれを周囲に撒き散らさずに、さっさと宣言して引きこもるなりなんなり自分で片付けて、片付いたらすっともどってくればいい。

オットに教えてもらった大事なこと。





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