手の指をザクっと怪我して気づいた、脳と皮膚の感覚バグの話
おとといの夜、包丁でうっかり自分の指を切ってしまった。
4等分にしたきゅうりを、次は縦に切ろう、とおもったら、包丁の角度が甘くてきゅうりが転がり、その勢いで、左手の親指の端っこの爪(と肉)をザクッと、切ってしまった。正確にはちょっと、切り落としてしまった。ちくしょう。浅漬けが作りたかっただけなのに。切ったきゅうりを入れようと浅漬けのだしを入れて用意していたジップロックの袋が(あ、倒れそう)と一瞬、気をそらしたその時にやっちまった。
まあまあの流血になったが、そういう時に元ERの看護師のオットは心強い。「痛ってえ~」とうめいている私を無視して「止血には圧迫!」と容赦なく傷口を抑えてくる。バンドエイドとガーゼを何回も変えて、ようやく血が止まった。
血がとまっても、そうとう切り口があらわな状態なので、シャワーの時は左手だけ、医療用の薄いラテックスの手袋を使うことにした。手首をゴムで縛って、バンドエイドが水にぬれないようにした。
いつものように、シャワーの下で、メイクを落とそうと洗顔料を掌に出して、両手で顔をくるくるとなぜる。
右手は濡れている。顔の右側も濡れている。
手袋の表面も濡れている。顔の左側も濡れている。
でも手袋の中の左手は乾いている。
いつもと違う、右手と左手の感覚のばらつき。
顔の左側にも確かに触れているのに、(おや?左側も洗わないと)という脳のバグが起きる。
シャンプーもする。いつものように、両手で頭を半分ずつもしゃもしゃと洗う。脳が私に聞く。(左側は?忘れてない?)
全身びしょぬれなのに、左手首から先だけが、カラカラに乾いている。
シャワーから上がって、タオルで身体や髪を拭いてから、輪ゴムを外して、左手首のゴム手袋をパチンと外した。
左手はドライに守った。
全身風呂上り。ただし左手首から先以外。
さっぱりするはずの風呂上りなのに何かがおかしい。
その時、気が付いた、
(顔と髪の左半分が、きれいになってないような気がする…!)
と自分が感じてることに。
いつもと同じように洗ったから、きれいになっているはずだし、
そのことを頭ではわかっているのに、指から脳への情報伝達に、
バグが発生している。
こういうのって数日経つとする慣れる。
たぶん3日後にはふつうに左だけ手袋してシャワーしても、
あーさっぱり!って思うだろう。
何かに似てる・・・と思ったら、あれだ。
「止まってるエスカレーター」に一歩目を踏み出すとき、目と脳はエスカレーターが止まってるの分かってるのに、足の予測が合わなくて一瞬気持ち悪いやつ。
人間って繊細なのか、雑なのか。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?