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「ダルマストーブ」冬の小学校の教室

 「僕の昭和スケッチ」115枚目

<「スマートボール」画 ©2021もりおゆう 水彩 サイズF5>

冬になると大きなダルマストーブが教室の後ろに出現。
とても暖かかったのを覚えています。

給食の時間ともなれば、みんなストーブの上に食パンを置いて焼いたものです。何しろ当時の給食のパンはパサパサで固く、とても美味しいパンとは言えなかったのです。だから、焼いてトーストにして少しでも美味しくしようとみんな思った訳です。もちろん、トースターで焼くように綺麗には焼けず、黒く焦げたりもするのですがね、、、それでも楽しかったものです。

けれど、ストーブの上に置けるパンの数などは高々知れています。
ヤンチャな子ばかりが我先にパンを焼き、大人しい子は、毎日後回しにされてしまったり、それどころかパンを焼けない子も出てきます。

すると、そんな事が原因で小さな諍いが起きるようになり、、、
ある日、担任の先生から言われます。

「そんな事で人と争うなら、もうストーブの上でパンを焼いてはいけません」 と。

ガーン (>_<)!

こうして、パンを焼けなくなってしまった子供達(もちろん僕も含めて)は、初めて自分達の愚かさを思い知るのでした。


(*)燃料は、確かコークスという石炭燃料でした。
ストーブ当番というのがクラスで順繰りに決められていて、当番になると中庭のコークス置き場から毎朝コークスを運んだのも懐かしい思い出です。

<©2021もりおゆう この絵と文は著作権によって守られています>
(©2021 Yu Morio This picture and text are protected by copyright.)


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