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木曜日は趣味の日ということになった

恋人ティムはメルボルンに来たわりと最初の頃から、朝ヨガならぬ朝格闘技教室に参加している。

そして夕方になるとワンピースのカードゲーム大会に参加している。

この2つは彼の趣味で、両方毎週木曜日に開催されることから、いつしか木曜日は「趣味の日」と呼ばれるようになった。

週に1回、彼が趣味を思い切りやる日。


で、私はふと思った。

木曜日が彼にとって趣味の日で、あちこち出かけるならば、私もその日は趣味の日にしてあちこち出かけたらいいのではと。

私の趣味はなんといっても「食」である。

街のカフェや飲食店に入って美味しそうなご飯や飲み物を試してみるのが大好き。

大好きというより、生きがい。

そう、IKIGAIなのだ。

お店の内装を見るのも、そこで流れている音楽を聴くのも、ご飯そのものも、そこでの時間すべてを堪能することが好き。

お気に入りのお店を見つけることは、宝探し。

宝物が見つかった時はとても嬉しくなる。


ということで

昨日の朝はお家から徒歩1分のところにあるデリカフェでずっと食べてみたかったローストチキンサンドを頼んでみることにした。



最近このカフェによく行く。

ものすごく近いというのもあるし、なにより流れている音楽が好き。

ここで朝に日記を書いたり作業をするとなぜか進むし、やる気がわいてくる。

そんな不思議な場所ってあるよね。

最初はぶっきらぼうだったヒゲモジャ兄さんは、少しずつ笑顔で「ハーイ!ハーワイユー?」と迎えてくれるようになった。

お兄さんとは会話をしたことがないけど、お互いの姿をもう何度も見ていて、単純接触効果で打ち解けられたような…?



ローストチキンサンドは、熟したトマトとチーズがローストされたチキンに絶妙に絡んでいてとてもおいしかった。

マヨをぬって味変するのも最高。


カフェでひとり時間を過ごす時は、日記を書くか仕事をするかをしている。

この日は日記を書き終えていたので仕事をした。

ミッションはカナダに住んでいる韓国人の女の子が作曲した歌詞の日本語を編集するというもの。

毎日同じサイクルの中を走り回るというループに焦りを感じて、なんとかしなきゃ〜!と葛藤する女の子を描いた曲だったのだけど

その歌詞が2年前の私の悶々とした気持ちと完全にリンクして、深く共感して力が入った。




夕方はどこへ行こうと考えていると、ふとどうしても貝が食べたくなった。

レモンを絞った生牡蠣が食べたい、ムール貝も食べたい…!!

食べたいと思ったときが食べどきだと思ってマップで検索していると、日本にいる時グーグルマップにピンを刺したお店を思い出した。

私の大好きなiroさんという方のメルボルンVlogを見ていた時に登場したお店で、絶対に行こうと画面を眺めながら誓ったシーフードバー…!!!

ティムは貝類全般が食べられないので、ちょうどいい機会なのではないか。


ということで!

行きたいと思ったときが行きどきだと思って、さっそく行ってみることにした。

時刻は7時前。

バスに飛び乗り、お店のあるサウスメルボルンマーケットに向かった。





@サウスメルボルンマーケット


到着すると、タコのぐにゃぐにゃおててが描かれたキュートな壁を見つけた。



ああここだろうなと思いお店に入ると、にこやかなスタッフさんが案内してくれた。

お店の中のタイルとランプが非常に好みだった。



夕方だからか、各テーブルにはキャンドルが置かれていて、きれいな炎がゆらゆらしている。

私は生牡蠣とムール貝とレモネードを注文した。



誰かと食べるご飯が大好き。

でも、たまに1人でご飯を食べるのもまた楽しくて別の幸せがある。

半分こして美味しいね〜♡って分かち合える瞬間も最高にハッピーだけど

たま〜に

フルサイズを1人で食べて美味しさを心の中で噛み締めるのもまたハッピー。

私はシェア用であろうムール貝を1人で美味しくいただきました。

生牡蠣は日本に比べるとだいぶミニ。

でも味がぎゅっと詰まっていておいしかった。

1牡蠣2ドル。また来るだろうなここ。

貝とレモネードを楽しみながら、店内で開催されている白髪のおじいちゃんとおばあちゃんのライブ生演奏をうっとりしながら聴いた。



おじいちゃんがギターを奏で、おばあちゃんが歌を歌う。息ピッタリだ。

気がつくと、片手にムール貝を持ちながらゆらゆらと揺れていた。

曲が終わるたび観客は一体となって拍手をした。

あまりにも素敵な曲だったから、隣の席の小さな男の子が踊り出してしまった。

ボーカルのおばあちゃんはマイクで

「いいリアクションね!!!」と叫び

保護者の女性も男の子の手をとって踊り出した。

そんな幸せな光景が上映されているのを

1人ぼーっと眺めていて

ああ幸せだな、私こういう時間を過ごしたかったんだなと思った。

なんか「食べて祈って恋をして」という映画の主人公になった気分だった。




帰りは間違ったバスに乗ってしまい、知らない街に辿り着いてしまった。

間違ったバスに乗りもしない限り来ない場所だろうなと思ったから

新しい場所を探検できてよかった。

何事も解釈次第で景色が変わる。


そこはバーの多い街だった。

バス停からロックバンドの生演奏が聞こえた。

演奏をたくさん聴いた日だった。

何気ない街並みと信号のライトが綺麗で、思わず写真を撮って帰った。



趣味の日はこれにて終了!

夜にティムとお互いこんなことをしたんだと話すのが楽しい。

彼はフィリピン人のカード仲間ができたらしい。



ずーっと一緒にいなくても

お互いがお互いの趣味を楽しんで

その喜びをテイクアウトして

同じ家で共有する。

それくらいの自由さが私は好きで、心地いい。

趣味の日、来週は何しよう?

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