新潟・六日町 文人が愛した古民家温泉旅館で非日常を満喫する旅
温泉旅館「Ryugon」
それは新潟県 六日町という豪雪地帯にひっそりとたたずむ荘厳な雰囲気のお宿。
坂戸山の景色を借景して山の中に溶け込むようなたたずまいは、まるで自然の中に溶け込んで日常とは遠く離れていくような感覚すら感じる。
古くから地元の人だけでなく、文人や著名人にも愛されてきたこの宿には、高松宮殿下が幾度も訪れたり、有名な将棋の対戦も行われてきた登録有形文化財である。
歴史価値あるこの宿は2019年、「HATAGO井仙」代表 兼「雪国観光圏」のプランナーである井口さんの手によって”雪国ショーケース”として新たな息を吹き込まれた。
この話を新潟に住む友人から聞いたとき、どんなお宿なのだろうか、
ぜひいつか訪れてみたいと思っていました。
ここからは「Ryugon」体験をご紹介します。
六日町 「Ryugon」
「Ryugon」について
「Ryugon」の創業は1969年。
宿の名前は戦国時代の武将上杉景勝の父、長尾政景の菩提寺「龍言寺」の跡地に建てられたことに由来しているそうです。
約1,500坪の広大な敷地内にある建物は、旧坂戸城のあった国定指定文化財の坂戸山に抱かれるように建っており、その大半は今から約200年前の文化文政時代の庄屋や豪農の館を移築されて造られています。
雪の中でも出入りしやすい建築様式は、国の登録有形文化財に指定されています。
なぜ「Ryugon」は「龍言」ではないのか?
1969年の創業から50年、歴史価値の高い建物は、長年の豪雪地帯の厳しい風雪にさらされてきたため、現在の様式に沿った規格への見直しが必要となっていました。建物だけでなく刻々と変化する環境に合わせて再生する時期を迎えていたそうです。
そこで立ち上がったのが「雪国観光圏」のプランナーであり、家業である旅館「湯沢ビューホテル」を雪国ショーケース「HATAGO井仙」として再生させた井口 智裕さん。
たくさんのクリエーター、プランナーや建築家が関わってこだわりが”ぎゅっぎゅ”っと詰め込まれたお宿なのです。
井口智祐さんについて
少しだけ経営者の井口さんについて触れたいと思います。
井口さんは越後湯沢駅前にあった「湯沢ビューホテル井仙」の長男として生まれ旅館の4代目として家業を継ぎ、今の「HATAGO井仙」を2005年に雪国ショーケースとして再生した方です。
井口さんは家業をいつか継ぐので外で学ぼうとアメリカで経営学を学ばれます。その時、旅館が日本独自の宿泊施設であることに気づき現代のお客様のニーズにあった旅館に変えていったのです。その後、売上は右肩あがり!
2008年に雪国の良さを体験してもらい、将来的には移住、定住してもらうための取り組みとしてプランナーとして「雪国観光圏」を立ち上ました。
井口さんの活動はとても注目され数々の雑誌や「ガイアの夜明け」などでも取り上げられました。経営理論の本も出されてますのでご興味がある方はどうぞ。
著書
「ユキマロゲ経営理論―地域を活性化させた「雪国観光圏」の発想法と組織づくり」
行き方
電車で行く場合は東京から越後湯沢まで90分、越後湯沢からはJR上越線だと25分ですが、ここは、ぜひ第3セクター・ローカル線「ほくほく線」の2両編成にコトコト揺られて20分で六日町へ行くことをお勧めします。
理由は田んぼを見ながらのんびりコトコト、ローカル鉄道旅が味わえるからです。
もちろん車でも行けます。越後湯沢から30分程です。
越後湯沢駅前の「HATAGO井仙」から送迎バスも出ています。
雰囲気
宿についてみると門構えの立派さ、山や自然とのコントラストの素晴らしさに目を奪われます。
一歩足を踏み入れるとスタッフがさっとお出迎えに出てきてくれました。
玄関には立派な提灯が飾られています。
おーーすごい!と感動していると、まずは母屋に中門とよばれる突出部を持つ「中門造」で作られたレセプションへ通されます。
こちらで非接触型のチェックインをタブレットで行います。
館内着は浴衣と作務衣から選び、朝食を確認後、お部屋へのご案内を登録有形文化財の和室や囲炉裏、お庭を見ながら”ほっこり”待ちます。
ほどなくスタッフが来てお部屋へ案内して頂きます。
宿には3つのタイプのお部屋 Villa Suite、Classic、Private Villaがあります。
Classicは文化文政時代(1804~1829年)の地元の庄屋や豪農の館を移築されていて、寄せ木細工のある部屋など、細部に職人技が光ります。
高松宮殿下がたびたびお泊りになったお部屋があります。
1人旅の時は小さめのお部屋、友人や家族と一緒なら広めのVillaといった使い分けができそうです。
予約したのは4人で宿泊するので広い「Villa Suit Premium」です。
メインロビーから離れへの渡り廊下を過ぎ、広い池のある日本庭園を眺めながら歩くとVillaのある棟に着きます。
お部屋は日本庭園の中に建っている大きな部屋!期待値が爆上がりです!
お部屋
お部屋に入ると一面のガラス窓から日本庭園が広がります。
広いリビングとテラスの露天風呂!もうサイコーのシチュエーション!
まるで庭園を独り占めしたかのような気分です。
お部屋の手前にはベット、4畳程の畳の小上がりにはお布団が2組敷いてありました。
ベッドやテーブル、椅子やランプなどはこだわりの手作りで自然の景観を感じられるようデザインされています。
「冷蔵庫の飲み物はフリーですのでご自由に。」ってなんて素敵!
中にはビールやジュースなとさまざまに入ってました。
テーブルの上にはウェルカムのお菓子に新潟名物・笹団子が可愛く4つ置いてありました。
コーヒーは豆から挽いて入れるタイプ。朝からゴリゴリ豆挽いてコーヒー飲むリラックスタイムなんて素敵すぎる。
お部屋には内風呂もありました。
お部屋の素敵さに興奮冷めやらずでしたが、少し休んでからお夕飯まで時間があったので大浴場に行くことにしました。
大浴場
大浴場は木造平屋土蔵造りの風情のある温泉です。昔は米蔵として使われていた建物を移築したそうです。梁が太くとても趣きがあります。
2つの内風呂と外に岩風呂が1つありました。
内風呂は深めと浅めなので、浅い方では横になって入ることができます。
ここで温泉ソムリエの温泉効能チェック!
温泉はナトリウム塩化物温泉(低張性弱アルカリ性高温泉)
無臭無色の温泉は肌にやさしく、湯あたりしずらいお湯。
適応症は筋肉、関節の慢性的な痛み、冷え性、軽症高血圧、疲労回復、ストレスによる諸症状です。
ゆっくりとお湯につかり日ごろの疲れを癒します。
外の露天風呂はぬる目なのでいくらでも入って入れそうな感じでした。
外には水が流れ、自然を楽しみながら入ることができます。
お風呂にゆっくり入ったらお部屋で0次会スタートです。
広いリビングでまずは乾杯🥂
貸し切りの日本庭園を愛でながら、”あ~幸せだ~”と感じるのでした。
ほどなくお夕飯の時間。メインダイニングに向かいます。
食前酒
バーカウンターでは無料で食前酒を楽しむことができます。
せっかくなので地酒の八海山を頂きます。
こちらでは日中はお茶、コーヒーや軽食が頂けますので食後のコーヒーなどはこちらでどうぞ。
お食事
夕食
軽く食前酒を楽しんだら、お楽しみのお食事、雪国ガストロノミーです。
雪国で食べ継がれてきた伝統料理は山菜やきのこ、発酵食品、雪室(ゆきむろ)で保存された野菜など雪国の暮らしに欠かせない食材たちによって作られます。
鮎の塩焼きはダイニングの真ん中に据えられた囲炉裏を使って炭火焼され提供されます。
コースは先付け、たき物、お刺身、お野菜、麺類、鮎の塩焼き、お肉、ご飯と汁物、デザートとなります。
お米は精米したばかりの魚沼産コシヒカリを土鍋で炊き立ての状態で頂くことができます。ご飯はもうツヤツヤ、ピカピカです。
お食事と一緒に新潟ワイナリーのワインを頂きました。
私のお気に入りはルサンクの白のシャルドネワイン。
このワイナリーは海寄りの角田浜にあります。
ワイン好きならワイナリーに泊まれるカープドッチをご存じでしょう。
こちらのワイナリーはその裏手にあります。
初めて飲んだ時は日本のワインもここまで来たのか!と驚くほど美味しかったので今回もチョイス!やっぱり美味しい💛
今度このワイナリーに行こうと思うのでした。
お食事もワインもたっぷり楽しんだ後はお部屋に戻って、たくさんおしゃべりして眠るのでした。
朝食
朝はとっても良い目覚め。素敵な空間で熟睡してすっきりです。
軽く部屋の露天風呂を楽しんで、お腹を空かして朝食に向かいます。
朝食は和定食。
野菜のスムージー豆腐、山菜、たき物、お魚、蒸し野菜ともちろん土鍋で炊き立てのつやつや魚沼産コシヒカリと汁物。
しっかり朝食を頂いてから、コーヒーはカウンターバーで頂きます。
ちゃっかりクッキーなども頂いてしまいました。
チェックアウトは12:00とゆっくりなので、お部屋でコーヒー飲んだり、足湯をしながらその日のプランを話します。
宿にはたくさんのアクティビティが用意されています。
アクティビティ
こちらで楽しめるアクティビティは魅力的なものばかりです。
少しですが、ご紹介します。
地元のお母さんと土間クッキング
山菜採り
坂戸山ハイキング
里山の自然に囲まれてのランチ
地元ガイドとまちぶら散歩
梅酒づくりやわらぞうり作りなどの田舎体験
ヨガ
などなど。
もちろん雪遊びや大地の芸術祭に行ったりできます。
こんな贅沢空間ですからラウンジや中庭でゆっくり読書など楽しむという贅沢な時間の過ごし方もありです。
コスパ
この宿はどちらかというと高級旅館です。
1人で泊まる場合は、18,000円からお部屋があります。
4人で泊まるお部屋は、6万円台からあるようですのでピークシーズンを外せばコスパ高く泊まれると思います。
お買物
宿の中にはグッズやお菓子、お酒などが販売されている売店があります。
また、宿の近くにはJA農協の直売所あぐりぱーく、道の駅、魚沼の里などで地元の品を買うことができます。
JAアグリパーク
農協だけあって野菜はとっても新鮮でサプライズなお値段です。
野菜好きな方にはおすすめです!
道の駅 雪あかり
お野菜以外にも地元の調味料やお菓子などを買うことができます。
魚沼の里
広い敷地でカフェバーやお蕎麦ランチ、ビール醸造所、八海山雪室見学などを楽しめます。
これらの3ヶ所は宿からそれぞれ10~20分、車があればぐるっと回ってお買物を楽しむことができ、そのまま越後湯沢へは道の駅から20分程で戻ることができました。
締めは越後湯沢駅のそばの小嶋屋でへぎそばとビールで乾杯して旅を締めくくるのでした。
まとめ
「Ryugon」は絶対にまた行きたい宿リストにランクインです!
次は連泊してとアクテビティを楽しみたいと思います。
おいしい炊き立てご飯、地産地消の新鮮食材、肌に優しい温泉、作りこまれた借景の空間デザインと建築、手作りの調度品。
これだけの施設とスタッフの行き届いたサービスを提供できる宿がこんなにひっそりと佇んでいるなんて。
のんびりとリラックスして、温泉や田舎体験、ハイキングで気持ちをリフレッシュできる贅沢空間。
東京から新幹線で90分+ほくほく線で20分。東京から2時間以内で非日常空間、ゆっくり流れる時間に身を任せ田舎体験でリラックスしてみませんか?
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