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夜 10 時の吸血鬼さん
おいさん作
ある日、町の中、吸血鬼に、出会った。
花咲く森の道ではなく、歩道橋のふもとで、出会った。
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塾から家への帰り道は二種類ある。
1、明るくて遠回りのルート。
2、暗くて近道のルート。
その日の私はそろそろ家、学校、塾の「 真夏の大三角か!」とツッコミを入れたくなる三 点周回の生活にいいかげんにうんざりしてきていたのと、(ギリギリ自転車通学が許可され
ない距離)+(学校
ワンダフルワールドエンド
ゴマ作
一閃が私を攫っていく。
それはステージの後ろからの照明でも、誰かのスマートフォンから漏れる光でもない。
それは紛れもなく本物の魔法であり、祈りだった。
視界を貫いて目を眩ませた光芒がわたしを包んだ時、
その魔法に意図的にかかったままでいることを、たとえそれが呪いでも、
それを祓わずにいることさえも、赦されるような気がした。
フィクションではもう泣けなくなってしまったわたしの涙を流させる唯