見出し画像

むるめ辞典

■高二

[読]こうに

高校の二年

[例文]
進学したクラスの席は窓側の一番後ろだった。ちょうど対角線になる廊下側の一番前の席に座った女の子がかわいくて、その日から後ろ姿を目で追いかけていた。

廊下から入ってくる暖かい春の空気に包まれて、彼女の周りは白とオレンジの色調が混ざり合った陽の光に照らされていた。

肩までの長さの髪にゆるくパーマをかけていて柔らかく膨らんだ髪の束に顔を隠された彼女は、黒板を見るのに首を少し起こすたびメガネのフレームを直していた。

私の高二の春はオレンジと白の光に染められていてそれは彼女の身体から滲みでる色になっていた。同じ時期に周囲をピンクに染めていた桜もその年はいつもほど鮮やかに咲いていない気がした。

サポートしていただいたお金で、書斎を手に入れます。それからネコを飼って、コタツを用意するつもりです。蜜柑も食べます。