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電話で伝える悪い情報は1割で良い

今、新しいことにチャレンジするための準備をしています。Mr.チキンです。新しいことはドキドキしますが、脳みその新しい領域が拓かれていく感じがして新鮮ですね。
さて、今日は保護者にBAD NEWSを伝えるコツのお話をします。

保護者は学校からの電話で硬直する

保護者と懇談をしていた時です。
「先生、特別支援学級に来てから、だいぶ電話が怖くなくなったわ。通常学級にいたころは、学校から電話が来るたびに体が固まってたもん。
という話になりました。
どうしても問題行動を起こしてしまうAくん。保護者の方はいつしか

学校からくる電話≒問題行動の報告

という意識になっていたということでした。
「もう、軽いトラウマだったんだと思う。」とおっしゃった保護者の方の表情を忘れることができません。

悪い情報を1割にするために

悪い情報を1割にするためには、9割を良いことにすれば良い

例えば”10”悪いことをする子がいたとします。
そのことだけを伝えていると、”10割悪いことを伝える”ということになります。
ここに、”90”良いことを伝えると、10の悪いことが”1割”になります。
そのための努力をする責任が、私達にはあります。
なぜなら、

こちらの記事でも書いたとおり、電話で伝える学校での様子も、
立派な評価の一つだからです。
私達教員のの伝え方次第で、その子は十割悪い子にも九割良い子にもできてしまうのです。

悪い情報を1割にするために その① メモ魔になる

1日6校時分の授業をしていると、子どもたちの色々な様子が情報として入ってきます。そして、授業が終わって職員室に戻ってくると、その情報はほとんど消えている・・・そんなことありませんか?
悪い情報ほど記憶によく残ります。なぜなら緊急性が高いからです。
保護者に伝える情報が悪いことになってしまう原因の一つがそこにあるのではないでしょうか。
そこで、私はその子が良いことをした時点で、ノートに
A:体育 友だちの良いところを発表。『手をつく場所良い』」と書きます。
う~んと汚い字で速記するので、その間10秒弱。時間はかかりません。
これをまとめていくと、1週間経つ頃には、相当な数の良いことがリストアップされています。
あとはそれを電話で伝えるだけです。

悪い情報を1割にするために その② 世間話をする

すべてが学校に関係する話だと、保護者も詰まってしまいます
そこで、少し世間話をします。
例えば、「懇談で話していたスキーの話ですが、ついにシーズン入りですね。うちの学校では〇〇山にスキーに行くんですが、お父さんはそのスキー場に行ったりしますか?」なんて言ったら、少し盛り上がります。
そして、これも大切な情報の一つになります。悪い情報の割合は確実に減らすことができます

悪い情報を1割にするために その③ 悪い情報を「相談」に変えて話す

「今日、Aくんが友だちとケンカして、叩いてしまいました。一対一で話を聞いた結果、Aくん本人も『謝りたい』ということだったので、一緒に謝りました。先方の児童も「いいよ。」と言っていたので、大丈夫だと思いますが、家でも話をしておいてもらえますか?」

そのまま話すとこんな感じ

という連絡をしたとします。保護者としては、ただただ
相手の子に申し訳ないことをした。うちの子はなんでいつもこうなんだ。」となり、恐縮します。中には「うちの子がそんなことするはずない!」と攻撃的になる保護者もいます
これを

お母さん、相談があるんです。最近、Aくんに「謝らせる」という指導ばかりをしていて。おうちで気持ちが沈んだりしていませんか?今日も友だちと遊んでいる中でヒートアップしてBくんを叩いてしまったんです。その時も私の方で「ごめんなさい」で終わらせる指導をしてしまいました。おうちであそびがヒートアップしてしまうこととかありますか?何か「謝る」じゃなくて、「うまくいった」という経験を積ませたくてヒントを探しているのですが・・・

印象がかなり変わります

などと相談の形にすると、Aくんの性質が悪いというのではなく、
係わり方で変わっていくことを期待していることが伝わります。
悪い情報ではありますが、保護者の方と一緒の方向を見ながら解決策を考えていくことができます

まとめ

今回の記事を読んで
え?電話の量を多くするの?それって、働き方改革と逆行してない?
と思うかもしれません。
そうかもしれません。ただ、悪い情報を1割にする努力をすると

  1. 「悪いことをする」と思っていた子どもへの先入観が薄まる。

  2. 保護者の学校への抵抗感が薄まる。

  3. 良いところを褒めるようになるので、教員側の精神衛生にも良い。

  4. 良いことメモを通知表や個別の指導計画に書いていくと、評価のできあがり。

  5. 1回に伝える量を減らすことができる。

  6. 保護者と同じ方向を見て子どもの成長を見取ることができるようになる。

などなど、良いことがたくさんだと感じています。
そして、総合的に見て保護者の方にかける時間は確実に少なくなります
攻撃的になってしまう保護者の方は、
元々学校から攻撃を受けていると感じている保護者
なのかもしれませんね。
だから防衛本能的に攻撃に出てしまうのかもしれません。
一番大事なのは、連絡が子どもの成長につながることですね。
もし、良いなと思ったら試してみてください。
では、またね~。

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