mozhi gengo

~mozhi くりっぷ~ மொழி mozhi (language) + குறிப்…

mozhi gengo

~mozhi くりっぷ~ மொழி mozhi (language) + குறிப்பு kurippu (note) = 語源考察のメモ書き

マガジン

  • 印欧語根表メモ

    英語語源辞典の語根表から辿った派生語のメモ

最近の記事

*dʰewgʰ- [dugan/doughty/दूध]

heldio #1124 での名台詞 "Wyrd oft nereð unfǣgne eorl, þonne his ellen dēah" の最後の1語がしびれる。 動詞の原形は dugan で活用形が dēah ということらしい。 口蓋音 /g/が/h/に変わっていく途中を見ているようだ。dugan と同語源の英語は doughty (勇猛な) や douth (優秀, 徳) という単語があるようだがあまり聞いたことがない。 でもどこかで見た気がする。そう思って語根を

    • *dʰeh₁(y)- [fertile/fawn/doe/दही]

      fecundから遡って〜ariさんのNote記事からのインスピレーション〜 ariさんのWDでfecundが出ていた。印欧祖語*dʰ→ イタリック祖語*θ→ ラテン語f のパターンがまたここに!と興奮した。ということはインド語派でdha-かdah-の語彙があるはず。探すと、दही (dahī)が該当!意味は凝乳つまりヨーグルト。dahiが英単語に取り入れられているのも驚きだった。 *dʰeh₁(y)-/*dhe(i)- から出た他の語彙は、インド語派では धेनु (dh

      • *h₂ŕ̥tḱos [arctic/Arthur/ursus/रीछ]

        クマについてのあれこれ ~lacolacoさんの英語語源辞典通読ノートからのインスピレーション~ bearの語源は、印欧祖語の *bʰerH- ("brown")。beaver も同語源。*bʰerH- がサンスクリットにくだると बभ्रु (babhru) となる。意味はもちろん "brown" で、こちらもまさに茶色い動物のことを指す。ただし बभ्रु (babhru) は クマではなくマングースのことを指すようだ。マングースには नकुल (nakula) (ヒン

        • *ḱewh₁- [excavator/cima/शून्य]

          heldioの借用語に関する論題が熱い。 翻訳借用について考えて見た。他言語から新たな概念が入って来た時、以下のリアクションが考えられる。 ①借用語  1⃣音をそのまま取り入れる。音訳借用  2⃣既存の語彙を駆使して意味を訳す。翻訳借用   →元の言語の意味・構造を写し取る(calqueなぞり) ②翻訳  1⃣既存の語彙を充てる(その語に新たな意味が加わる)。  2⃣既存の語彙を駆使して新たな複合語を造語する。   →元の言語の構造は必ずしも反映しない。 翻訳借用あるい

        *dʰewgʰ- [dugan/doughty/दूध]

        マガジン

        • 印欧語根表メモ
          40本

        記事

          *h₂melǵ- [milk/emulsion]

          うちでは毎日子どもたちが牛乳を大量消費するしチャイも飲むので、毎日牛乳パックを補充するほど、生活になくてはならない飲料になっている。ということで牛乳周りの単語を見てみることにする。 英語で「乳」に関する学術用語の接頭辞と言えば、lacto-で、ラテン語 lac から来ている。ロマンス諸語で、caffè latte, café au lait, café con leche に共通する語だ。古代ギリシャ語の γάλακτος (gálaktos, "milk") と同語根。ガ

          *h₂melǵ- [milk/emulsion]

          *sem- [same/homeo/समुद्र/ہمسفر]

          接頭辞の語源は、語彙が広がりすぎてカバーしきれないのであまり普段深追いしないが、最近考察したものが関連し合っていて連鎖的にハッと気づかされた。 *wed-が "water" の語根で、それに関連のあるサンスクリットの単語で udra は otter のことだった。udra に 関する基本語彙がもうひとつあった。 "together, wholly" を意味する接頭辞 सम्- (sam-) を उद्र (udra) につけると、समुद्र (samudra)「海」だ。現

          *sem- [same/homeo/समुद्र/ہمسفر]

          *ḱeh₂s- [hare/शशि(moon)]

          ウサギに関するあれこれ(子どもがウサギ好きなので) ウサギのキャラクターといえば nijntje をご存じだろうか。 nijntje [ナインチェ] は「ミッフィー」のオランダ語原題。オランダ語で "bunny" を意味する konijntje [コネインチェ] の略。konijntjeは "rabbit" を意味する konijn [コネイン] の指小辞。オランダ語 konijn は、英語の cony と同語源で、ラテン語の cunīculus から来ている。一部、福音

          *ḱeh₂s- [hare/शशि(moon)]

          *nókʷts [night/nox]

          ドイツのカレンダーで6/20にsommerangfangとある。夏至 summer solsticeだ。夏至の瞬間(太陽の赤道面からの距離が最大となる瞬間)は、日本時間で6/21の早朝5:50だが、時差の関係でドイツでは22:50なので日本の前日が夏至日となる。冬至はキリストの誕生日に、夏至は聖ヨハネの誕生日に結び付けて祝われる。冬が長いゲルマン民族ならではの、太陽を乞い願う祭りが色濃く表れていると見ることもできる。 Sommerangfang は Sommer ("sum

          *nókʷts [night/nox]

          *wed- [water/otter/Vodka]

          redundancy~冗長性あるいは余剰性。語源は ラテン語の redundō の変化形 redundāns からで、分解すると red- ("again, back") + undō ("to surge, flood") となり、この undo のところが "a wave" を意味する unda から来ている。海の波のように繰り返し押し寄せる様から来た言葉とのこと。 unda は 印欧語根の *wed- ("water") と関連があるらしい。 印欧語根 *wed-

          *wed- [water/otter/Vodka]

          *strebʰ- [strap/Streptococcus]

          病名はギリシャ語なので覚えられない、の話の続き。 最近流行が懸念される「溶連菌」。初めて「ヨウレイキン」と聞いたとき漢字が分からなかったが、溶血性連鎖球菌の略のようだ。菌の名前ではなく、症状の名前を言うと「劇症型溶血性連鎖球菌感染症」と長い。英語ニュースでは Streptococcal Toxic Shock Syndrome (STSS) あるいは Severe Invasive Streptococcal Infection というらしい。Streptococcus が

          *strebʰ- [strap/Streptococcus]

          *welH- [ileus/イレウス]

          病名は日本語でも普段使わない語彙が使われて難しいが、英語だとギリシャ語なので余計に覚えにくい。また、ただの言い換えかなと思っていたが実は厳密に違うことだったりする。 最近知ったのは、腸閉塞(intestinal (or bowel) obstruction)をイレウス(ileus)と言ったりするが、厳密に言うと「イレウス」は腸の機能が停止して、腸管が麻痺状態になっていること全般を指し、「腸閉塞」はもっと狭義に、物理的・機械的に異物(胆石など)や腫瘍(癌など)によって閉塞され

          *welH- [ileus/イレウス]

          *merǵ- [mark/march/मार्ग/मर्यादा]

          ~umisioさんのNote記事を読んで、おなかが空いてきた話~ 「塩の行進」について読んで、買わせた塩が英国産という、今まで気にしていなかったところに気づかせてもらった。イギリス国内の塩の生産地や精製方法について、具体的にはどうだったのだろうと新たな好奇心がわいた。「塩とインド―市場・商人・イギリス東インド会社 (神田さやこ著)」という本があるようなので、一度読んでみようと思った。 インドは海に囲まれているとはいえ、亜"大陸"というだけあって、内陸部は海からかなり離れて

          *merǵ- [mark/march/मार्ग/मर्यादा]

          *reydʰ- [curry/ready]

          "curry favor" は一見すると「curry flavor カレー風味」と誤読しそうだが、「機嫌を取る、取り入る、ゴマをする」という意味のイディオムだ。 このイディオムにおける favor は「好意」の favor ではなく、元々フランス語の fauve (favel, fauvel) だった。fauve は「淡黄褐色・鹿毛色」の意味で英語の fallow と同語源。fallow は鈍い橙系の黄色、うす茶色、灰黄色、ウッドブラウンやウォールナット色とも説明される。色

          *reydʰ- [curry/ready]

          *preyH- [friend/Friday/प्रिया]

          気付かなかった別々の語彙が、グリムの法則を知ることでつながるAHA体験。「p → f への変化」で、father と paternal [पिता]、foot と pedal [पैदल, पैर, पाँव, पद्] はよく例に出るが、最近そうかと思った語彙は friend. friend ←中英語 frend, freend ←古英語 frēond ("loving[-one], lover") ←西ゲルマン祖語 *friund ←ゲルマン祖語 *frij

          *preyH- [friend/Friday/प्रिया]

          [Afer] [Assuwa]

          「アフリカ」や「アジア」という言葉は、もとは非常に限られた一地域を指す言葉が、拡大されてその地域より以遠の広域を指す語になっている。 「アフリカ」は、ローマ帝国の属州名で、かつてカルタゴが支配していた地中海沿岸の一地域、現在のチュニジア北部あたりの土地の名前だった。ラテン語のĀferはその「"カルタゴ"の地域の(人々・物)」を指す形容詞で、Āfricaはその土地。ではĀferとは何か。諸説あるが、  ・フェニキア語で"dust"を意味する APR (afar)  ・ベルベ

          [Afer] [Assuwa]

          *h₂éndʰos [chrysanthemum/अन्धस्]

          家族が庭いじりをしていて菊の挿し木をしていたが、菊って英語で何というのだろう。日本語でも古くから女性の名前に使われていたし、ヒンディー語でも शेवंती (shewanti) は昔から楽しまれ、女性の名前になって来た。(日本と同じく古めかしい感じがするので最近の子にはつけない傾向)英語でも花の名前が女性の名前になっていることが普通なのに、そう言われれば「菊」という意味の英語の名前ってなんだろう。 英語で「菊」は chrysanthemum。みるからにギリシャ語で、学名その

          *h₂éndʰos [chrysanthemum/अन्धस्]