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*h₂melǵ- [milk/emulsion]
うちでは毎日子どもたちが牛乳を大量消費するしチャイも飲むので、毎日牛乳パックを補充するほど、生活になくてはならない飲料になっている。ということで牛乳周りの単語を見てみることにする。
英語で「乳」に関する学術用語の接頭辞と言えば、lacto-で、ラテン語 lac から来ている。ロマンス諸語で、caffè latte, café au lait, café con leche に共通する語だ。古代ギ
*sem- [same/homeo/समुद्र/ہمسفر]
接頭辞の語源は、語彙が広がりすぎてカバーしきれないのであまり普段深追いしないが、最近考察したものが関連し合っていて連鎖的にハッと気づかされた。
*wed-が "water" の語根で、それに関連のあるサンスクリットの単語で udra は otter のことだった。udra に 関する基本語彙がもうひとつあった。 "together, wholly" を意味する接頭辞 सम्- (sam-) を
*ḱeh₂s- [hare/शशि(moon)]
ウサギに関するあれこれ(子どもがウサギ好きなので)
ウサギのキャラクターといえば nijntje をご存じだろうか。
nijntje [ナインチェ] は「ミッフィー」のオランダ語原題。オランダ語で "bunny" を意味する konijntje [コネインチェ] の略。konijntjeは "rabbit" を意味する konijn [コネイン] の指小辞。オランダ語 konijn は、英語の
*nókʷts [night/nox]
ドイツのカレンダーで6/20にsommerangfangとある。夏至 summer solsticeだ。夏至の瞬間(太陽の赤道面からの距離が最大となる瞬間)は、日本時間で6/21の早朝5:50だが、時差の関係でドイツでは22:50なので日本の前日が夏至日となる。冬至はキリストの誕生日に、夏至は聖ヨハネの誕生日に結び付けて祝われる。冬が長いゲルマン民族ならではの、太陽を乞い願う祭りが色濃く表れている
もっとみる*wed- [water/otter/Vodka]
redundancy~冗長性あるいは余剰性。語源は ラテン語の redundō の変化形 redundāns からで、分解すると red- ("again, back") + undō ("to surge, flood") となり、この undo のところが "a wave" を意味する unda から来ている。海の波のように繰り返し押し寄せる様から来た言葉とのこと。
unda は 印欧語根の
*strebʰ- [strap/Streptococcus]
病名はギリシャ語なので覚えられない、の話の続き。
最近流行が懸念される「溶連菌」。初めて「ヨウレイキン」と聞いたとき漢字が分からなかったが、溶血性連鎖球菌の略のようだ。菌の名前ではなく、症状の名前を言うと「劇症型溶血性連鎖球菌感染症」と長い。英語ニュースでは Streptococcal Toxic Shock Syndrome (STSS) あるいは Severe Invasive Strept
*welH- [ileus/イレウス]
病名は日本語でも普段使わない語彙が使われて難しいが、英語だとギリシャ語なので余計に覚えにくい。また、ただの言い換えかなと思っていたが実は厳密に違うことだったりする。
最近知ったのは、腸閉塞(intestinal (or bowel) obstruction)をイレウス(ileus)と言ったりするが、厳密に言うと「イレウス」は腸の機能が停止して、腸管が麻痺状態になっていること全般を指し、「腸閉塞」
*merǵ- [mark/march/मार्ग/मर्यादा]
~umisioさんのNote記事を読んで、おなかが空いてきた話~
「塩の行進」について読んで、買わせた塩が英国産という、今まで気にしていなかったところに気づかせてもらった。イギリス国内の塩の生産地や精製方法について、具体的にはどうだったのだろうと新たな好奇心がわいた。「塩とインド―市場・商人・イギリス東インド会社 (神田さやこ著)」という本があるようなので、一度読んでみようと思った。
インドは
*reydʰ- [curry/ready]
"curry favor" は一見すると「curry flavor カレー風味」と誤読しそうだが、「機嫌を取る、取り入る、ゴマをする」という意味のイディオムだ。
このイディオムにおける favor は「好意」の favor ではなく、元々フランス語の fauve (favel, fauvel) だった。fauve は「淡黄褐色・鹿毛色」の意味で英語の fallow と同語源。fallow は鈍い
*preyH- [friend/Friday/प्रिया]
気付かなかった別々の語彙が、グリムの法則を知ることでつながるAHA体験。「p → f への変化」で、father と paternal [पिता]、foot と pedal [पैदल, पैर, पाँव, पद्] はよく例に出るが、最近そうかと思った語彙は friend.
friend
←中英語 frend, freend
←古英語 frēond ("loving[-one], l
[Afer] [Assuwa]
「アフリカ」や「アジア」という言葉は、もとは非常に限られた一地域を指す言葉が、拡大されてその地域より以遠の広域を指す語になっている。
「アフリカ」は、ローマ帝国の属州名で、かつてカルタゴが支配していた地中海沿岸の一地域、現在のチュニジア北部あたりの土地の名前だった。ラテン語のĀferはその「"カルタゴ"の地域の(人々・物)」を指す形容詞で、Āfricaはその土地。ではĀferとは何か。諸説あるが
*h₂éndʰos [chrysanthemum/अन्धस्]
家族が庭いじりをしていて菊の挿し木をしていたが、菊って英語で何というのだろう。日本語でも古くから女性の名前に使われていたし、ヒンディー語でも शेवंती (shewanti) は昔から楽しまれ、女性の名前になって来た。(日本と同じく古めかしい感じがするので最近の子にはつけない傾向)英語でも花の名前が女性の名前になっていることが普通なのに、そう言われれば「菊」という意味の英語の名前ってなんだろう。
もっとみる*wemh₁- [vomit/বমি/オェ~]
今回は汚い話で申し訳ない。子どもたちが風邪をもらって来て次々と倒れた。夜な夜な急病センターに走っては入院はするはと辞書を引いている場合ではないがそんな時にも語源は気になる。落ち着いてから 嘔吐・下痢・発熱 まわりの単語を調べてみた。まずは「救急車」のambulanceから。
ambulance
←フランス語 ambulance
← (hôpital) ambulant ("walking (
*deḱs- [dexterous/Deccan/दायाँ]
方角に関するあれこれ ~前回の「Australia(南)とAustria(東)。同語源(どちらも印欧語根 *aus- "輝く")でも、指す方角が違う」からの続き~
インド語派で東は पूर्व (pū́rva) で 印欧語根 *preh₂- (前に。英語のpre-, para-, fore-, firstの語源) と関連がある。太陽が昇る方向を向いたときの「前」だからなのか、インド・イラン語派の
*dʰeh₁- [doom/प्रतिनिधि]
"doom"と聞くとどんなイメージだろうか。Doomsday は「最後の審判」、「人類滅亡の日」や「破滅の運命」というニュアンスで使われるが、脳内でヒンディー語の "dhoom" のイメージがいつも邪魔してくる。
英語の doom に付きまとう暗雲立ち込める破滅の運命というイメージに、ヒンディー語の धूम (dhūm) [煙] や धूल (dhūl) [土埃] という単語が勝手に頭の中でミッ
*meng- [मंगलवार/mangonel/Machurian?]
地名が由来の食べ物の名前でインド英語と言えば、中国系インド人のシェフが創作したと言われるManchurian。中華料理ではなく、中華"風"インド料理。"Manchu"は満州だが、なぜその地名を取ったかは分からない(戦後、日本以外で中国を満州と呼ぶことは少ない)。高級料理を「満漢全席」と言い、また、中華料理の四川・広東・北京・上海にさらに加えてということで、別の有力地方名を取って来た、ということなの
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