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選挙結果振り返り(2024 1.28投票)


 昨日投票の選挙は関東の市議選3件が注目でした。 そちらを振り返る前に、やはり最初は “選挙ゴロ” が2週連続で出馬した選挙の結果から見ていかざるを得ません。 コイツこの人に時間も労力もスペースも割きたくないのですが、どんどん調子に勢いに乗っているようなので、チェックを続けなければ・・・




◆【取材済】三重県・川越町長選挙

 3期目を目指す現職に “選挙ゴロ” 小西彦治氏が二週連続で出馬した一騎打ちは、当然ながら現職の圧勝。 しかしながら小西氏は得票率18.28%を獲得し、供託金50万円返還&選挙費用が公費負担となってしまいました。

 現職がホゲホゲした選挙公報を出し、有権者の多数が町外へ仕事に行っている環境では会社からの “縛り” も無い。 人口増となる自治体で行政への関心が低いという相反する現象は各地で見られます。 そうなると見た目が(現職と比べて)良い小西氏に票が行くのも理解は出来ます。

 とはいえ、(アンケートでは)10~20代の半数が小西氏に票を入れたってのは、いくらなんでも・・・

 詳しくはレポートをリリースしておりますのでコチラをご覧ください。 ただ、

 コチラのレポートの方が良く出来ています。 先にコチラを読んでいただいた方が良いかと存じます。

 では、他の選挙を見ていきましょう。


◎宮城県・色麻町議会議員選挙(定数13/15人)

 現職12人、元職2人、新人1人が立候補した全員無所属の選挙は現職2人が落選。 女性候補は2人中1人が当選しました。

 過去の選挙を上記リンクからたどると、2008年と2012年は女性候補ゼロ。 2016年に女性候補1人当選し、2020年は新人女性候補が当選し現職女性候補が落選。 そして今回も新人が当選し現職が落選・・・ 「女性が半分」と訴えた方が落選する様を見ると、どうやらこの町、半分はおろか女性議員を2人以上生む土壌が出来ていないようです。 哀しいコトです。


◎茨城県・取手市議会議員選挙(定数24/29人)

 現職21人、新人8人が立候補し、政党別では自民5人、公明4人、維新1人、国民民主2人、共産4人、2つの諸派から1人ずつ出ている選挙は現職1人新人4人落選。 政党別では国民民主の1人と諸派の1人が落選し、女性候補8人は全員当選しました。

 国民民主の新人1人が落選しましたが現職1人は当選し議席維持。「2人受かればラッキー」程度のものだったように見えるので、党に大きなダメージは無いかと。
 その国民民主と市議会で会派を組んでいる維新は「父が参院議員、自身は全国若手議員の会で初の女性会長」という輝かしい経歴を持つ現職が4位当選。 得票も順位も殆ど変動なく、安定した結果を残しました。
 共産は4人全員当選し現有議席を維持。 そして「茨城れいわの会」という、れいわのようでれいわでない、食べるラー油のような団体から立候補した方は全く票が獲れずブービー落選。政党公認では無いから党勢に影響が無いとも言えますが、やはり現状の地方におけるれいわの評価が表れたとみるべきでしょう。
 あと、茨城県内を転々としながら市議選で落選してきた方は、今回も落選。 直後に某開票配信のチャットに現れた彼は選挙期間中の「爽やかな若手候補」キャラを捨てて悪態つきまくっていました。 若くて見た目が良くても票が集まらなかったのは、そーいったトコが有権者に見透かされたんでしょうね。 本人曰く「市議選」からの引退を表明していたので、宣言通り二度と出て来ないでくれと願うばかりです。


◎茨城県・潮来市議会議員選挙(定数16/17人)

 現職13人、元職1人、新人3人が立候補し、政党別では公明が1人立候補している選挙は現職1人が落選。 女性候補1人は2位で当選しました。

 前回の選挙では当選者が全員男性。 補選で女性が1人当選し、その方が今回の本選で2位で当選したのが救いかと。 2016年まで市議だった、現在御年98歳の「きくいばあさん(橋本きくいさん)」の意志は引き継がれていますが、同じ県内でも取手では女性候補が8人当選したのに潮来はこの惨状。 何故ここまで地域差が有るのか。


◎埼玉県・吉川市議会議員選挙(定数20/26人)

 現職18人、元職3人、新人5人が立候補し、政党別では自民・公明・共産が3人ずつ、立憲・維新・参政・地域団体が1人ずつ立てている選挙は無所属の現職2人、元職1人、新人3人が落選。 女性候補は7人中6人当選しました。

 参政党今年一発目の選挙は17位で当選。

(クリックやタップで拡大してご覧ください)

 神谷独裁者代表が2回入るという熱の入れようが実りました。 その割に順位が低いようにも見えますが「40代男性」という参政党候補の “売れ線” ではない候補なのを考慮すれば御の字でしょう。 党中央ではゴタゴタし支持率が伸び悩んでいる参政党ですが、地方までその影響が及んでいるワケでは無さそうです(※ただし伸びてもいない)。

 その参政党より票が獲れず18位で辛うじて当選したのが、維新。 コチラは「31歳男性」という維新では “売れ線” の候補でしたが、twitter-Xを見る限り党中央がチカラを入れていたようには見えなかったので、落選したら大変だったでしょうが受かれば何位でも良かったんだと思われます。
 とはいえ昨年の維新は “1人立て” の選挙なら大体上位当選させていたのですが、今回の結果を見るに、やはり大阪万博問題から下手を打ち続けている影響が地方に及んできているのかもしれません。

(クリックやタップで拡大してご覧ください)

 とりあえず統一地方選以降、埼玉県の維新候補は連勝を「5」に伸ばしました。
(合わせて、茨城県の維新候補は連敗が「3」でストップしています)

 また、共産は現有3議席を維持。 立憲は無所属だった現職を公認し当選。 投票率が0.9ポイント減った中で得票が25票伸びたのなら、公認効果は(わずかながら)有ったのだろうと思われます。


◎東京都・府中市長選挙

 4期目を目指す、自民、公明、国民民主と都ファが推薦する現職に、市の労組総連合の議長が挑む一騎打ちは現職が4選を果たしました。

 構図を見れば結果は明らかでしたので特に評すコトは無いかと。 ただ現職が4選で62歳。 都市部で60代の首長が国政に転じる可能性は少なそうなので、このまま当選を重ねていくのでしょうか。 早めに後継を作って道を譲っていただきたいものですが・・・ とりあえず、投票率が前回から1.86ポイントですが上昇したコトが唯一の変化と言えるでしょうか。


◎東京都・青ヶ島村長選挙

 伊豆諸島の、八丈島より更に南に位置する断崖絶壁に囲まれた島で、人口156人(当日有権者137人)と日本一人口が少ない村。 現職が体調不良のため昨年末で辞職。 次の座を巡り、2021年の選挙で現職に敗れるまで20年村長を務めた70歳の候補と、その方に敗れるまで12年村長を務めた79歳の候補による、元職同士の一騎打ちは、なんと79歳の候補が実に22年ぶりの村長返り咲きとなりました。

 まさか年上の方が選ばれると思いませんでしたが70歳の候補は「前職」になるので、「新しさ」を求めたら79歳の元職を、というコトになったのでしょうか。 その判断は支持しますが、それにしても79歳の新村長が初当選したのが「平成元年」ってんだから、青ヶ島には私には想像できない世界線が広がっているようです。


◎奈良県・吉野町長選挙

 2期目を目指す現職に町の元職員が挑む一騎打ちは現職が2選を果たしました。

 現職が奈良自民フルラインナップ+維新系の知事という激ツヨコンボ持ちだったので結果は予想できましたが、破れたとはいえ55票差まで詰めた新人は大健闘といって良いでしょう。 もし維新系が新人についていたら、結果は変わっていたかもしれませんね。


◎奈良県・吉野町議会議員補欠選挙(定数1/2人) 

 新人同士の一騎打ちは女性候補が男性候補を破り初当選を果たしました。

 無投票の公算が強いと見られていた中で対抗馬が現れて選挙戦となりましたが、事前に立候補表明していた(と思われる)方が勝利。 しかし男性候補にも4割近い票が入っているのは、もしかして「女性候補はダメだ」という風潮が残っているのでしょうか。 そうは思いたくないですが過去にさかのぼって見ると2020年の町議選に共産の女性議員が不出馬となって以来の女性議員誕生となっております・・・


◎山口県・岩国市長選挙

 5期目を目指す現職に共産社民推薦の新人が挑む一騎打ちは現職が5選を果たしました。

 コチラは現職の圧勝です。 「今週の選挙」でも書きましたが現職は53歳で5期目、衆院議員経験も有り、岩国市が属する衆院山口2区は更に若い岸のぶちよ(←ひらがな表記で丁度良い)氏なので、参院議員の2人(ともに60代中盤)が抜けない限りは市長で当選を重ねるコトになりそうです。 さて、参院の2人が道を譲るのはいつになるのか、そして、その時にお声がかかるのか否か・・・


以上となります。
候補者の皆様の御活躍をお祈り申し上げます。




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