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メタバース本を3冊読んでみた ~リアル不要説の衝撃!~

最近、「メタバース」という言葉をよく聞くようになりました。わかったような、わからないような。以前も、セカンドライフとかあったなぁ、VRゴーグルはめて何かやるやつ?くらいの認識でしかなかったのですが、本もたくさん出てきたので、まとめ読みしてみました。

ネットには色々情報があるけど、どれも断片的。まとまった情報収集は、本(書籍)が強いです。しかも、複数冊まとめ読みが最強。本で知識を整理した後に、ネット情報に触れると、全体の中での位置関係がわかるので、理解しやすくなります。

今まだ3冊ですが、ある程度見えてきたので、感想をまとめます。

『メタバース』 -さよならアトムの時代- 加藤直人(著) 2022.4

『メタバース』 -さよならアトムの時代-

著者はCluster(クラスター)というメタバースのプラットフォームを運営している会社のCEO。Clusterは国内最大規模のメタバースプラットフォームです。

メタバースを作る側から見た、現在と未来。メタバースの考え方、今後の生活、社会の変化を予感させる本。印象に残っているのは、最初の序文

序文より
「メタバースは物理法則によって規定されていた限界を取り払うことができる。その時に価値を持つのは、現状認識して分析する能力ではなく、とんでもない発想を生み出す"妄想力"だ」

メタバースでは、あらゆることが可能になる。必要なのは妄想力
妄想すれば、現実になる。というのは今も昔も同じですが、メタバースではそのスピードがとんでもなく早まる。私たちの妄想力が試されている、ということ。

技術的な解説は殆どなく、一般人でも理解できる平易な言葉で読みやすい。メタバースの本を読むとしたらどれがいい?と聞かれたときに、最初にオススメしたい1冊です。

「タブレットで教育は周回遅れ」「すでに子供たちはオンラインゲームで遊んでいる。」という話から、"メタバース・ネイティブ"な子どもたちをイメージさせます。

ネットネイティブ、スマホネイティブの次は、"メタバース・ネイティブ"なんですかね。メタバースって、よくわからん、とか言っていると、パソコンが使えないおじさんみたいに、完全に過去の人になってしまいそうです。


『メタバース進化論』 -仮想現実の荒野に芽吹く「解放」と「創造」の新世界- バーチャル美少女ねむ(著) 2022.4

『メタバース進化論』 -仮想現実の荒野に芽吹く「解放」と「創造」の新世界-

著者はメタバース原住民。リアルな素性はわかりませんが、メタバース界では有名な方のようです。もはや人間なのかどうかも、よくわかりま。。。 (と思っていたら、著者ご本人からコメントがありました。note住人でもあるるので、身近に感じます)

メタバースは使うというより、住んでいるという感覚。メタバース原住民の「ねむ」さんが、メタバース原住民1200人にアンケート調査した結果など、国勢調査的な現地調査レポート。メタバースの中で、どんな生活をしているのか、淡々とレポートしています。

現在のメタバースは石器時代と言っています。技術的な制約があり、外の人から見ると、全然リアルには見えないけど、中の人は、これが自分たちが住む世界なのだと。可能性は無限。身体的、物理的制約から解放される!という魅力に浸っています。

これは、ネット初期の状況に似ています。空間と時間を超えられる、世界中が一瞬でつながる。ネットでモノを買う(EC)なんてずっと先と思っていたら意外に早く実用になった。
メタバースも10年もしないうちに、すっかり日常になっていても、不思議ではないんだな、と思わせます。

著者の「ねむ」さん、noteの住人でもありました。(↑)


『メタバース見るだけノート』 岡嶋裕史(監修) 2022.6

『メタバース見るだけノート』

こちらは読み物というより、軽い辞典のような本。見開き2ページで、メタバースの用語や概念が、どんどん押し寄せてきます。1冊目にこれを読むと、全体像がわからず迷子になる感じ。2冊目に読むと、概念のおさらいができて、ちょうどいい気がします。

印象に残った部分をピックアップすると、

リアルより上質な体験、自分で選べる世界
・リアルでは体験できないことが、できる
・居心地のいい世界を自分で選べる

リアル不要説
・仕事からプライベートまで、メタバースで完結する
・リアルに戻る必要性がなくなる(リアルいらない派)
・食べる、トイレに行く以外は全てメタバースに没入する人も出てくる
・没入感でリアルとバーチャルの境目はなくなる、脳は区別しない

リアルと同様の問題も発生
・犯罪も起きる。現在の裁判所、法律が対応できない
・メタバース内でも格差は起きる(新たな格差問題)

リアル不要説が出てくるのは、浸った人じゃないと出てこない感覚です。もう、好きとか、嫌いとか言ってる場合じゃない。メタバースが日常になる日がもうすぐ。。。

そんな驚愕の世界観ですが、本の表現自体は、淡々と用語解説みたいになっているところが、キャップ萌えします。


3冊に共通する未来

現在はまだ、メタバースと言ってもかなりマニアックな感じがします。普通の人が、簡単に使える感じじゃない。何が楽しいの?という人も多いでしょう。

しかし、技術はどんどん進化するし、メタバースの中で新しい世界が始まっているのも事実。「この世界に住む」と決めたメタバース原住民の存在、リアル不要説が出てくるあたりは衝撃的です。

身体性を伴う体験、これがメタバースならではの特長。体験なので、実際に体験してみないとその魅力はわからない。人間の脳はメタバースの体験なのか、リアルの体験なのか区別がつかない。現在は、体験してハマる人と、スルーする人に分かれそうです。

そして、メタバース原住民にとって、メタバース世界はバーチャルではなく、リアルなのだと。
そこでは、「人格」「人権」を持つことが絶対条件と言います。この世界で生きていく。そういう感覚なんだそうです。ゲームはリセットできるけど、メタバースにリセットはない、と。

メタバース普及のカギは、「メタバースで生きていく覚悟」

『メタバース進化論』 -仮想現実の荒野に芽吹く「解放」と「創造」の新世界-より

なかなか、凄い世界です。

私は、まだメタバースを体験したことがないし、覚悟なんて想像もできない。旧型のおじさん、ということで、よろしくお願いします。w


そうこうしているうちに、メタバースネイティブな子どもたちが、世の中を動かす時代になるんですかね。覚悟して、見守りたいと思います。


この記事を書いたのは、
もうそうビズ企画 代表 川原茂樹
https://mousoubiz.com/
https://twitter.com/mousoubiz


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