サイカ モトキ

福岡でブランディングのお仕事とアートを使ったワークショップや企業研修をしています。日々…

サイカ モトキ

福岡でブランディングのお仕事とアートを使ったワークショップや企業研修をしています。日々の気づいた点や自分の心の内をつらつらと書くことで、心のバランスを整えています。

最近の記事

鬼滅の刃とコロナウイルス。

久しぶりにnoteを更新。約8ヶ月ぶりのテーマはこれ。 鬼滅の刃の快進撃が止まらない。一方でコロナの状況がなかなか良い方向に進まない。まるで鬼滅の刃のような鬼と人間の長い戦いさながらである。 鬼滅の刃の爆発的な人気とコロナの状況が偶然に思えないほど一致しているのは、その因果に何かある気がしてならない。 コロナが発生する前からじわじわと鬼滅の刃の人気は徐々に上がってきたが、2020年コロナが本格的に日本を席巻してから、鬼滅の刃も社会現象になるほど爆発的な人気になった。

    • 革命は混乱の後に。

      動物たちはまずナポレオンの言い分を聞き、それからスノーボールの言い分を聞きましたが、どっちが正しいか腹を決められません。実は、そのときしゃべっているほうにいつも同意してしまうのでした。ー ジョージ・オーウェル 『動物農場』 -p61 山形 浩生 訳  早川書房 ジョージ・オーウェルの『動物農場』がずっと気になっていて、とうとうタイミングがきて読むことができました。 -動物農場の概要- 飲んだくれの農場主ジョーンズを追い出した動物たちは、すべての動物は平等という理想を実

      • 芸術は、自己告白である。

        オブセッションとカタルシスアートは「生きづらさを抱えた人たちの魂の叫び」なんて言ったら大げさでしょうか。私が美術館にいく理由の一つは、その魂の咆哮に触れるためでもあります。魅力的な作品には、作家の全人生の記憶が詰まっています。 『オブセッション』という言葉を聞いたことはありますか? この言葉の意味は強迫観念です、執念とも訳されます。人生の中で経験した強烈な体験や記憶。作家はオブセッションに苦しまされ、傷つけられ、そしてそれを克服するために作品を通して自分の内なる世界を現実

        • 気をつけ!前へならえ!!

          今回は備忘録として最近読んだ本の要約や共通点について色々と書いていきたいと思います。もしかしたら解釈にズレががあるかもしれませんが、出来るだけ事実に沿ってお伝えしたいと思います。 今話題の本を二つ紹介いたします。安宅さんの『シン・ニホン』と宇野さんの『遅いインターネット』です。 ざっくり私の主観で分けると、『シン・ニホン』は日本の経済、『遅いインターネット』は政治をどうするかという内容でした。 では、順番に紹介していきたいと思います。 シン・ニホンまずは『シン・ニホン

        鬼滅の刃とコロナウイルス。

          美術鑑賞を通して育まれる力

          つい先日、対話型アート鑑賞講座を開催しようと思いましたが、コロナのこともあり延期にしました。そこで今回はイベントでお伝えしようとしていた対話型アート鑑賞がビジネスや生活にどう繋がるかをいくつか紹介したいと思います。 振り返ってみると、私の対話型絵画鑑賞のワークショップや研修に参加してくれた方はこれまで延300人ほどになりました。その経験が何かの学びや気づきに繋がっていたら嬉しいですね。 前提として、私の目的はアートの楽しさを伝えることです。一度のワークショップでいくつかの

          美術鑑賞を通して育まれる力

          不完全が作る完璧なプログラムと多様性の話

          こんにちわ。コロナの影響が経済にもじわじわ効いてきてますね。日経平均も毎日下落して、この先どうなるでしょうね。。。そんな恐怖を覚えながら、思考停止状態の昨今です。毎週続けているnoteも今週は無理かなと思いましたが、今日ギリギリでなんとか仕上げました。 前回は不完全な線が作る完璧な線という内容のエントリーを書きました。不完全を内包することによって深い味わいがでるねって内容だったんですが、実は同じようなことが自然界にもあったなということを思い出したので、紹介したいと思います。

          不完全が作る完璧なプログラムと多様性の話

          不完全な『線』と『美』

          普段、美術を楽しもうと思うと、私の場合、絵画や彫刻、インスレーションの展示会へいくことが多い。しかし密かに最近はまっているのが、伝統工芸だ。テレビで見た日本工芸展のドキュメンタリーをみてぶち抜かれてしまった。福岡に巡回しているとのことだったので、先日福岡三越ギャラリーで開催されていた日本工芸展を見に行った。その時に感じた日本工芸の『美』について今回はぶちかましたい。 会場は撮影禁止なので、中の様子はお伝えすることはできないのだが、入場料無料で全国の珠玉の作品をみることができ

          不完全な『線』と『美』

          『最も個人的なことは最もクリエイティブなこと』

          映画『パラサイト』すごいですね、もう本当に歴史的快挙、映画史の大転換期がきたなと思いました。ということで、前半はパラサイトのアカデミー賞受賞がどのくらいすごいのか、そして後半は、パラサイトの監督、ポンジュノさんがアカデミー賞のインタビューで語った一言に注目して自分の意見を整理しました。「個人的なこと」はこれからの時代のキーワードかもしれません。 パラサイトの歴史的快挙先日KBCシネマにみにいきました。アカデミー賞受賞前にも関わらず、超満員で補助席が出ていたくらいの人気でした

          『最も個人的なことは最もクリエイティブなこと』

          アートを難しくしたのは誰だ!

          ミモザの季節です。屋上のミモザが見事に咲いていて、ビビットな黄色と澄んだ空のコントラストにグッと来るものがあります、春はもうすぐそこ。 前回、感性って一体なんだ?いう記事を書きましたが、今回は現代アートがなぜ難しくなったのか、そしてアートの価値は誰が評価するのかというテーマについて私なりに説明したいと思います。 現代アートの最高傑作・・・まずはこの写真をご覧ください。 男子便器です。この便器、20世紀・・いや、現代アートの最高傑作とされているんです。現代アートの様々

          アートを難しくしたのは誰だ!

          感性って一体なんだ?

          退屈だった美術館私が初めて海外旅行をしたのは大学生の時でした。行き先はニューヨーク。初めての海外旅行、まずは主要な場所を回ろうと、タイムズスクエア、ミュージカル鑑賞、NBA観戦、メトロポリタン美術館に行ったのを微かに覚えています。 当時の私はアートに無関心。有名な絵を目の前にしても、”あー、この絵、教科書で見たことあるわぁ・・・・以上ッ!! ” という有様でした。 とはいえ、なんとなくアートは気になる存在でした。 20代中盤になり、美術館に少しづつ通うようになってもよく

          感性って一体なんだ?

          正直に言うと、自分の進む道が正しいのかどうか全くわからない。

          私の仕事について今日は自分の仕事、そして心の内について書いてみたいと思います。かなり長いんですが、最後までお付き合いいただけたらとても嬉しいです。 久しぶりに人に会うと、大概「今何やってるの?」と聞かれます。 大きく分けると「ブランディング」と「アート」です。 以前会社勤めしていたときは「営業」の一言で十分に説明できたのですが、今は確かにちょっとややこしい。「デザイナー」です。って言えばきっと伝わりやすいのですが、自分で創るわけではないから「デザイナー」でもない。 企業

          正直に言うと、自分の進む道が正しいのかどうか全くわからない。

          アートが開く新たな世界

          はじめに呼子に行ってきました。 高台から眺める風光明媚な自然があると思ったら、玄界灘の荒々しい波が玄武岩を削ってできる七ツ釜という景勝地があったりと見所満載のスポットでした。玄界灘の終末観に圧倒されまして、岩に波が「ドガーーン、バッシャーーン!!」ってぶち当たるもんですから、頭の中で火サスのテーマが響き渡っていました。終始一人で「うわー、やっばー」など独り言を申して歩き回っていました。 多くのアート作品を見ていく中で、自然に対して以前よりも心を動かされることが明らかに多

          アートが開く新たな世界

          何かを始めることに遅いということはない。

          新年明けましておめでとうございます。旧年中にお世話になりました皆様、本当にありがとうございました。本年もどうぞ宜しくお願いします。 今年の年賀状は様々な意味と想いを込めてこちらのデザインにしました。今回はこちらの絵画の説明や今年の抱負などを書いていきたいと思います。 印象派はフランス美術界の反逆児?モネ、ルノワール、セザンヌ、ゴーギャン、ゴッホ、皆さんも一度は聞いたことや見たことがあると思います。日本で一番人気の印象派の芸術家たちです。 今でこそ世界的に認められてい

          何かを始めることに遅いということはない。

          「じいちゃん」と「石ころ」と「感性」と。

          アートって何だろう?数年前までアートと言えば、難しいものだと思っていた。アートって言葉自体が何だか敷居が高くて鼻持ちならんと思っていた自分。そんな自分が、数年後にアートに魅了され、アートの楽しさを伝える側になっているとは誰が想像しただろうか。 私を魅了し、翻弄し、時に表情を変え、人生に大きな意味を与えてくれる存在。 アートはアートのみでは、この世に存在できない。アート作品があり、鑑賞者がいて、初めてアートは成り立つ。アート作品と鑑賞者の相互のコミュニケーション、この一連の

          「じいちゃん」と「石ころ」と「感性」と。

          Deep Travel@Singapore&Vietnam

          10年数年ぶりにアジアトリップに行ってきました。 以前と変わっとことと言えば、ひとつ。 旅行にアートの視点が加わったことです。 美術館を回ると、その国の大切にしたいものや美意識を体感することができます。表層には現れないその国のメンタリティや文化芸術を重層的に知ることで、よりその国を味わえる気がします。 ディープトラブル。 しっかりと観て、感じて、考えて、自分の記憶や知識と繋げて、脳内スパーク。 【シンガポール】 博物館では、シンガポールの歴史をまるごとインストール

          Deep Travel@Singapore&Vietnam