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Deep Travel@Singapore&Vietnam

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10年数年ぶりにアジアトリップに行ってきました。
以前と変わっとことと言えば、ひとつ。
旅行にアートの視点が加わったことです。
美術館を回ると、その国の大切にしたいものや美意識を体感することができます。表層には現れないその国のメンタリティや文化芸術を重層的に知ることで、よりその国を味わえる気がします。

ディープトラブル。

しっかりと観て、感じて、考えて、自分の記憶や知識と繋げて、脳内スパーク。

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【シンガポール】

博物館では、シンガポールの歴史をまるごとインストール。日本の植民地支配の深い傷。にも関わらず、戦後の成長戦略は日本の戦略を取り入れるという超クレバーな国。

シンガポールの街は様々な顔を見せてくれます。
中華街の真横にヒンドゥー教の寺院があったり、気づくと周りにいる人が中華系からイスラム系に変わっていたり。狭い地域の中に、多民族、他宗教が共存している奇跡がそこにありました。

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「成果合理主義という宗教」がシンガポールの人と思想を束ねているようです。「成長がすべて。」大臣の報酬はGDPと連動しています。

東南アジア最大のモダンアート美術館、ナショナルギャラリーシンガポール。

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シンガポールのコンテンポラリーアートの特徴は、西洋美術の技術様式の上に、オリエンタルでトロピカルな風景が気持ちよく融合しています。

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もちろん社会主義の世間を反映したリアリズム的な作品もあり。アジアンアートにとって社会主義は切り離せないテーマですね。

シンガポール特有の表現は近代化や都市化の風景画です。急速に都市化が進み、建物が立っていく様子を表現している作品が多くありました。従来の風光明媚な眺めが少しつづ人工物に変わっていく過程で生じる悲しさと成長の狭間にある言い知れぬ感情が作品を通して伝わってきました。

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街中を歩いていると感じるんですが、シンガポールって建物と植物のバランスが絶妙なんですよね。たぶんこれは、都市化のの中で感じた自然への愛着がそうさせているんだろうなと思いました。

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【ベトナム】

ベトナムというと赤(土色に近い)と緑のイメージありませんか?私だけですかね?
とはいえこの色の組み合わせは町中に見られます。看板や家の屋根に。
これは社会主義国特有の色彩感覚なんだろうなと思っていましたが、恐らく他にも理由がありそうです。

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美術館に行ってみると、古来からベトナムの美術品は赤みが強い。美術品のマテリアルはほぼ木なんですが、そこに漆を塗って仕上げると茶色がかった赤になります。

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Lacquer painting(漆絵)がベトナムの伝統的な絵画手法ですが、やっぱり赤い。モチーフは自然がと人が多いです。そのため自然の緑、そして木からくる深い赤。

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たぶん、これが国のイメージカラーに影響を与えているのだと思います。もっと時間があればベトナムをもっと掘りたかったのですが、今回の旅はここまで。

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今回の旅では、アジアアートの魅力をとても感じました。福岡にはアジア美術館がありますので、旅をすることで、また国内のアジアアートへの視点も変わりそうです。

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