【ルーツ旅🌺実家の謎の解明⑨】先祖を許し、悲しみを喜びに変えるには🌈✨
▼なぜ自分がここに存在するかがわかった
こうして、私はルーツ探しをするうちに、自分の出生の秘密と言っていいものにたどり着きました。
「自分がなぜここにいるのか」という問いへの答えを見つけたのです。
それは言いかえれば、先祖がしたこと(原因)と自分の存在(結果)とのつながり=因果関係が見えたということです。
▼ひどい先祖の存在を、どう受け止めればいいのか
しかし、先祖がひどいことをした結果、私が生まれたという事実は、あまり気持ちのいいものではありません😥
それを知ったとき、私は悲しくて、つらくてたまりませんでした。
そこで私は、ルーツ探しの師匠である田村さんに助けを求めました。
田村さんは、家系調査だけでなく家系分析にも詳しく、取引先の経営者にアドバイスをすることもあるそうです。彼は以前、こんなことを言っていました。
▼過去のことは変えられない
久々に会った田村さんは、私の話をじっくり聞いてから、こう言いました。
「当たり前の話だけど、自分の先祖だからって、いい人とは限らない。中には、先祖が犯罪者ってこともあるかもしれない。
椿ちゃんのひいおじいさんのせいで、お母さんがつらい目にあったことはわかるけど、それは今さらどうしようもない。あったことは変えられないんだから。
変えられるのは、これからの未来だよ。大事なことは、椿ちゃんが先祖の悲しみや苦しみを自分の代で断ち切り、喜びに転換することじゃないかな」
田村さんによると、これは「悲喜転換」という家系分析の考え方だそうです。より具体的にいうと、
▼負の連鎖を断ち切り、前を向く
田村さんは続けました。
「家系の罪は、自分たちの代で断ち切る。先祖の悲しみや苦しみを、自分の喜びに変える。
そう強く決意することで、ようやく先祖から続いた負の連鎖が断ち切られて、前を向くことができる。
また、そうすることで、これから自分がすべきこと、つまり使命が見え、新しい人生を始めることができるんだよ」
▼祖母の過ちを繰り返さない
私は、祖母と曽祖父の悲しみや苦しみについて考えました。
なぜ彼らは、あんなことをしなくちゃいけなかったんだろう。
まず、祖母について。
祖母が母を虐待したのは、戦争という時代のせい。また、曽祖父によって植え付けられた「女は役に立たない」という悪意ある言葉のせいでした。
確かに、祖母がしたのはひどいことですが、まわりに誰も味方がおらず、たった1人で悲しみと孤独に耐えざるを得なかったことを思うと、祖母が可哀そうになり、恨むことはできないような気がしました。
色々考えて、私は、祖母を許すことにしました。
ただし、祖母がとらわれていた差別意識、つまり男性のほうが優れていて、女性は役に立たないという差別意識を、私は決して持ってはいけない、そう思いました。
たとえ将来、娘が孫を産んだとしても、私が男の孫を優遇するなんてことはしてはならない。そんなことをしたら、私は、先祖が犯した罪を繰り返すことになってしまうから。
そうでしょう? おばあちゃん。
▼曾祖父の過ちを許すには
それでは、すべての元凶である曾祖父についてはどうでしょうか。
第二次A教事件が起きたとき、曽祖父は本来、家長として家族を守るべき立場にありました。
それなのに、「あれは自分のせいではない、A教から来たヨメが悪いんだ」と言い訳をして自己保身に走り、祖母に責任をなすりつけたことから、悲劇の連鎖が始まりました。
そのときの曾祖父の無責任な態度が、その後、80年以上もの長い間、うちの家系に負の影響を与えることになったのです。
これを正当化する理由はどこにもありません。すべては曾祖父の心の弱さが元凶だったのだから。
許せない。
そう言いたくなります。
でも、考えてみれば、私は曽祖父を断罪できるほど立派な人間でしょうか。
私だって心が弱い。私だって臆病で、いつも正しい判断を下せるわけじゃない。自分も似たようなものなのに、曽祖父のしたことを責められるんだろうか。
あの事件のあと、曽祖父は、偉大なご先祖を訪ねるための旅を重ねるようになりました。何年も何年も、自分のルーツを探す旅の中で、膨大な量の短歌を詠み、そこには心の葛藤、悩み苦しみが表れていました。
曽祖父も、つらかったのです。
きっとあの事件で、自分が信じていたことすべてが否定されたような気持ちになり、自分の心を守るために、同じA教の信者であった祖母を攻撃せざるを得なかったのでしょう。
私は、曽祖父を許すことにしました。
実は、私が曽祖父のしたことを知って悩んでいたとき、心のどこかで曾祖父の声が響いたような気がしたのです。
その声は、こう言っていました。
きっと曽祖父は、自分のしたことを悔やんでいたのだ。
そう思ったとき、私は曽祖父を許せるような気がしました。
大事なのは、曽祖父のした過ちを繰り返さないこと。
これから先、もしあの事件のように、自分の根幹を揺るがす大事件が起きたとしても、私は曽祖父のように逃げたりせず、誰かのせいにすることもなく、心を強く持って対峙しよう。
私が正しいことをすることで、これから先、私だけでなく、私の子孫の未来も明るいものになるはずです。これがきっと、田村さんのいう「悲喜転換」なのでしょう。
こうして私は、曾祖父の代から続いた負の連鎖を、私の代で断ち切ったのでした。
(おわり)
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サポートありがとうございます! 近々、家系図のよくわからない部分を業者さんに現代語訳してもらおうと考えているので、サポートはその費用にあてさせていただきます。現代語訳はこのnoteで公開しますので、どうぞご期待ください。