中條永味子

日本プロダクトに特化した展示・即売会MONO JAPANをオランダ、アムステルダムで主…

中條永味子

日本プロダクトに特化した展示・即売会MONO JAPANをオランダ、アムステルダムで主催しています。ヨーロッパの流通の中心地、非常に合理化されたこの国で、欧州人の憧れを集める日本のモノって何か、SDGs時代に何をどう作り生きていくのか。オランダの日々の考察や色々を綴ります。

最近の記事

MONO JAPAN、オンライン化

日本プロダクトに特化した展示会MONO JAPANをオランダ、アムステルダムで運営する私たちは、最近活動の場をオンライン上に変え、ビジネスも文化事業も、来年開設のプラットフォームも、心も体もオンライン漬けの日々です。 コロナの状況を見つつ2021年2月の展示会開催が可能かと模索していましたが、秋頃からのヨーロッパのコロナ感染拡大によって「もう実イベントの開催の可能性はあてにできないな」と腹を括りました。 こうして、コロナが落ち着くまでは実イベントは行わずオンラインでの様々

    • 持たない生き方。作るだけの生き方。

      久々のnote復帰。MONO JAPANの来年2月の開催をめぐり調整や対話、そしてオランダの認知症介護についての翻訳プロジェクトの締め切り、また自宅のリノベなど、自分のコアの生き方&仕事に集中した7月だった。それはそれで、大切な時間であり、素敵なことだった。 私は、自分とは違う人生の生き方、捉え方をしている人、その中でも勇気ある人や美しい何かを作る人が大好きだ。今日はオランダ人のアーティスト、ポール・ベウマー(Paul Beumer)さんとの出会いについて文章化したくなった

      • 私のニューノーマル、オンラインセミナー

        サーキュラーバイオエコノミーを推進するめぐりわさんにお誘いいただき、初めてオンラインセミナー登壇者となりました。予想以上の人数の方々にお聞きいただけて、本当にありがたいですーーー。 私は、環境活動家でもジャーナリストでもSDGs専門家でもない。一オランダ市民としてオランダで20年生き、働き、MONO JAPAN主宰し、自分なりのエコシステムやネットワークを築いてきた者として、オランダのリアルができるだけ伝わるように、日本との差や違いがクリアに見え、何かヒントとか課題とかひら

        • オランダのムール貝はサステイナブルか?

          明日5月28日の日本時間20時より、めぐりわさん主催の特別セミナーに登壇いたします! ここではSDGs、サーキュラー、ニューノーマルなどのキーワードのオランダでの状況をお話しします。 目下準備中で、情報収集が止まりません。するとこんな記事を発見。 オランダのムール貝はどれだけサステイナブルか? オランダのサステイナブル関係のメディアDuurzaam bedrijfslevenの今日の記事です。 オランダではゼーランド産の今年初のムール貝が、今週から店舗に出始めます!楽

        MONO JAPAN、オンライン化

          オンデマンドでローカル生産、欧州ファッションのサステイナブルなソリューション

          EU委員会では4月16日、今後は欧州はますますグリーンエコノミーを進めていくことを発表、この中で「企業の物流チェーンの短縮化の必要性」にも触れています。 そしてオランダでは本日4月29日、サステイナブルな衣料生産プラットフォーム企業「Ziel」が、ヨーロッパ展開のため400万ユーロの資金調達をしたとの報道がありました。 オランダではファッション業界のサステイナブル化はいろいろな取り組みが進んでいて、素材の開発なども進んでいます。今日紹介するZielが面白いと思ったのは、以

          オンデマンドでローカル生産、欧州ファッションのサステイナブルなソリューション

          コロナ時代のオランダ文化芸術セクター

          日本のメディアでも、各国の文化支援と日本を比較する記事などを見かけます。ドイツはコロナ時代で国の支援や姿勢が素晴らしいことが目立っていますね。隣国ながらドイツは本当にすごいなーと思います。オランダは、オランダ人にとって実行が可能で納得がいく、独自の対策(本ブログ最後尾の*をご参照ください)を打ち出しています。 さて、オランダの文化支援ですが、政府は4月15日文化セクターに対する3億ユーロ(約350億6,300万円)の追加支援を決定しました。 一般的な経済支援は、個人事業主

          コロナ時代のオランダ文化芸術セクター

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          日本プロダクトに対するヨーロッパのリアクションを写真で見てみる。MONO JAPAN 2019より。

          日本プロダクトに対するヨーロッパのリアクションを写真で見てみる。MONO JAPAN 2019より。

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          続き、未来のモノづくり

          前回は、日本の将来的なモノづくり、製造業では、世界の各地域でのローカライズが、自分の現在のアイデアであると書きました。 日本でもすっかりお馴染みになった3Dプリンティング。日本の陶磁器業界でもすでに結構活用されています。 欧米では、3Dプリンティングのオンラインサービスを提供するウェブサイトがいくつもあります。アムステルダムに本社を持つ3D HUBSもその中の一つです。デザイナーらがデータを3Dプリンティング会社のウェブサイトへ送り、3Dプリンターで製造し、デリバリーされ

          続き、未来のモノづくり

          未来の世界とモノづくり

          今までの投稿はデータ的な話や欧州のアイデア、状況などが多かったので、今日は自分の考え(妄想?)を書いてみました。 私たちはどんな世界にしたいのか。 どんな社会で生きていきたいのか。 世界の至る所で、経営が厳しいとの声が上がっています。これから、どんな業界が今の状況を生き延び、どんな業界が厳しくなるのでしょう。私も毎日めちゃめちゃオランダや世界のニュースをウォッチしています。 コロナウィルス流行を、現代社会への警告だと多くの人が受け止めています。 私たちは、欲望のままに世

          未来の世界とモノづくり

          コロナ時代のショッピング、ドライブインでお花を買おう

          風車とチューリップ、そんなイメージのオランダですが、それ、本当です。 オランダは世界で出回る花のうちの44%がオランダ産、特に球根類は77%がオランダ産という花の国。毎年2月半ばから花が咲き始め、3月末からは花の公園「キューケンホフ公園」が開園し、世界中からの観光客を迎えるシーズンです。 今年はこの花のシーズンにコロナウィルス感染拡大で、花の栽培業者は大打撃を被っています。せっかく綺麗に咲いた花の多くは破棄処分されるという悲しいニュースが多く報道されました。 しかし誰も

          コロナ時代のショッピング、ドライブインでお花を買おう

          オランダ / コロナでシフトする経済活動

          現在感染者総数6412名、これまでの死者総数356名、オランダは小国なので日本では報道されませんが、九州と同程度のサイズの国で、ドイツよりも死者の総数が上回っています。 今日はそんなオランダでのコロナ対策と経済への影響、Eコマースやミュージアム、不動産など様々なセクションの動きをまとめてみました。 これまでのオランダ政府のコロナ対策 オランダでは3月15日(日)、ルッテ首相のコロナウィルス感染拡大対策を発表、そこでは学校と飲食店の4月6日までの閉鎖、可能な限りリモートワ

          オランダ / コロナでシフトする経済活動

          コロナウィルスは、欧州消費活動を変えるきっかけとなるか

          3月15日はオランダにとって全土的に 「自分たちにとってコロナウィルスの脅威は対岸の火事ではなく、皆が節度を持って乗り越える危機的状況なんだ」 と真に理解した日になりました。 以下が3月15日の政府のコロナウィルス対策です。 オランダ政府はすべての学校、保育所を閉鎖することを決定、またバーやレストランなどの飲食店やホテル、スポーツ施設も本日日曜日18 時をもって閉鎖、この措置はは4月6日まで続く。 学校も基本的に閉鎖、ただし医療、介護、警察、消防などの重要なセクターで

          コロナウィルスは、欧州消費活動を変えるきっかけとなるか

          オランダのSDGs

          先日、日本の友人・同業者(展示会主催)が、 「日本ではSDGsって企業目標として取り上げられたり話題だけど、すごく硬い印象で、面白くなさそう。自分たちの展示会でもテーマとして取り上げてるけど、なんだかインスピレーションわかない。」 と語っていました。 オランダに住んでると、SDGs的な社会の動きは以前からすでに存在し、意識が広く浸透していく速度は増していたので、大きなシフトチェンジは感じませんでした。 様々な規制は確かに厳しくなっています。高速道路の最高速度はオフィス

          オランダのSDGs

          ヨーロッパで売れるの?(家具・陶磁器・服編)

          MONO JAPANの第5回目となる今年8月末の出展募集が開始しました!展示会会場がこれまではホテルだったのを、今回から新会場に移転するため、募集要項の取りまとめは大変で、なかなか更新できませんでした。 日本の商品の生産者さんやブランド、メーカーさんは販路を拡大すべく、ヨーロッパにもお越しになっています。私たちMONO JAPANもその中の一つなんですが・・・、 さて、今の時代のヨーロッパ、どんなものが売れるんでしょうか? 私が「これは売れる」と断定はできませんが、マー

          ヨーロッパで売れるの?(家具・陶磁器・服編)

          SDGs時代のモノづくり、欧州販路開拓、等など、オランダから。

          オランダで日本プロダクトに特化した展示・即売会「MONO JAPAN」を主催する中條です。20年近くこちらで暮らして、現地の広告代理店でデザイナー、日系企業勤務などを経て、2015年から個人事業主となりました。 今年2020年から、5年間ヨーロッパで日本プロダクトの展示会運営をしてきて得た経験や知識、流れの速い欧州マーケット動向、こちらのクリエイターや起業家たちの働き方、などなど日本のモノづくりやデザイン、欧州市場や文化の理解につながるようなテーマで書いていこうと思っていま

          SDGs時代のモノづくり、欧州販路開拓、等など、オランダから。