見出し画像

続き、未来のモノづくり

前回は、日本の将来的なモノづくり、製造業では、世界の各地域でのローカライズが、自分の現在のアイデアであると書きました。

日本でもすっかりお馴染みになった3Dプリンティング。日本の陶磁器業界でもすでに結構活用されています。

欧米では、3Dプリンティングのオンラインサービスを提供するウェブサイトがいくつもあります。アムステルダムに本社を持つ3D HUBSもその中の一つです。デザイナーらがデータを3Dプリンティング会社のウェブサイトへ送り、3Dプリンターで製造し、デリバリーされるんですが、世界展開している会社だと、世界数カ国*の提携工場で製造しデリバリーができるんです。これによりより広い地域の顧客からの受注が可能になります。
*3D HUBSは主に北米と欧州、中国、インド

3Dプリンターでの製造は以下のようなメリットがあります。

・コストが透明(素材費、製造費、データの修正やコミュニケーション費用くらい)
・アクセスが簡単
・データの修正により精度を高めることが容易
・製造業で求められる機械や金型などのリスク回避
・世界各国に提携工場があることで、輸送が不要で効率的
・リサイクル可能な素材など、適用素材を増やすことで技術も環境への影響も向上する

3Dプリンターでできたモノは素材もまだ限定されているし、確かに作りも荒いです。しかしアイデアを一定額のみリスクなしで実現できます。必要な数だけ、生産することができるようになります。

ロット数増やして単価を下げる、というこれまでの日本の製造業のスタイルとは、違う考え方です。

「じゃあどこで儲けるの?」という声がすぐに聞こえてきそうですが、去年発売され人気だった甲斐香さん著「ほどよい量をつくる」のような形は、やはり現代的なのだと思います。

で、未来は・・・

私はアフターコロナは人の価値観や消費活動は変わるのではと思っています。

オランダ人のトレンドセッターのリー・エーデルコートも言ってますが、今現在ファッションは一番人が削りたいコストでしかなく、年に6回のコレクションを発表するの必要がなくなり、「私たちが生産し、着飾って消費する方法を完全にリセットする」のではないかと語っています。

今はコロナで消費活動も飲食業も止まっているけど、その後には日本の伝統工芸をした時にした生産や職人の存在などが、もっと社会にインパクトを与えたりするかもしれません。

しかし同時に未来は「日本から世界へ商品を輸送する」ことの環境への負荷はより厳しく問われると思うので、日本のモノづくりはその知識や技などの輸出を基盤にした、新しいビジネスやインフラ作りが必要なのではないでしょうか。

今のところ気に入っているアイデアが、世界各国ではローカライズ(地域化)された、メイドイン”その国”の、日本オリジンの製品を生産するというものです。

海外の現地の素材とパートナーの工場と提携し、技術を教え、一緒に精度を上げていき、その国で生産された「日本オリジン」の商品を生むのです。

きっと海外生産だと日本国内生産の製品より精度などが確実に劣ります。素材的にもベストなものがないかもしれません。しかし「日本オリジン」の商品が、世界中でより安価で流通が広がっていくことで、日本国外ユーザー数が広がっていきます。商品には、元祖である日本国内オリジナル商品の技術や背景のストーリーも一緒に冊子か何かでパッケージにします。こうして潜在的消費者層は世界で拡大していきます。

いろんな国で「日本オリジン」のその商品を購入したユーザーが気に入ったら、「じゃあオリジナルってどんなにすごいんだろう?」と興味を持つでしょう。もちろんECサイトでいつでもオリジナルの販売も同時に行います。

まあちょっと夢のような話ではあります。かなり大変そうです。でも私はオランダのメーカーも日本のメーカーも知っているので、頑張れば小規模で始められそうにも感じるのです。

私自身がメーカーではないので、モノづくりの大変さや厳しさ、素晴らしさを理解しきれていないと思いますし、上記のようなアイデアは、なかなか非現実的でしょう。

それでもなお、SDGs進行中でしかもコロナの2020年の私たちは、これからの世界とモノづくりの未来のあり方に対し、サーキュラーで持続可能な在り方の模索を始めないといけないんではないかなーと。

そんなこと言いながらも、2021年2月のMONO JAPANはちゃんと開催できるといいなあ!と切に願っています。

(トップの写真は、原料の栽培から生産まで全て機械を使わず自分たちで行う、島根県の石州和紙です)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?