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未来の世界とモノづくり

今までの投稿はデータ的な話や欧州のアイデア、状況などが多かったので、今日は自分の考え(妄想?)を書いてみました。

私たちはどんな世界にしたいのか。
どんな社会で生きていきたいのか。

世界の至る所で、経営が厳しいとの声が上がっています。これから、どんな業界が今の状況を生き延び、どんな業界が厳しくなるのでしょう。私も毎日めちゃめちゃオランダや世界のニュースをウォッチしています。

コロナウィルス流行を、現代社会への警告だと多くの人が受け止めています。

私たちは、欲望のままに世界の珍しい商品をネットで見つけて購入することができます。飛行機や列車でとても簡単にスピーディーに旅することができます。効率化された生産で少しでも多くの利益を生むため、賃金の安い国に工場を作り、大量に商品を生産することができます。

こんな現代の便利さを享受しつつ「本当にこれで大丈夫なの?」と、実は多くの人が感じていたのではないでしょうか。

歴史学者で「サピエンス全史」著者のユヴァル・ハラリ氏も語るように、欧州でも多くのデザイナーや知識人ら、新聞紙面などで「コロナウィルス後の世界」というテーマが語られ始めています。

アフター・コロナの日本のモノづくり

コロナウィルスの世界的な感染拡大が進む現在の私たちにとって、今をどう乗り切るかは最重要課題です。またその後の世界を考えることも、同時にとても重要です。

「アフター・コロナの世界」というテーマは、MONO JAPANに出展されるような大勢のメーカーさんや職人さん達、製造業全体にも大きく関わるものです。何故なら、この機会で必ず多くの人が、自分の消費に関して考えることになるからです。消費行動も、消費の対象も、大きく変化する可能性があります。

私がMONO JAPANという展示会で紹介したい!と思ってきたのは、美しく使いやすく作られた、リアルに存在する「商品」、「物」です。

使い勝手の良い美しいテーブルウェアや調理道具、味わい深い生地、ユニークなデザインの洋服やバッグ、靴、ショール、素晴らしい技術と材木でできた家具、様々な素材の花瓶・・・などなど、生活をレベルアップし長く付き合える暮らしの道具、そんな商品をヨーロッパで紹介してきました。

そんな素敵な日本プロダクトを好む方はヨーロッパでも増えていました。日本に注目が当たり、より多くの人が日本プロダクトへの需要は拡大しています。しかし同時に、時代はSDGsに突入し、そしてコロナウィルスです。

これからの世界では、海外販路拡大の考え方も、推奨されないものになっていくかもしれません。船や空輸便を利用し環境に負荷を与えながら、世界の裏側まで製品を運んで消費させることに対する視線が、厳しいもの変わる可能性はあります。

世界の人口増加にストップがかかり、多くの国で充分にモノが行き渡っているこの時代に、例えば電化製品のように毎年新製品を発表し、数年で壊れ、修理するよりも新品を買ったほうが安い、なんていう製造システムは今後は見直されないといけないでしょう。

MONO JAPANを運営しつつも、欧州での暮らしや社会を通じて湧き上がるのは、「素晴らしい日本製品を、欧州に持ってくることの影響」をいつも忘れずに考えることです。

素敵だからって、持ってきちゃっていいの?
そのために現地にあるメーカーの仕事が減ってもいいの?
たくさんの輸送手段を使用して環境に負荷かけてまで必要なの?

自分たちの展示会運営を否定するような問いですが、欧州の場合は上記のような問いを自分たちに向けられる時の準備は、常に必要です。

外のモノに対する変わらぬ欲望

上記の問いの反面、オランダが17世紀に東インド会社を作りアジアの珍しいものをたくさん欧州に持って帰り流通させ世界一の繁栄を築いたように、人類の歴史ではこれまずっと、他の地域の珍しいものを発見し、それに価値がつき、みんなが欲望を覚え、手に入れてきた繰り返しも忘れてはいけません。

日本人の私たちが、一度知ってしまったイタリア料理やクロワッサンの味を忘れられないように、欧米人に取っても一度知った日本の味やものの魅力も、知らなかったことにはできません。

きっと「新しいこと、自分たちの文化外のものへの欲求」は悪ではなく、人間全体の正常なドライブ、モチベーションなのでしょう。

オランダで暮らしでMONO JAPANを通じて多くの日蘭のデザイナーやクリエイター、メーカーさんや職人さんと付き合いを重ねてきて、ここ最近私に生まれた考えは

「日本のモノづくり技術のローカライズ」が、将来的に必要なのでは、ということです。

日本の職人さんなど高品質な製造技術を持つ人々が、海外の各地域で現地のリソース(素材や機械など)で最大限にローカライズ(地域化)されたプロダクトを生み流通させ、そのことで日本の伝統工芸や職人さん、メーカーさんなどにもきちんとお金が入るようなシステム。

世界各地でのローカライズにより、世界に貢献でき、未来的でサステイナブルなモノづくりの在り方を作っていけるのではないでしょうか。

日本のモノのローカライズ・アイデアに関しては、次回に続きます!

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