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ヨーロッパで売れるの?(家具・陶磁器・服編)

MONO JAPANの第5回目となる今年8月末の出展募集が開始しました!展示会会場がこれまではホテルだったのを、今回から新会場に移転するため、募集要項の取りまとめは大変で、なかなか更新できませんでした。

日本の商品の生産者さんやブランド、メーカーさんは販路を拡大すべく、ヨーロッパにもお越しになっています。私たちMONO JAPANもその中の一つなんですが・・・、

さて、今の時代のヨーロッパ、どんなものが売れるんでしょうか?

私が「これは売れる」と断定はできませんが、マーケットと現地の消費動向、暮らし、欧州内エリアごとの違い、販売方法の課題、などなどを知るべきことがたくさんあると思います。

基本的条件には日本でヨーロッパのものを購入するのと同じで、輸送費や関税(現在削減も可能になってますね)、様々な手数料などのため、日本の商品は、価格が現地のものより高額になります。

項目的に書いてみます!

家具

価格か、デザインか、素材か、日本の家具を買う理由と価格のバランス次第だと思います。高額だが日本製で高い日本の技術が見え、デザインも欧州ブランドとの差異がある場合、時間はかかると思いますがインフラ整備次第で勝算はあると思います。

現在日本的な室内空間などが欧州のクリエイターを刺激しているので、和室をどこでも組み込める、木の組み立て式のお風呂、畳の展開方法、などは可能性を感じます。デザインは重要なので、ヨーロッパのメーカーやクリエイターと組めるといいでしょうね。

陶磁器

食器は、日本ほど食器が多様で豪華な国はないと、まず認識が必要です。ヨーロッパでは平たい磁気のプレートを使用することが多いのは、フォークとナイフの食文化ですので、陶器だと表面が傷ついてしまうからです。北ヨーロッパ(オランダ、ドイツ、スカンジナビア)は食生活も合理的な歴史があり、食器は普段使いのものにはお金をかけません。フランスやイタリア、スペインなどは、各地域の食器が使われます。どの国も食洗機で洗えるものを使用します。来客時やクリスマスなどの際には高価なテーブルセットと使用します。

日本の器文化の魅力は徐々に浸透しています。作家ものの器ファンもいますし、アンティークのコレクターも多く存在しますが、私は以下をお勧めします。

A. ヨーロッパで求められるテーブルウェアを徹底リサーチしブランドづくり
B. 作家ものは、器でなく、大きなアート作品を(家が日本より大きいので、インパクトのあるオブジェの方が需要がある)
C. 現地の陶磁器メーカーとコラボし、欧州製品を作る?

Bで書いている”日本とのサイズ感の違い”は再認識の必要ありです。例えば日本は一輪挿しの花瓶が多いですが、こっちでは売れません。大きな花束をバサッと豪快に入れれる、大きな花瓶の方が需要があります。(トップの写真はお花屋さんで、家や庭の大きな空間に映える鉢や花瓶が、ガーデン用インテリアとともに豪華にスタイリングされていました)

Cは、私が最近よく考えているテーマです。これについてはまた改めてじっくり書きます。

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洋服

ファッションは非常に面白い時代を迎えています。高級ブランドとファストファッションの二極化で、ヨーロッパでも高級ブランドを購入し転売する方が増えています。「同時に新しい服を買わない」ムーブメントもじわっと起こっています。ファストファッションについての議論の機会は多く、子供にそういうお店で買い物しないように教える親も多いです。ここで日本のブランドの場合、有名ブランド以外に、伝統的な製法に根ざしたスローファッションのカテゴリーは、かなり伸びしろがあるのではないか?と思っています。

「何に価値を見出しお金を払うか=自己実現」となった現代、エシカル的に納得のいかないファッションブランドにお金を払うことを好まない欧州人は増えています。日本には、藍染や泥染め、織りなど、地域と根付いた伝統的なテキスタイルやパターンを現代的なファッションに落とし込めているブランドがいくつもあり、彼らの高いセンスとビジネスとして維持できていること、これは世界的にも稀なことだと思います。SNSで世界中に多くのファンが彼らの世界観に出会えるようになったことがカギでしょう。

ただひとつ、形(パターン)やサイズは日本の方と体型が大きく違うので、ヨーロッパ人に合うサイズやフォルムの研究は大切。それとテキスタイルは関税が高いので、関税免除になるような努力は非常に重要です。

ファッションにおけるサステイナビリティーに関して、3月18日に東京でお話をすることになりました!

長くなったので、今日はここまで。次回があまり先にならないように、他の項目についても書いていきたいと思います!


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