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MONO JAPAN、オンライン化

日本プロダクトに特化した展示会MONO JAPANをオランダ、アムステルダムで運営する私たちは、最近活動の場をオンライン上に変え、ビジネスも文化事業も、来年開設のプラットフォームも、心も体もオンライン漬けの日々です。

コロナの状況を見つつ2021年2月の展示会開催が可能かと模索していましたが、秋頃からのヨーロッパのコロナ感染拡大によって「もう実イベントの開催の可能性はあてにできないな」と腹を括りました。

こうして、コロナが落ち着くまでは実イベントは行わずオンラインでの様々な機会創出に集中しよう!と本格的にオンラインに舵取りをすることになり、今に至っています。

展示会運営に代わるオンラインの機会としては、まだままヨーロッパでは少ないオンライン受注会という形態で、「MONO MONTHLY(モノ・マンスリー)」という毎月開催の受注会イベントをスタートすることになりました。

毎月1メーカーにハイライトを当て、オンライン上で商品やメーカーさんの紹介を丁寧に行い、ヨーロッパを中心としたお客様がサイトから商品注文、そこでお支払いいただきます。メーカーさんはその後日本から受注分の商品のみを発送するという仕組みです。

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コロナがなかなか落ち着かないヨーロッパでは、ショッピングが本当にオンラインに移行した感じがあります。またコロナ下の生活は、私たちの考え方や価値観、消費活動に多くの影響を与えました。

新しい時代の流通

MONO JAPANもオンラインで何かを作ろうとした時、ほとんどの事柄がオンラインに移行したヨーロッパでは、これまで展示会運営で経験した数々の問題点が、なんだかとても古臭くて取り除かれるべきことに思えてきました。

余剰生産や海外輸送によって、無駄にお金や材料、労力が費やされるシステム。

輸送による環境負荷。

海外商品受け取り時に発生する、消費者への直接課税。

などなどなど。

これらたくさんの無駄を排除し、スマートにオンラインのサービスで価値を丁寧に伝えることで、良いものに出会っていただける機会が作れたら!

SDGs時代には技術も価値も流通するモノも仕組みも、これからどんどん変わる可能性があります。ヨーロッパに住んで長い日本人のMONO JAPANチームも、ここはどんどん大胆に新しいコトや方法を試してみようと考えました。

これからの未来は自分たちで作っていけます。私たちMONO JAPANは日本の素敵なモノとモノづくり文化とともに、価値の創造、価値の流通をヨーロッパで引っ張っていく役割を担いたい!とミッションを掲げているからです。

日本の伝統工芸xオランダのアート&デザイン、オンライン限定コラボ

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MONO JAPANは文化団体として2019年から登録しています。これは日本の伝統工芸の産地や作り手とオランダのアートやデザインの世界を繋ぎ、協業が発生するプラットフォームとして、私たちの存在が機能すればいいなあと夢見ているからです。

現在は、コロナの影響下でも実施できる新しいチャレンジとして、日蘭のクリエイターがオンラインミーティングのみで協業する実験的プログラム、MJ ONLINE AIR(アーティスト・イン・レジデンス)」を行っています。オンラインミーティング10回で何が出来るかの挑戦、このミーティングは毎回録画され、後に動画配信を予定しています。

国際的なコラボを夢見る全てのクリエイティブな方々に、今の時代だからこそ出来るデジタルの可能性と、同時に「そこでは決して補いきれないもの」を明らかにしていく試みかなと、個人的には考えています。

参加ペアはポール・ベウマー(アーティスト) と 金井志人(金井工芸、奄美大島泥染)、そしてスタジオ・ニーンケ・ホーフフリート(デザインスタジオ) と こじま ちから (竹藝家 x 大分県由布市)です。

これはオランダの文化助成団体Creative Industries Fund NLと在東京のオランダ王国大使館からのサポートにより実施できることになりました。

風土、環境、五感が視覚と聴覚、そして会話だけになった時

現在は既に2組とも2回のオンラインミーティングを終えました。初回の2回のミーティングでは、日本の金井さんとコジマさんから彼らの自己紹介と伝統工芸の紹介が行われました。

素材と製法に熟知し、丁寧にお話しくださる二人の話は非常に素晴らしく、これはこのまま全ての方に観てもらいたいくらいの内容です。作業の音、匂いなど、距離を言葉で丁寧に繕っていきます。

このコラボのたどり着く先は全くの未知です。もしかして何も形あるものは生まれないかもしれない。でもみんなで、価値の再確認やインスピレーションの誕生と交換、そして来る未来へに向けての練習や準備なんかがきっとたくさん行われていくはずで、そして少なくともこれらを動画として良い形で多くの皆様と共有できたらと願っています。

久々に再開したNOTEでは、このオンラインAIRで2組の日蘭クリエイターペアによるオンラインミーティングで生じた雑感を書き記したいと思っています。

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