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オンデマンドでローカル生産、欧州ファッションのサステイナブルなソリューション

EU委員会では4月16日、今後は欧州はますますグリーンエコノミーを進めていくことを発表、この中で「企業の物流チェーンの短縮化の必要性」にも触れています。

そしてオランダでは本日4月29日、サステイナブルな衣料生産プラットフォーム企業「Ziel」が、ヨーロッパ展開のため400万ユーロの資金調達をしたとの報道がありました。

オランダではファッション業界のサステイナブル化はいろいろな取り組みが進んでいて、素材の開発なども進んでいます。今日紹介するZielが面白いと思ったのは、以前に投稿した「続き、未来のモノづくり」でも触れた3Dプリンターのコンセプトを応用しているからです。

3Dプリンティングのコンセプトって大好きで、「誰もが必要な分だけローカルで生産できる」ってエネルギーコストの無駄がなく素晴らしいと思います。

3Dプリンティングの原則を応用した衣料生産プラットフォーム

Zielはオランダの創設者マーレーン・フォーゲラー(Marleen Vogelaar)がニューヨークで立ち上げたブランド。このブランドのモットーは、ファッション業界での過剰生産には対抗し、オンデマンドでローカルに服を作るためのプラットフォームを開発です。

3Dプリンティングの会社Shapewaysの創設者の1人でもあるマーレーンは、2010年にニューヨークに移り、Shapewaysをさらに発展させました。2015年、彼女は3Dプリンティングの原則を、世界で最も汚染度の高い部門の1つである衣料産業に応用した、新しいアイデアに取り組み始めました。

オンデマンドで衣料の過剰生産をストップ、ローカル生産で環境や雇用にも好影響

まずは Zielのウェブサイトで彼らの生産プロセスを図式化しているので見てみてください。このサイトでも説明されていますが、プロセスはこんな感じ。

1.彼らの顧客であるファッションブランドの顧客情報を入力

2.ブランドのニーズに合わせたデザインを作成します。色や形、素材などを提案します。

3.その後試作品を制作し、これをブランドの希望に合わせて調整

4.最終デザイン確定後、デザインチームが製品のグラフィックのアートワークを作成

5.オンデマンドの受注と生産を可能にするシステムとウェブサイトの融合

6.オンラインで販売

ファッション業界の問題とは?

衣料産業の環境への大きな負担が問題になっています。 例えばH&MやZara、Primarkなどのファスト・ファッション向けの多くの衣料は東南アジアで製造され、そこから世界中に出荷されています。コレクションは常に急速に変化するため、売れ残りの衣料が大量に破棄されています。 

Zielは、衣料品の生産をより持続可能なものにしたいと考えていて、創設者の マーレーンは「人工知能をスマートに利用することで、私たちのプラットフォームは衣料品の需要と供給をシームレスに結びつけることができます」と話しています。

 必要なものが正確に、そしてローカルで生産されるということ。これにより必要な交通量が減り、ローカルの新たな雇用も生まれます。

ニューヨークで生まれたこのブランドは、オランダ北部のフローニンゲンにて、ヨーロッパで最初のオンデマンドの衣料工場をスタートしたいと考えています。Zielはファッショナブルなスポーツウェアに焦点を当て、すでにNBAプレーヤーやEverlast、Bloomingdales、Krostなどのブランド向けのスポーツウェアを製造しています。

こういうアイデア、今後他の分野でも増えていきそうです!日本でもこの形で色々できそうに思っています。

*トップの写真はアムステルダムにあるイノベーティブにサステイナブルなファッションを推進するプラットフォーム(ミュージアム?)「Fashion For Good」です。

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