Saki

2021.8〜アメリカでコミュニケーション学を勉強している修士学生。ここではコロナ前も…

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2021.8〜アメリカでコミュニケーション学を勉強している修士学生。ここではコロナ前も含めた留学経験や個人的な考えを書いていきます。語学の勉強、手話、異文化コミュニケーション、社会人留学、文系留学、日本語教育等。インスタ@sakiiiiiii.a/Twitterもやっています。

最近の記事

修士留学完結編

2023年全く更新していなかったのですが、今年の夏に無事に大学院を卒業し、修士号を取得することができました。 更新が滞っている間にもフォローしてくださる方がいて嬉しかったです。ありがとうございます。2024年はもう少し更新頑張りたいと思います。 2021年夏に修士課程に進学してからの2年間はとても壮絶でしたが、とても実りある時間でした。今回は2年間で学んだことや円安直撃下の赤貧生活を簡単にまとめていきたいと思います。無闇矢鱈に人に勧められる経験ではありませんが、アメリカ留

    • (ありきたりだけど)TOEFLの勉強って大変だ、という話

      週に1回更新するつもりで始めたものの、すぐに月1更新となり、夏休み中に更新することなく今日に至ります。 授業、修論、TAで毎日(楽しくない)お祭り騒ぎです。 すでにアメリカ修士学生生活も3/4が終わろうとしていますが、先日スコア期限が切れそうだったのでTOEFLを受験しました。多分人生最後の受験だと思います。 多分この記事を読んでいる方(特に検索でたどり着いた方)はTOEFLがなんたる物かをご存知だと思うので、ただただ大変だよな、という話をしていきたいと思います。 NY

      • アメリカで歯が痛くなった大学院生の話とヘルスケア分野の異文化コミュニケーションについて

        これは二ヶ月ちょっと前のお話です。 アメリカで歯が痛くなると(色々)大変だよっていう話と、マイノリティが医療資源にアクセスすることの困難さみたいなことも少し紹介します。 春休み初日 なんとなく奥歯がうずき出しました。もともと疲れが溜まると奥歯が痛くなるので、あまり気にしてなかったのですが、どんどん痛くなる… 奥歯が痛い、でも遊びたい、やっぱり歯が痛い、授業の採点しなきゃ…を繰り返すこと4日目、痛み止めを飲んで、寝る前の歯みがきをしていたら痛い歯が欠けたーーー!!!(正確

        • きこえない人を助ける、という救世主ポジション

          ふと周りを見回してみると、世の中の様々な物やシステムは”耳が聞こえる”人が当事者であることが前提に発明されたり営まれています。「バリアフリー」とか「ユニバーサルデザイン」とか”多様性”に配慮したケースもありますが... あなたの周りにろう者、もしくは聴覚障害者はいますか?クラスメイトでもいいし、職場の同僚でもいいです。画面越しにみる有名人でもOKです。彼らのことを考えたり、関わったりする中で、どのような声かけをしますか? オーディズム的思想 ここ最近、目にするようになっ

        修士留学完結編

        • (ありきたりだけど)TOEFLの勉強って大変だ、という話

        • アメリカで歯が痛くなった大学院生の話とヘルスケア分野の異文化コミュニケーションについて

        • きこえない人を助ける、という救世主ポジション

          「何か言わなきゃ!」という呪縛-アメリカの大学院で評価される授業態度についての個人的経験-

          約一ヶ月ぶりの更新になってしまいました。新しい学期が1月半ばに始まり、ようやくリズムが掴めてきたところです。先学期よりアシスタントに入るクラスが増えたのと、外国語教師トレーニングに参加しているのでますます忙しくなってしまいました。燃え尽きないように気をつけます。 今学期は2つの授業を履修しています。修辞学メソッドに関するクラスと異文化コミュニケーションに関するクラスです。自分の興味がある分野ドンピシャのクラスで、リーディングの課題に溺れそうになるものの、楽しく勉強しています

          「何か言わなきゃ!」という呪縛-アメリカの大学院で評価される授業態度についての個人的経験-

          手話ってどこで誰と勉強するの??

          手話は言語だけど、英語や中国語といったメジャーな言語(という表現は適切ではなさそうですが)とは学習の環境が全然違うのです。 どういった点が違うのか、私の経験に基づいてご紹介したいと思います。これが全てではないですが、あくまで「こんな違いがあるのか...」程度に知っていただけると幸いです。 1.間口が広い 営利企業としての語学学校で授業が提供される他の言語とは違い、手話は主に手話サークルだったり自治体の勉強会で学ぶのがメインです。「◯◯(お住まいの地区) 手話サークル(講習

          手話ってどこで誰と勉強するの??

          大きな子どもが留学したいと言い出したらどうする?「留学反対のお作法」

          子供を留学させたい親がいる一方で、我が子が留学したいというと全力で反対する親もいます。今回は子供が学位取得留学に行きたいと言った時に、「どうしても賛成しかねる」場合に親がどのようにそれを伝えるべきか、ということについて書いてみます。 日本の高校や大学に在籍した状態での交換留学は日本に帰国することがゴールなのであまり反対されにくいかと思います。 一方で学位取得留学やワーホリは日本の学校や就職先に在籍したまま行くことは稀で、基本的には所属を離れ、離日することになります。 (

          大きな子どもが留学したいと言い出したらどうする?「留学反対のお作法」

          アメリカで生き抜いた日系アメリカ人におもいを馳せる

          今日11月25日はサンクスギビングデーです。 今回の記事は先週訪れたロサンゼルスにある全米日系人博物館の訪問記録にしようと思います。 現代とは違う社会的状況の中で、アメリカ社会と向き合った日系人の存在があるからこそ、私は今アメリカ社会の隅っこで居場所を見つけられつつあるのかなぁと思っています。感謝です。 日系アメリカ人に興味を持ったきっかけ遡ること約10年前、TBSで日系アメリカ人を題材としたドラマが放送されました。 当時高校生でしたが、この時に初めて「日系アメリカ人」と

          アメリカで生き抜いた日系アメリカ人におもいを馳せる

          日本語学習を強制された人たちに日本語を教えた個人的感想

          今月、ご縁があって日本の自衛隊と共同訓練を行う米国海兵隊員を対象とした一ヶ月に及ぶ日本語集中講義で講師を勤めました。 シラバスを作り、教材を作り、オンラインで授業を行い、課題を採点し、グレードをつける。 私は他に二人の経験豊富な先生方と一緒に担当することができ、学びの多い日々でした。 一方、受講生にとっては過酷な1ヶ月だったと思います。内発的モチベーションを持っていない受講生に教えるというのは、私にとっても試行錯誤の日々でした。 今日は、この一ヶ月の感想を少し書き留め

          日本語学習を強制された人たちに日本語を教えた個人的感想

          手話が遠のく日々

          私は今アメリカで留学生活をしていて、生活の中の7割は英語です。授業を受けたり、TAの仕事、行政手続きなどはすべて英語です。残りの3割は日本語です。こうしてNoteを書いたり、SNSを使ったり、日本語指導の仕事では日本語を使います。 生活の中に2言語しか存在しない、というのは私の中で大きな変化です。 生活の中に登場する言語の(個人的)歴史私は20歳の頃に地域の手話サークルに所属、日本手話の勉強をはじめ、通訳養成講座なども受講していました。ほぼ同時期にアメリカ手話の勉強もはじ

          手話が遠のく日々

          乳がん患者の”旅” -コミュニケーション学の観点から- 後編

          この記事は乳がん患者の”旅” -コミュニケーション学の観点から- 前編 の続きになります。 前編では「がんへの恐怖」「医療者と患者の関係」について紹介しています。 文献:(文) 映像:(映) 分析:(分) 医療現場におけるコミュニケーションの特殊性 1.(文)患者の抵抗という観点から見ると、医師がさまざまな形で安心感を与えても、患者はそれを受け入れず、医師が良いニュースとして扱っているものに抵抗するというのは、不思議なことだが、医療現場で繰り返される特徴である(Beach

          乳がん患者の”旅” -コミュニケーション学の観点から- 後編

          乳がん患者の”旅” -コミュニケーション学の観点から- 前編

          ※この記事の執筆にあたり、現在履修しているクラスの教授とクラスメイトに許可を得て、教材と課題を日本語に翻訳しています。また、取り上げた文献と映像はアメリカ社会の英語話者文化が反映されています。 10月はピンクリボン月間なので、このテーマにしました。 私は今、アメリカでコミュニケーション学を専攻しており、3つのクラスを履修しています。そのうちの一つがConversation Analysis(会話分析)の授業で、トピックががん患者を取り巻くコミュニケーションなのです。 今

          乳がん患者の”旅” -コミュニケーション学の観点から- 前編

          全ての失敗を外国語副作用で片付ける

          今週で秋セメスターの1/3が終わりました。5週間の院生活のなかでいろいろな学びや経験をしてきました。 「やってしまったー!」と思った出来事も含め。 今回は、この5週間で私がいろんな場面でやってしまった失敗を恥をしのんで?紹介します。成仏させたい。 そして、今後の生活では同じ過ちをしないようにしたい。 なお、失敗の原因は外国語副作用に由来するものとし、自分自身に責任があるとは考えません。 「私は悪くない」 これを合言葉に振り返っていきます。 外国語副作用とは?日本語

          全ての失敗を外国語副作用で片付ける

          コミュニケーション学は人文科学か、社会科学か

          アメリカで修士学生をはじめて約1ヶ月。 留学生ということもあり、英語力の観点からは惨めな思いをすることもありますが、そんな惨めさにも慣れてきました。 サムネイルの写真は通学途中の風景です。天候が安定している地域なので、それだけでも精神的には楽な気がしています。 今日は自分の復習作業がてら、ここ1ヶ月で学んだことをベースにコミュニケーション学についての私見を日本語で書いてみます。コミュニケーション学というのは範囲があまりにも広いので、「学問」ではなく「領域」であるとする見

          コミュニケーション学は人文科学か、社会科学か

          通訳を使うことは「選択肢の1つ」?

          最近のオリパラ放送に関連して「通訳」にスポットが当たることが以前より少し多くなった気がします。良いことです! 「通訳」はどんな仕事で誰のためにやるのか、多くの人がイメージできる職業の1つだと思います。 でも、そのイメージは実は特権的な意識によって作られていませんか? 日本で生活する人の全てが日本語話者とは限りませんが、日本社会は日本語で溢れていますし、大部分は日本語で営まれています。 そんな社会の中で、私は日本語母語話者として言語的には何不自由なく暮らしてきました。そ

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          英語力を磨くには

          大学院の授業がはじまり2週間が経ちました。 教授やクラスメイトの言っていることが分かったり分からなかったり… 何度も聞き返してしまったりしますが、その度になんとかして私に伝えるためにあの手この手を尽くしてくれるクラスメイトに感謝する日々です。 どうにかして英語力を磨かねば!と思うのですが、ここアメリカで私ができることは何があるのでしょうか。 英語圏に留学する時、所属する学校によって求められる英語レベルは異なりますが、どれだけ勉強すれば留学生活を楽しく過ごせるのでしょう(

          英語力を磨くには