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博士課程進学妥当性検討評価会強制開催中

現在日本へ一時帰国中、楽しい時間もいっぱいありますが日本社会やジェンダー規範からはみ出ている私の現状は酒のつまみになりやすく、ネガティブな気分になることもしばしばあります。

博士課程進学を決めてから初めての一時帰国なので色々と周りから進学についてやいのやいの言われるのでここに苛立ちを置いていこうと思います。

前提条件として、私は両親共に代々東京出身家庭の第一子長女(アラサー)、高等教育進学、海外留学(学位取得)/就職を身内から反対され、これら全てを事後報告スタイルでやっています。「色々あったけど、家族は今では応援してくれています!」みたいなことは一切なく、これまでも(きっとこれからも)私は家族の変わり者ポジションにおさまっています。 

この記事のタイトルである「博士課程進学妥当性検討評価会」というのは、私の進学について勝手に妥当性を評価してくる周りの人たちが開いてる会です。周りの人たち、というのはアカデミアに関係のない、”若い子娘に世間の厳しさを教えてやろう”というスタンスの人たちです。
よくもまぁくだらない質問をポンポンしてくるなぁと思いますが一つ一つしっかり私の心を抉ってくるので、「こんな質問してくれるなよ?」という情報共有の意味を込めて記事にしています。

1.コミュニケーションの研究って意味あるの?


→そもそもコミュニケーションじゃなくてコミュニケーション学。研究に意味があると信じてるから出願し、それを志望理由書に書いてアクセプトされたということは大学側も意味があると考えている。あなたが意味がないと思うのは勝手だがそれをこれから進学し研究する人に向かって言わないように。

2.どんな研究したいか説明してごらん?


→研究資金くれるなら資料も入念に準備して喜んで説明します!でも、あなただれですか?なんで説明して”ごらん”なんですか。この質問は年上男性からされることが非常に多いですが、コミュニケーションという言葉だけに反応してコミュニケーション学をとても軽視しているし、あなたに説明する義理もないしアドバイスも求めてないし、きっと有益なものはもたらされないでしょう。本当に研究内容に興味があるなら”研究について教えてくれませんか?”と聞いてください。

3.アメリカ人女性はプレゼンしたり意見をはっきり言いたがる国民性だけど、日本人女性はそういうのはしたがらないからコミュニケーションを勉強するならアメリカのほうが有利だよね?


→有利不利はわからないが、少なくともアメリカの方が環境が整っている理由は日本人女性が意見を言いたがらないからではなくて、意見を言いたがらないと思い込んでるあなたとあなたのような人たちが持つ規範性が私たちを抑圧してるからです。あと、「アメリカ人女性」「日本人女性」の定義は何ですか?国籍ですか?

4.博士課程が始まったら家事はどうするの?料理は誰が準備するの?家族は許してくれた?


→どうもこうもないです。許すも許さないもないです。博士課程があろうとなかろうと自分ができることをやるだけ。女性研究者には「理解ある配偶者」が必要と言われますが、何でなんですかね。本来なら性別職業関係なくパートナーについては相互理解すべきだと思いますが、女性側が夫を理解することと男性側が妻を理解することの価値の重さの違いにモヤモヤしています。
私には夫がいますが、夫が私の博士課程進学に「理解」を示しているように、私も夫の仕事に「理解」を示しています。実際、夫の勤務地に合わせて私は住む地域を変え、自宅から通学できる範囲の大学院に絞って出願しています。

これは余談ですが、妻不在時の夫の食事を心配される方が多いですが全くもって意味不明です。第三者だけでなく、自分が家を開ける際の夫の食事を心配する妻や自分の食事を心配する夫本人が日本には多いと感じます。何故妻にケアを求める男性が多いのでしょう?

5.もし家庭の事情が変わって引っ越しが必要になったりしたらちゃんと博士課程をやめるのか?


→「ちゃんと博士課程を辞める」の意味がわからないです。どんなに徐行運転になっても学位取得を目指しているので、できることなら辞めたくないです。あと家庭の事情が変わる時に何故女性が全てを犠牲にすべきと思いますか?私たちはリソースじゃないです。いつどこで誰と仕事するか、私にも選択権がある。


他にも色々くだらない質問はあるのですが、大体は進学をポジティブに思ってないどころか女性の進学や社会進出を嘲笑するような人たちにかけられる質問たちのせいで私の日本一時帰国滞在はストレスフルなものになっています。

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