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鉄道趣味論

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鉄道をめぐる趣味と、それを発信していく事について雑に考える
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記事一覧

自分を探す旅

 自分探し、より正確に言えば「自分探し批判」がまた話題になっていた。
 私の解釈だが、「自分探し」とは「しばらく面倒くさい連中と会わない時間が欲しい」の言い換えなので、「自分探し批判」は自ら「面倒くさい連中」であると宣言しているにすぎない。

 だいたいの場合、「自分」はとっくに見つかっているのだ。

 しかし、何かの労働に没頭する事で「自分」が見つかる人もいるので、よく分からない。

 私は、よ

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軽便祭に向けて

 今月終わり、9月29日に軽便鉄道模型祭というイベントが開催される。

 去年はコロナ禍後の再開という事だったけれど、特に模型の完成品は持って行かなかった。
 今年はできれば持って行こうと、重い腰を上げた訳である。

 ネタは足尾のフォード。足尾銅山の自家製で、他にはいなかったが、結構有名である。
 1950年代中頃まで残ったとか聞いたことがある。現在は復元車輌がいる。
 そして今回はOn18仕様

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何か理由つけて宮崎に行きたい

 1979年夏に家族旅行で宮崎に行った事がある。寝台列車でだ。

 この1979年夏というのが、まだ前年からのブルートレインブームの続いていた時期であり、車掌さんにサインを求める子供まで、しかも大勢いたものである。「鉄道好き」にとどまらないブームだった。

 ご多分に漏れずというか、自分も無理を言って片道を寝台列車にしてもらったのである。

 宮崎駅はまだ高架になっていなかった。

 それでまあ、

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ついに出る! 「小林信夫の模型世界」

 以前、小林信夫さんについては書いた事があった。

 ただ、小林信夫さんの記事って、雑誌連載やカタログのおまけみたいなものだったので、「いつでも買える」というものではなかった。

 それがついに書籍で出るのである。機芸出版社から「小林信夫の模型世界」が。

 まだ本自体は出ていないのであるが、目次から類推するに、今回は「まず1冊目」であり、「好評なら続編も」という事なのだろう。そうに決まっている。

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鉄道模型雑誌はどう生き残るか

「RM Models」という鉄道模型雑誌が「実物寄り」になっていると聞いて、見てみると、予想以上に「実物寄り」で実物の紹介記事が多かった。

 確かに実物は模型を作る上で参考になり、特に建物など、製品として出ていない、あるいはディテール追加の余地がある物の場合、欠かせないのは確かであるのだが。

 もともと同誌は「Rail Magazine」という雑誌の鉄道模型記事の部分だけが独立した。という感じ

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「わ、電車だ」が難しい

「バナナマン日村が歩く!ウォーキングのひむ太郎」という番組を時々観ている。

 ウォーキングシューズメーカーの提供で、スポンサーとは直接関係なく、歩いていて町中に現れる「酒のカクヤス」等に対する日村の反応が面白い。出会った人に時々バッジを配ったり。

 この間は「王子」の回をやったのだが、これが興味深かった。

 日村は電車好きらしいのだが、その反応は「わ、電車だ電車だ」である。

 こういう感情

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「いなかはいいねえ」はいつ頃からあるのか

 都会の人の「いなかはいいねえ」はいつ頃からあるのか考えてみた。

 NHKのテレビ番組「新日本紀行」は1963年に始まっている。1969年頃には現在の「新日本風土記」「小さな旅」の「いなかの(あるいは昔ながらの)人たちはいいねえ」という路線になっているようである。

 1966年、NHKのテレビドラマ「太陽の丘」が放送される。静岡県の伊豆にある架空のユースホステル(今で言えば民泊に近い?)の親父

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「引き出し」が無ければ「好きにやる」はできない

 何らかの趣味をやっていると、知らず知らずに「引き出し」ができている。
 何でも良い。「今はステンレス製の電車が多いな」とか、「このタイプはJR西日本にしかいないな」とか。
 これは「設定」とか「知識」とか「教養」とかいう堅苦しい物事ではない。

「とりあえず組んでみた鉄道模型のカーブだけど、20m級の車輌が通るのは不自然だな」、「非電化のローカル線がやりたいんだよな」、「現実世界に今ある◯◯線の

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EF13に似合う客貨車

 EF13という電気機関車がある。戦時設計の凸型機関車として知られるが、いざ、何か列車を牽かせようと思うと困る。

 自分の偏見から考えて、やはり木造貨車を中心に連ねるのが良さそうだが、最も似合いそうな戦時型の3軸貨車トキ900や急造車掌車ヨ2500の製品はNゲージには無かったように思う。トムフ1は元トミックスの物があったけど。

 ボギーのトキ15000はKATOのロングセラーがある。ワキ1とい

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物語性の希薄なメカもいいじゃん

 ホビセン(ホビーセンターカトー)でミニトレインズのボックスカーとゴンドラカーを買ってきた。

 安いとは言えないが、オレにとっては「こういうのがいいんだよ」という感じである。

 なんか鉄道会社やナンバーをでっち上げたい。

 模型に関して言うなら、自分はガチガチの「◯◯鉄道◯◯型」みたいなのはどうもあまり好きではない。
 実物の趣味と模型の趣味はちょっと違うんじゃないかと思う。

 模型に関し

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池袋鉄道模型芸術祭2024(少しだけ)

 この日は諸事情で遅くなり、少ししか見られなかった。

・NGJ

 細かい所がこつこつと毎回変わっているOゲージパイク。今回はガソリンスタンドが追加。

 こちらに写っている機関車は製品化の噂も。

 鉄道模型界のチャンカワイ(©ワンワンさん)こと不器用村。

 今回はヌシには会えず。
 こちらに写っている機関車は残念ながら製品化の話はナシ。

 他にも色々あり。

・陸Jokies

 隣に怪

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JRのあの車輌の顔の原点

 中古のグリーンマックスのキットの「顔」が中古で売られていたのを買った人がいた。

 その中にJR東日本の地方路線にいるような車輌、701系あたりの前面を思わせる物があった。

 あれ? グリーンマックスでこんなの出していたかな? キハ54やキハ31も無かったはずである。

 少し考えて、大阪市交通局60系だと思い当たった。あの顔は結構古い起源があったのだ。

 さて、これを使って「JRの電車」を

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世田谷線300系

 以前「ブラタモリ」に東急世田谷線が映った。現在車種統一された300系にタモリも乗車していた。

 この世田谷線300系は、いわゆる軽快電車ともまた違う流儀のカタチに思えるが、デビュー当時は少々地味に感じたものだった。ある程度話題にはなっていたのだが。

 この頃、軌道系では広島電鉄や熊本市電の低床電車が登場し、そちらの方がより注目が集まっていた。対して300系は低床タイプでは無かった。この辺りが

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中途半端な地方の交通機関

 自分は静岡県の三島のという所の市街地の近くに住んでいる。大学のキャンパスがあったりして、都会でもなければ、ひどい田舎でもないと思う。

 あくまで自分の場合の交通機関の使い分けだが、東京や横浜となると新幹線1択だ。西に行って掛川から先、名古屋辺りだと新幹線。関西や岡山だと日程の関係で片道高速バスを使う事もある。

 北海道は、いくら鉄道好きだと言っても遠すぎるから羽田まで行って飛行機。盛岡や新潟

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