鉄道模型雑誌はどう生き残るか

「RM Models」という鉄道模型雑誌が「実物寄り」になっていると聞いて、見てみると、予想以上に「実物寄り」で実物の紹介記事が多かった。

 確かに実物は模型を作る上で参考になり、特に建物など、製品として出ていない、あるいはディテール追加の余地がある物の場合、欠かせないのは確かであるのだが。

 もともと同誌は「Rail Magazine」という雑誌の鉄道模型記事の部分だけが独立した。という感じであった。

 分離前の「Rail Magazine」の鉄道模型記事というのは結構印象にある。Nゲージの、401系や京急2000、琴電の各車輌への改造などは他の雑誌ではやっていなかった。
 木造ワフのバリエーション紹介とか、新潟交通のモワが他の鉄道にいたらという作例も面白かった。

 分離後については、「昭和模型工作室」が興味深かったし、度々「アルナイン」等テーマを決めた、読者による競作記事もあった。

 この辺り、逆に言えば「グリーンマックスのエコノミーキットをどうディテールアップするか」のような記事が、ストレートにはできなくなっている事のあらわれだろう。
 他の雑誌の記事にあったように、グリーンマックスのエコノミーキットの改造はもはや、「グリーンマックスのエコノミーキットの改造」が好きな人がわざわざする時代である。

 実際、買ってきてそのまま精巧な鉄道模型が手に入る時代に、「鉄道模型雑誌」がどうあるべきか、考えなければならない時期かもしれない。

 Nゲージの新製品をメーカー別に並べて比較というのも、メインの記事にはならないんじゃないかと個人的には思う。

 老舗の「鉄道模型趣味」(TMS)にしても、面白い読み物は増えている印象であるが、安泰とは言えない気がする。
 以前はあった、作者の説明から図を起こす職人がいなくなってしまっている。
 これはAIでもどうにもならないのだろう。

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