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みみみ
2021年2月26日 17:57
例えば書庫出納。申し込んだ利用者には番号札を渡し、本のレシートの端っこにその番号を書いて、出納係の人に渡す。その番号すら、判読が難しいときがある。新人のN藤くんの字は、小学一年生のそれのように振り幅が激しく、しばしば心の眼で読まなければならない。車いす用の自習席に電気がつかない、と言っておじさん(ちなみにそのおじさんは車いすではなく、ただの正義の人)が窓口で怒鳴り散らす。おじさんのことは
2021年2月19日 19:25
大学受験で初めて訪れたまちの博物館で、わたしは「マラーの死」を見た。裸で、脇腹を刺されたマラーは、画面いっぱいにぐったりとうなだれている。初めて見た実物は、ものすごく大きかった。歴史の教科書に載っていたので、どんな絵かは知っていたものの、このサイズは予想外だった。マラーは持病の水虫のために、しょっちゅうお風呂に入っていた。その無防備なときを狙って、反対派に命を奪われたのだった。殺された上に、
2021年2月12日 18:49
開館するまでの30分、ポストに返ってきた本を消毒したり、乱れた本棚を整えたりする。記載台もえんぴつも消毒。検索機のキーボードの上にはラップをかける。床に落ちていた紙くずを拾い上げたら、メインテーマは殺人、と書いてあった。返本していたK川さんが、踏み台をめちゃめちゃに壊してしまう。プラスチックが劣化していたのだ。どのくらい前からここにあったのだろう、と考えていて、ふと台湾では食べ物だけでなく、雑
2021年2月5日 20:38
玄関を入ってすぐのところに謎の人間像がそびえ立っている。なんでも外国の町と友好都市になった記念に作られたとかで、彼女(?)の着ているドレスには、両都市を象徴すると思われる特産品が描かれている。彼女の左半分は黒髪に黒眼、右半分は金髪に青眼。表情は特にない。像の飾り場所はすぐには決まらず、あちこちで断られた挙げ句、図書館に「押しつけられた」と聞く。今はBDS(貸出手続きをせずに本を持ち出そうと