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もっちもち
2020年3月28日 23:08
春に飲み込まれそうな夜。もうすこしで僕だけの春が終わり、歩く先々で美しく咲き誇っていた名もなき花たちが枯れていく。それでも僕はそこを歩いて、歩いて、たまに躓いて、また立ち上がろうと心に決める。その繰り返し。春夜は気が遠くなるほど長く、そして淋しいものだ。ふらふらのまま寝床に潜り込めたとしても、断片的に広がっていく未来を天井の壁を舞台に想像してしまう。頭が揺れて、身体が震えて、呼吸が荒く